“何がズレているのかがわかりました” 医療業界でデジタルマーケティングを進めるウェブ解析士、Wさん

Wさん

ウェブ解析士の資格を取得した方を対象としたショートインタビュー。今回は、医療業界でデジタルマーケティングを行っているウェブ解析士の方。匿名のインタビューとなりましたが、業界特有のお話を伺うことができました。

(インタビュー・編集:ウェブ解析士マスター 小杉 聖)

――― Wさんは医療業界に従事されているということですが、差し支えない範囲で、現在のお仕事を教えてください。

Wさん:顧客向けの自社サイト運用のサポートや、デジタルマーケティング施策実施のための提案・実現へ向けたサポートを行っています。一般的なデジタルマーケティングと大差ないとは思っていますが、それが医療業界のみに閉じられている感じですね。

――― 閉じられている感じですか。

Wさん:一般的なデジタルマーケティングに対して、業界内ルールがあり、一般消費者向けとは異なる点があります。広告が使えなかったり、行動データの分断が起こったりして。例えば、患者に対する直接的な広告(DTC:Direct to customer)は、海外では許されている国もありますが、日本においては、医師の処方の必要な医薬品は、患者向けの広告を打つことはできないです。

――― 細かい制限のあるBtoBのダイレクトマーケティングみたいですね。
すでにデジタルマーケティングを行っていて、しかもこういった業界にいらして、ウェブ解析士の資格に興味を持たれたのはどういった理由が?

Wさん:名称を知ったのは、医療関係でもウェブ関係でもない勉強会に参加したときです。グループにウェブ解析士の資格を持っていた方がいて、こんなところにウェブの人がいるのは珍しいなあと思ったんです。

――― その勉強会では、Wさん自身も珍しいと思われたと思いますが(笑)

Wさん:それは否定しません(笑)
そのうち、スキルアップのためにデジタルマーケティングを体系的に学べるものはないかと探していたときに、もう一度「ウェブ解析士」の名称を見つけて調べてみたら、私のニーズに近いと感じたので、受講を考えました。

――― ニーズに近いというのは、やっぱり体系的に学べるというメリットでしょうか。

Wさん:そうですね。デジタルマーケティングって、幅が広くて勉強しにくいですし。Google アナリティクスの認定資格(GAIQ)を受けてみたものの、わかったことはGoogle アナリティクスの機能だけで、デジタルマーケティングはわからないままでしたし。実務でデジタルマーケティングをやっているといっても、このままで良いのかとか、もっと広げるにはどうしたらいいんだろうとか、色々考えていたんです。

――― なるほど。実際にウェブ解析士の講座や試験を受けてみて、どうでしたか?

Wさん:世の中の一般的なデジタルマーケティングの全容が見えたのは大きくて、何がズレているのかがわかりました

――― 「閉じられている感じ」の世界からの声ですね!

Wさん:うちのマーケティング部門全体は医療業界の外から来られる方も多いので、常識が違うんです。だから、そういった方との背景を含めた差分を埋めることができたのは、とても良かったですよ。

――― 共通言語を得るために、ウェブ解析士の資格を取得する方は結構いらっしゃるんですが、常識が違うというのはなかなかですね。それこそ、取得するまでにかなり苦労されたのでは?

Wさん:苦労というか、どれくらいのレベル感で合格できるのかわからなかったんです。最初は簡単に取れそうかな〜と思っていたんですが、模擬試験を受けてみたら、そんなことはないぞと思って(笑)

――― ……大変だったことが伝わってきます(笑)

Wさん:テキストは分厚いし、広告は全然理解できないし、知らないツールは多いですし。実務経験があれば良い復習になるかもしれませんが、初心者ならカリキュラムに沿って勉強したほうがいいですね。若い人や未経験の方は業界の流れを知らないので、新しい知識だけでなく、ノウハウの背景も学べると思いました。

――― 「なぜそれが必要なのか」も記載されていますしね。

Wさん:そうそう。テキストが丁寧に書かれているので独学できるかなとは思ったんですが、学び進める中で得意不得意が見えてきたので、講座を受けることにしたんです。内容は良かったんですが、進め方がよくわからず……前に進みたいのに、何が引っかかっているのかがものすごくわかりにくくて、めちゃくちゃストレスでした。

――― ああ、UIの敗北……

Wさん:とはいえ、一般的なECの広告や概念を知ることができたり、ウェブの技術的な面やセキュリティーについても学ぶことができたのは、思わぬ収穫でした。自分から学ぶことがない分野なので、次に深めたいことにつながるヒントが得られたのは良かったです。会社のビジョンを実現するために知っておかなければならないことは多いですが、今回の件で自信につながりました。

――― 自分では積極的に学ばないこともありますもんね。良かったです!
Wさんは、これからもこの業界で?

Wさん:はい。医療の進歩もデジタルの進歩も激しいため、のんびりできないですね。ついていけるように実践を行いながら、他の勉強もしていきたいです。上級に進むことも考えましたが、内容を見る限りでは資格を取るだけになってしまいそうなので、違うかもと思って。

――― そうですね、上級を取っても損はないかとは思うものの、さすがに特殊な環境かなとは思います。

Wさん:それよりは、会社からデジタルマーケティングの担当者になった際に参考になるような講座がほしいですね。そもそも、自分のレベルや立ち位置がわからないんです。外部に委託する際にも、発注する側の知識が求められますし。依頼するにあたってのチェックリストなどがあるといいですね。

――― ビジネス特有の内容があるので、一般的な正解はないかもしれませんが、失敗集なら作れるかもしれません。

Wさん:すれ違いの実例動画とかオモシロイかもしれません(笑)

――― ドラマ仕立てで、業界あるあるが学べる講座(笑)

Wさん:オススメの本を紹介してもらって勉強の仕方を教えてもらえたり、社内でGoogle アナリティクスを啓蒙するためのチームの作り方などもあるといいですね。

――― いいですね〜!
1人でがんばっている方は少なくないですし、解析ってプロジェクトの一環なので、チームビルディングも大切ですしね。きっとウェブ解析士協会が目指すのも、そういった「みんなで解析をしていく」ことだと思いますから、プロジェクトマネジメントの講座は待ったなしですね。それができたら、ぜひご参加ください(笑)