SE×ウェブ解析で社内改革を下支えする 上級ウェブ解析士、岸川 律子さん

「仕事とウェブ解析士」をテーマにお送りするウェブ解析士インタビュー。62人目は、三菱電機ITソリューションズ株式会社 経営企画室 企画管理部 マーケティンググループの岸川 律子さん。

三菱電機ITソリューションズ株式会社(以下、MDSOL)は、人事・総務系から製造業、流通・サービス業、ヘルスケア分野等、業種・業務ノウハウを活用したパッケージソリューションを中核としてシステムインテグレーション事業を行っている企業です。入社から数十年、同社に勤めてきた岸川さんは、事業部を越えた全社のウェブマーケティング推進と分析を担当されています。上司の勧めで、2021年に上級ウェブ解析士を取得。「もともとエンジニア気質で、資格好き」と話す岸川さんに、システムインテグレータ企業のデジタルマーケティング推進と、資格取得のメリットをお話いただきました。

(インタビュー・編集:ウェブ解析士 ふじねまゆこ)

目次

縦割りの事業部をつなぐデジタルマーケティング

――御社は、製造から介護まで幅広い対象の商品を扱われていますが、どのような体制でウェブマーケティングを推進されていますか?

岸川 律子さん(以下、岸川さん):実は、マーケティンググループが発足したのが2016年かつ、2020年にグループ会社の事業再編・社名変更があり、基盤ができたのは最近です。事業ごとのウェブ解析とデータ共有が主な業務ですが、今後、いろいろなことをやっていこうと動き始めています。

弊社が扱う94製品のうち、主要製品の専用サイトが7つあって、各事業部に毎月のレポートを共有していますが、具体的な改善提案はこれからです。上級ウェブ解析士認定講座で得た知識を活かして、データの見せ方、伝え方を見直し、担当者の理解が深まる工夫をしました。次はデータポータルを使って、担当者がレポートのデータを自由に閲覧できるよう準備しているところ。次のフェーズに進む途中です。

――事業部ごとに違う業界ですから、改善レポートも違うものになりますか?

岸川さん:そのとおりです。今は解析結果から明確なアクションを答えづらいのが正直なところで、各事業部との情報共有をより密にする必要性を感じています。これまでは上級ウェブ解析士の資格所有者が上司1人でしたが、私を含め有資格者を増やし、各部との連携を深めて実績を重ねたいです。先日、同じ部署の方がウェブ解析士を取得したのも大きな一歩でした。

事業部ごとに、デジタルマーケティング推進の温度差があるため、まずはデータと知識の共有から取り組んでいます。月間レポートは、グラフと短いコメントを使い、伝えたいポイントだけを意識して記載しています。横のつながりを増やし、知識経験を多く集めるため、近々、グループ会社の中でITソリューションを担う2社(三菱電機インフォメーション システムズ株式会社・三菱電機インフォメーション ネットワーク株式会社)と情報共有の場を設ける予定です。事業部を越え、会社を越えて協力しあう体制を整えつつあります。

パワーポイントで配布している資料を、Google データポータルへ移植したサンプルレポート。移行に向けて作成中とのこと

――レポート作成で気をつけていることと、各事業部の反応はいかがですか?

岸川さん:色の意味づけや、パッと見たときの印象により、わかりやすいレポートを意識しています。これは、上級ウェブ解析士講座で教えていただいて非常に役立っていることの一つです。

レポートをみた担当部門から、相談や質問をいただきます。月次のPV数が大きく増えたときには詳細説明を求められますし、大きなイベントや施策がなく数値が振るわない製品サイトは、今後のウェブ施策のご相談を受けることも増えてきました。

また、週次データをイントラネットのトップページで共有しているのですが、それを見た社長や経営幹部からご質問をいただくこともあります。社内でも注目されているようです。

体系的な知識を、人材育成と仕組みづくりに活かす

――ウェブ解析のどんなところに面白さを感じますか?

岸川さん:弊社ではメルマガ配信を行っているのですが、業界的に旬なテーマへの反応が数字ではっきり示される点は面白いなと感じます。

私はもともと、SE部門の管理部で、工数管理システムのメンテナンスや、新人SEの教育をした経験があります。未経験の分野に挑戦するときは、拠り所になる体系的な知識を資格・セミナーで取り入れるのは、長年してきたように思います。GAIQ(Google アナリティクス個人資格)や、MOT(マイクロソフト オフィシャルトレーナー)、MCP(マイクロソフト認定資格:VB6.0等)など、我ながら資格マニアだと思います(笑)。上級SNSマネージャーも先日取得しました。

仕組みづくりも好きかもしれません。Google アナリティクスのデータをGoogle スプレッドシートに抽出し、Apps Scriptで所定の時間にエクセル変換、メール添付・送信までを、時間指定で自動化します。出社後、集計し終わったエクセルデータを必要なフォルダに入れて、VBAで整形されたレポートをそのままイントラに公開する。そんな仕組みを作るのが楽しいですね。

――まさにエンジニアですね!

岸川さん:次はGoogle データポータルを取り入れたいです。これがあれば、社内で最新データを必要としている方に見てもらえるはず。ウェブ解析士協会主催の、Google データポータルをテーマにしたFlashセミナーも興味深く拝見しました。

上級ウェブ解析士認定講座でいただいた、過去3ヶ月分のチャネル別計画書や、目標設定の資料は、かなり大きな財産です。こういったレポートの多くは社外秘で、滅多に見られるものではありません。会社にとっても、個人的にも非常に貴重な機会でした。

正解がわからない不安を払拭できた

――お仕事のなかで、大変だなと思うところは?

岸川さん:正解がわからないところですね。アクセス解析で数字を出せても、基準がなければ判断ができません。その点、上級ウェブ解析士認定講座で、直帰率など目安の指標と数字をいただけたことは、非常にありがたいと感じています。これまでは、社内の過去データから絶対評価はできても、他社比較しようと思うとデータが得づらく、断言しづらい場面がありました。

経営陣へ成果を伝える場面でも、数字の根拠は厳しく求められます。講座では、私が考えた施策の根拠はなにか、講師と何度もやりとりし、根拠の大切さを教えていただきました。

基本的な部分では、Google アナリティクスとGA4の設定が正しくできているか? 正しく数字を取得できているか? ダブルカウントされていないか? CVは正しい数値を取得できているかなど……不安は常にあります。でも、その不安を払拭するために、グループ会社の担当者と情報交換する場を設けるなど、手段を講じてくださる上司に感謝しています。

――ウェブマーケティング推進は、上司の力が大きいのですね。

岸川さん:そうですね。彼女が会社へウェブマーケティングの必要性を提言したことが今につながっています。結果、マーケティンググループの所属員として身に着けるべき資格と教育方針を決めて、資格取得のサポート体制ができました。彼女と知り合ったのは社内の親睦会で、部署の垣根を越えて1年間、レクリエーション企画のお付き合いをしたのがきっかけです。

マーケティンググループのメンバーを募る際に、別の上司が私を推薦してくださって。それから一緒に、ウェブマーケティングの基盤づくりを進めてきました。事業再編で、以前どのような仕事をされていたかわからない方もいるなか、ウェブマーケティングに携わった経験がある社員に声をかけて、今は5人で業務にあたっています。比較的、年齢が近いメンバーですので、和気あいあいとしていますね。

学びへの好奇心を持つ人にすすめたい資格

――お話しされている様子から、チームの良い関係性を感じます。今後、チームに若い新人が加わったとき、ウェブ解析士をすすめたいと思いますか?

岸川さん:ぜひおすすめしたいですね。できれば、システムエンジニアの素地がある方におすすめしたいです。エンジニア経験がある方ならば、ウェブ解析に必要な各種ツールの連携はそれほど難しくないはずです。ウェブマーケティングの基本的な用語、知識を取り入れるために、ウェブ解析士は良いと思います。欲を言えば、Google アナリティクス個人資格も……。Google タグマネージャーや、解析で使えるスクリプトを組むような話ができる後輩を育てたい! 

ウェブ解析、各種システムの仕組みに興味が持てるかたは、伸びしろが大きいと思います。どうして動くのか、どんな仕組みが効率的か、自ら興味を持って実践できると楽しいはず。これまではCMS、MAツール、各種解析ツールをつなげる仕組みを作ってきましたが、網羅的に伝えるドキュメントが整備できていません。一子相伝のような状態は、今後、整えていきたいなと感じています。

――岸川さんご自身は、時代とともに変わる技術に抵抗感がなかったのですか?

岸川さん:実は私、もともとは文系で、外国語学部出身なんです(笑)。私が新卒入社した時代は、研修で三菱電機が独自規格したオフコン(オフィスコンピュータ)を使いました。配属先では、当時まだ珍しかったパソコン(Windows3.1)が導入されましたが、英語の説明書しかないパーツから自作パソコンを組み上げるのが最初の仕事でしたね。IT企業に勤続数十年と言うと驚かれることが多いです。

最初はわからないこともありました。でも、周囲と助け合い、必要な知識を取り入れながら乗り越えてきたように思います。経験年数が長い分、臨機応変さはあるかもしれませんね。

あとがき

日本のITを長く支えてきた企業で働かれている岸川さん。インタビューの謙虚な姿勢が印象的でした。部署の垣根を越え、変化を起こすべく殻を破るようなお話は、明るい未来につながるようで、とてもワクワクします。変化は、主導者を支える人があって起こるのだと、岸川さんのお話を聞いて思いました。

三菱電機ITソリューションズ株式会社

https://www.mdsol.co.jp/

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編集部補足:岸川さんをはじめ、マーケティンググループのメンバーが各事業所のYouTube撮影チームをサポートしています。上級SNSマネージャーの資格保持者による運用企画書の作成や、アカウント作成サポート等により、各部署の挑戦を支えられているそうです。


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