ウェブ解析で得られる成果をチームのマネジメントにつなげる上級ウェブ解析士、加藤 真人さん

「仕事とウェブ解析士」をテーマにお送りさせていただくウェブ解析士インタビュー。15人目は、主に雑貨屋ギフトのECを担当されている加藤 真人さんです。

加藤さんは「人」からブレることがなく、ウェブ解析士の取得理由も「スタッフの価値が資格として明確になる」「自分でやったことが数字で評価された成功体験になる」といった視点を持たれていました。組織でマネジメントされている方や、ウェブ解析士の資格取得を検討しているマネジャー層の方は、加藤さんの姿勢を参考になさってみてはいかがでしょうか。

(インタビュー・編集:ウェブ解析士マスター 小杉 聖)

上級ウェブ解析士の加藤さん

上司が楽しんで挑戦することの相乗効果

早速ですが、加藤さんのお仕事を教えてください。

会社は雑貨やギフトを実店舗とネットショップにて展開していますが、私はECの運営責任者として戦略を立て、チームの全体管理を行っています。成果に直結する仕事ですね。

もともとECの戦略をされていたのですか?

いえ、14年くらい前に入社した時は、コールセンター勤務だったんです。会社に制作の部門がなく、商品管理もLP(ランディングページ)の作成も外注していたので、独学でウェブデザインを学び、制作部を立ち上げました。当時は私1人でしたが、5・6年前からはチームとして取り組んでいます。

戦術としての制作にも興味があったということでしょうか。

制作が好きというよりは、いろんなことをやっていると視野が広がるので、新しいことに挑戦するのが好きなんですよね。やれることが増えるといろんな人と話が弾むので、できるだけスキルを持っておきたくて。知識も経験もない人より、経験をもとに話す方が相手も安心できるかなって。

実践してわかることってありますもんね。

そうですね。それに上司が挑戦を楽しみながら仕事していれば、自分も挑戦していいんだって思ってもらえますし、心が開かれて主体的に活動すると、建設的なディスカッションができますし。
職場が息苦しくなるのがイヤなんですよ。自分の考えを試せる会社なので、せっかくならお互いに挑戦して成長し合える職場にしたいですね。

すばらしい企業文化ですね……!

とはいっても、会社としてできる範囲は限られていますから、個人でブログ、YouTube、Twitter、Instagramなどをやってみて、反応をECに活かすようにしています
今は動画編集にハマっていて、テーマは決めていないですが、子どもたちがやりたいことをコンテンツにしているので、毎日楽しくやっていますよ。

お子さんも相当楽しそうですね。
加藤さんの場合、スキルを深める以上に、その反応を実務に活かすことを大切にされているように感じました。

ECに関わった当初はどんぶり勘定だったんですが、規模が大きくなるにつれて、そうもいかなくなってきて。ちゃんと反応を分析して注文を取りたいと思い始め、Google アナリティクスのデータをチラチラ見るようにはしていたんです。

では、データの分析もされていたんですね。

いやぁ、この頃はまだ、実務が忙しくて上辺のデータを見る程度だったんですよ。本を読んでみたものの、なかなか実務に活かせなくて、しっかり学べる方法がないかなと思っていました。

数字で評価できるウェブ解析は、成功体験につながる

そんな時に、ウェブ解析士に出会ったんですか?

そうですね、実践的な内容が学べるものがないかと調べていたら「ウェブ解析士」って言葉を見つけて。この名前、良くも悪くもインパクトあるじゃないですか。士業じゃないのに「士」がついてるし(笑)

確かに(笑)

資格ってピンキリで「その日だけ勉強すれば取れます!」といったものもありますが、ウェブ解析士はさまざまなブログなどで「勉強しないと合格できない」と言われていたので、名ばかりの資格にならなくていいかもと思って

それがウェブ解析士を取得したきっかけだったんですね。

確かに、入口は自分自身の実務に活かすことが理由でしたが、それ以上に、一緒に働く人たちの成功体験につながると思ったからなんです。

といいますと?

成功体験って、積めるだけ積んだほうが良いじゃないですか。第三者評価も大事ですが、数字で評価できるウェブ解析は、それがとてもわかりやすい。自分たちがつくった商品やLPが、どれだけお客さんに喜んでもらえたかという結果は、本人の成功体験として自信につながるんです。会社も評価しやすくなりますし。

数字によって、自分の仕事に対するフィードバックが得やすくなるわけですね!確かに!

会社としてスタッフを囲い込むようなことはしたくないので、納得してここで働きたいと思ってもらうために、常に楽しく仕事できる環境づくりを考えていたいんです。
単純に会社の歯車になるんじゃなくて、こういう数字を、こういうことをして、こういうふうに改善しました!と、自分の成果を語れるほうが強いし、楽しいですよね。
そのために、私が Google アナリティクスをもっと学んで、スタッフが成果を得られるような支援ができれば、それが加速するかなと。

上級ウェブ解析士を取得されたのも、その流れですか?

はい。ウェブ解析士のレベルではウェブマーケティングを体系的に学べるだけだったので、「足りない!」と叫びました(笑)認定レポートは(Google アナリティクス講座に出席せずに)自分で考えましたが、もっともっと手を動かして実践的に学びたかったんです。

実際、上級の講座を受けてみてどうでした?

正直、レポートがムダに多いなと思いました。こんなにいらないと思います(笑)この時間をつかって、Google アナリティクスを教えてほしかったなって。
とはいえ、講師の方には丁寧にたくさん教えていただきましたし、上級ウェブ解析士を取得したことで視野が広がったのは良かったですよ。あとは自分なりに、学んだことを事業に活かしていきたいです。中でも、中間課題のレポートは役に立っていますね。

チームの成長をキレイゴトで終わらせない姿勢

加藤さんはずっとECを担当されているわけですよね。サイコーだな!と思えたエピソードってありますか?

そうですねえ、これといって印象深いエピソードはないんですが……年末に売上が大きくなる業界なので、年明けから夏くらいに準備して、数ヶ月単位の計画で分担して準備していくんです。スタッフが自分たちで企画して、スケジューリングして進めていくわけですね。
そのスケジュールがうまくハマってスムーズに進んだり、目標を達成できて喜んだりするのを見るのが本当にうれしいですね。

イイですねー!加藤さんは、チームの活動プロセスをしっかり見守ってくれて、継続することそのものを喜べる方なんですね。こんな上司がいたらサイコーです(笑)

キレイゴトかもしれないけれど、一緒にやってるチームが成長するのはとても大切なことだと思っています。だから、褒め合えたりお互いを尊重して声かけできているのがうれしい瞬間ですね。人のマネジメントとか教えることが好きなので、売上よりも人に目が行ってしまいがちなのは気をつけるようにしています。

そうやって意識しているのが素晴らしいですね。ちなみに、売上が沈んだときってどうしていますか?

特に変わった動きはしません(笑)
経営層としては考えなければならないことですが、チームは沈んでいないですし。いつもどおりお客様に喜んでいただく為に試行錯誤するだけです。チームワークは良いので、そういうときこそ、なんとかなるかなと思っています。

組織の強さを感じます……!

でも、会社全体で見た時は実店舗や他の部門との連携も必要ですし、まだまだこれからですね。その人たちも、楽しく仕事してほしいと思っています。

今回お話を伺っていて、加藤さんは「楽しく仕事してほしい」ことにこだわりを感じるのですが。

ええ……、入社した時はまだ会社が小さくて、必死だったんですよ。日をまたぐこともよくありましたし。「あと2日仕事すれば休める、あと1日行けば……」って、休みの日をカウントダウンしていたんですよね。自分がやっている成果が見えず、仲間も足りなくて。
この頃の自分をまた感じたくないし、スタッフには、ワクワクしながら楽しく仕事してほしい!という思いがとても強いです。

確かにIT業界はブラックと言われがちですが、その経験が原動力になっているんですね。

まず自分のやっていることを成果として評価してもらえる環境は必須でした。認めてもらうことで更に成果につながるような仕事ができれば、良いサイクルができますし。
資格が実務に活かせることを会社に証明するなら、自分で取得して実践するのが一番早いので、ウェブ解析士の資格は最適でしたね。スタッフの価値を会社として評価できるよう、特定の資格を取ると手当がもらえるルールを作りたかったんです。

ウェブ解析士の資格をこのように捉えてもらえるのは、とてもウレシイです!

もちろん、ウェブ解析士以外の資格も勉強中です。
資格取得制度は、個人の市場価値を高めることにつながるので、結果的に組織にとってメリットになるんですよね。単純に仕事をやってるだけじゃなくて、意欲の高いスタッフに育てることができますから。

ウェブ解析士を取得したいかどうかは自分次第

では、これからウェブ解析士の資格を取得したいと考えている方に向けて、加藤さんからなにか助言などあれば。

取得するかどうかは、自分で考えてほしい(笑)

直球!!

他人のアドバイスを参考にする時点で、取得しても活かせないんじゃないかと思うんですよ。その人の環境によるので、取得して活かすかどうかは自分次第じゃないですか。せっかく安くないお金をかけて取っても、放置している人がたくさんいますよね。

そうですね。現実問題、少なくないです。

資格は何でもそうですが、目的が定まっていないなら、取得する必要もないですよね。もちろん途中で変わってもいいし、広がってもいいと思いますが、最初の目的がないと、学びながらこれを使おうって思うことも、学んだことをすぐに活かすこともできないでしょうし。合格したら「やったー!!」って、お酒飲んで終わるんじゃもったいない

取得することが目的になってしまう人もいますね。

そういう人はフォローアップテストや年会費を払う更新時期に、面倒臭くなって辞めることになるので、この資格を取得してどう活かすかが曖昧なら、絶対取らない方がいいですね。

断言(笑)
いいですね、加藤さんのスタンス。でも、教えるのも好きとのことですが?

矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、自分で考えることができる人に教えるのは好きなんです。誰かを参考にするのは悪いことではないけれど、「あの人が言ってたから」と鵜呑みにしてほしくはないですね。そういう意味では、講師選びが大切といっても、結局自分次第じゃないかな。
時間は有限ですから。受け身のまま適当にやらないほうが良いよというのは伝えたいです。

ウェブ解析士として一番求められるのは、自主性かもしれませんね。ありがとうございました。

あとがき

ウェブ解析の本質はコミュニケーションなので、ウェブ解析士で学べる知識だけでは片手落ちです。解析をする際にも、目的がなくては意味がありません。実務ではそんなふうに考える私ですが、講師としてフォローできることはもっとあったんだろうなあと振り返ることも多かったので、加藤さんのスタンスにはとても共感でき、なかなか刺激的なインタビューでした。

ウェブ解析士のカリキュラムとしては、「事業の成果に貢献すること」を土台にしていますが、それによって得られるのは売上などの業績だけでなく、組織で働く人へのフィードバックになりえるというのは大きいですよね。データによってチームもクライアントも動かすことができるという話は聞いていましたが、ここまで「成果の見える化」としてマネジメントに活用している事例は初めてでした。

私も新たな視点を得られて視野が広がったので、これからのウェブ解析を考えていくきっかけになりました。同じように刺激を受けた方は、加藤さんの Twitter アカウントをフォローしてみてはいかがでしょうか。毎日を娘さんたちと楽しんでいる姿が見られますよ。

子どもたちと YouTuber に挑戦中!

YouTube 動画編集画面

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加藤家@子供達の夢「YouTuber」に挑戦中!さん (@katoke_4family) / Twitter