資格の再取得がフリーランスとして生きる軸に。ウェブ解析士、ふじねまゆこさん

「ウェブ解析士と仕事」についてお聞きするインタビュー。66人目は、ウェブ解析士のふじねまゆこさんです。新卒で都内のデザイン系制作会社へウェブディレクターとして就職後、結婚を機に静岡県に移住。現在はフリーランスのライターとして活躍されています。

2013年に取得した上級資格の失効後、2021年にウェブ解析士を再取得したふじねさん。結婚と出産、育児を通じて抱いた働き方への疑問、そしてライターとしての独立に至るまで、ウェブ解析士の資格との関わりをうかがいました。

(インタビュー・編集:ウェブ解析士マスター・小杉清香)

目次

上級ウェブ解析士の資格失効

――2013年頃に一度、上級ウェブ解析士の資格を取得されているんですよね。

ふじねまゆこ(以下、ふじね)さん:はい、この頃はデザイン系の会社でウェブディレクターとして働いていました。お客様であるクライアントから求められていることを模索する中で、社長と一緒にウェブ解析士の資格を取得することにしたんです。お客様の成果につながるディレクションができれば、会社の期待に応えられるだろうと期待していました。

――ディレクターとしての経験が最初のきっかけだったんですね。実際に、上級まで取得してみていかがでしたか?

ふじねさん:当時の自分は、全然自信が持てなくて。プロジェクトを任されたものの「失敗したらどうしよう」と、ずっと不安だったことを覚えています。当時の認定講座を受けるなかで簡単な計算ですらつまづき、合格できたことが今でも信じられません。

知識は得られたけれど、やっぱり実践は違いますよね。広告運用や解析レポートを手探りで対応しながらも、不安のほうが勝ってしまい、うまくモノにできなかったと感じています。

――その後、2015年頃に資格を失効された際には、どんなことがあったのでしょうか。

ふじねさん:やはり大きかったのは、結婚と移住による環境の変化です。ウェブディレクターをしていたときは深夜12時を過ぎて帰る日が多く、このまま変わらなければ、結婚生活も家庭も成り立たないだろうと思いながら静岡へ。さまざまな可能性を模索して、一旦ウェブ業界から距離を置くことにしました。

自信を持って上級ウェブ解析士の資格を使えていたわけではないですし、協会の方針で資格維持に年会費が必要になったタイミングだったので、積極的に退会したというより、自然消滅のほうが感覚としては近いですね。

時間に縛られる働き方の限界から、独立へ

――ウェブ解析士の資格からも、ウェブ業界からも距離を置いたのですね。

ふじねさん:はい、しばらくウェブから離れてパートの仕事を転々としていた時期に長女をさずかり、一度、仕事からも離れました。そして子どもが1歳を迎えたことを機に提携保育園のあるパートを始めたのですが、時間給で働くことに限界を感じたんです。

子育ては、イレギュラーの連続ですよね。仕事と子育ての両方に向き合いながら、必死で毎日を過ごしていたのですが、ある日、出勤前に車の中でボロボロと大泣きしてしまって。ウェブディレクターをしていた頃を思い出しながら、「自分はここでなにをしているんだろう」って、わからなくなってしまったんですよね。

そこで時間の切り売りではなく、自分の価値を最大化する働き方をしたい!と思ったんです。

――ひとりで号泣するほど、追い詰められていたんですね……。それで、ウェブ業界に戻られたのでしょうか。

ふじねさん:決心したのが正月だったのと、1年後に子どもが幼稚園に入るタイミングだったので、1年間は準備期間にあてようと考えました。ご縁があれば就職も視野に入れていましたが、幼稚園入園を考えると理解のある企業を探さなくてはいけません。まずは個人として何ができるかを改めて自己分析したら、最終的にウェブで培った経験に行き着きました。

――差し支えない範囲で、どのような自己分析をされたのか、教えてもらえますか?

ふじねさん:まず、自分ができることは何かを考えるために、学生時代まで掘り下げました。中学時代からインターネットに触れて、ホームページやブログ、SNSを使ってきた経験を思い出すと、集めた情報を誰かに伝えたいという気持ちが根底にあるのがわかりました。それは今でも変わらずあるなかで、自分の持っている価値は何か考えた時、やっぱりウェブだろうなと思ったんです。

そんな時に自己分析ツールのストレングスファインダーを知って、自分はやっぱり文章を書いたり、幅広い情報を収集したり、相手の人生を掘り下げたりするのが好きで、得意だとよくわかりました。ストレングスファインダーに出会ったのも、ウェブ解析士協会のつながりがきっかけです。

ウェブ解析士の再取得を目指すも、不合格

――ライターとしてお仕事をしながら、再度ウェブ解析士の資格を取得したきっかけは何だったのでしょう。

ふじねさん:それこそ、ストレングスファインダーのコーチングを小杉さんにお願いした時に、インタビューライティングの才能を見出してもらっていたんですよね。その後、ライターとして独立したことをFacebookに投稿した際、「ウェブ解析士協会のインタビュアーをやってみませんか?」と小杉さんから打診されたことがきっかけだったと思います。

「資格を持ってないけれどいいんですか?」と尋ねたら、外注としての契約になるから問題ないけど、もう一度取ってくれたらウレシイみたいなことを言われていたので、これは早めに取らなきゃならないと。

――ウェブ解析士協会側の立場だと取得を勧めるしかないので、何度かハッパかけてました(笑)

ふじねさん:毎回プレッシャーを感じつつも、ずるずると後回しにし続けていてすみませんでした……(苦笑)

焦ってテキストを読んでも、内容が頭に入ってこなくて。最初に取得した4、5年前とは、範囲も内容もガラリと変わっていましたし、ライティングの仕事で直接使う範囲は少なくて。それでも自分を追い込むため先に試験に申し込み、テキストをとにかく読みました。

そして結果は、もちろん不合格。勉強時間が足りていないのは明らかでしたし、学びに対するモチベーションも下がっていましたから当然です。

12月までに取得しないとカリキュラムが変わってしまうので、年内に再試験を受けたほうが良いかもと悩みました。ただ、そもそも心が折れていたのと、日々の家事子育てに追われて勉強する気も起きなかったですね。

――それでも、ウェブ解析士の資格の取得をあきらめなかったんですね。

ふじねさん:お願いされていたのもありますが、有資格者の方々のインタビューを続けていくうちに、資格で学びを体得したいと思えるようになったんです。これまで25人の有資格者からお話を聞くなかで、資格取得のきっかけや勉強方法はさまざまですが、未来を向いている方々ばかりで、私もがんばろうと思えてきました。

三度目の正直と資格の意義

――不合格だった時と、合格した時との違いは何だったと思いますか?

ふじねさん:テキストを読むだけでは駄目ですね。勉強が得意な方にとっては当たり前ですよね……。ウェブ解析士のテキストの範囲はものすごく広いので、一言一句読んでいても全然頭に入りません。知識の体得とモチベーションを上げる意味で、講座は受けておくと良いと思います。講座では試験対策の要点を教えてもらえますし、講座の合間にウェブ運用に関する質問もできるので本当に良かったです。

ウェブ解析士の試験はテキストや資料の持ち込みOKですから、要点をまとめたチートシートを用意してくださったのはとてもありがたかったです。とにかくそのシートに要点を書き込んで、試験に臨むことができました。テキストを読むだけでも学べることは多いですが、合格を目指すなら講座を受けたほうが良いですね。

――資格の維持には年会費もかかりますが、それでも維持していきたいと思いますか?

ふじねさん:現時点では、維持を考えています。失効した時と今を比べてみると、自分の価値を最大化するために知識を使い、判断しているかどうかが大きいと思います。私は今、地域の情報発信をテーマにローカルメディアを立ち上げたり、子育てサークルを立ち上げてコミュニティづくりをしたり、仕事以外のライフワークにも取り組んでいて、私のビジネス・ライフワークの両面でウェブ解析士の知識とコミュニティはプラスになると確信しています

今はウェブライティングという分野でビジネスをハンドリングできるようになりましたし、困ったときに相談できる方のつながりが広がりました。きっと今なら、この資格で得られる知識、経験を周囲に役立てられると考えています。

ただ、上級については、今のお仕事ではそこまで求められるものではないと考えているので、今後、自分に求められる場面が増えてきたら検討したいと思っています。

――なんとなく上級まで取得するのではなく、目的を持って資格を活かしているからこそ、今は「ウェブ解析士が必要だ」という意思を感じます。ウェブ解析士のカリキュラムとして、特に「ここは学んでよかった」ポイントってありますか?

ふじねさん:ウェブディレクターをしていた当時、仕事を通じて人間中心設計の大切さや、デザインがもつべき役割を学んでいたので、ユーザーの体験を大切にすべきだという考えはウェブ解析士を学ぶ前から身にしみていたように思います。

成果がどれくらいほしいのか、目標コンバージョンから逆算していく考えと、そのためのお客様像を想像し、お客様の立場で考えて戦略を立て数値目標を設定すること。これはどんなビジネスや組織においても求められることですよね。ウェブ解析士のみなさんの実例をそばで見ることで、これらの理解が深まったと感じています。

ウェブ解析士のテキストで学んだ知識が役に立ったというよりは、コンセプトとして、ユーザーファーストの考え方がブレなくなりました。それは会社員時代からこれまでの経験のなかで少しずつ私の中で固まってきたように思います。

資格を失効する前の自分に伝えたい、ウェブ解析士のメリット

――ウェブ解析士の資格維持に、年会費が高いと言われることがよくありますが、ふじねさんはどうお考えですか?

ふじねさん:私も失効する時の理由は年会費だったので、気持ちはわかります。資格のメリットが見えないと、個人では負担ですよね。ウェブ解析士のメリットは、総合的にデジタルマーケティングの知識を得られたり、さまざまなセミナーに参加できたりすることと言われていますが、私は、小杉さんをはじめ、面白い方々に接する機会があるからこそ、維持しようと思えています。

これは、上級ウェブ解析士を失効する前の自分に伝えたいことですが、ウェブ解析士協会の活動に興味を持って参加してみると、自社でも活かせる発見があると思います。ウェブ解析士インタビューチームでいえば、インタビュー記事の立ち位置とゴール設定、記事のクオリティアップのためにできることをチームで考えるなかで、実践的なノウハウを得ることができます。少しでも会社の外に出て、自分の手を動かす経験をしてほしいです。

――年会費を月額換算すると、500円程度ですしね。このインタビューを読んで、ふじねさんのように「協会活動に参加できるならしてみたい……!」と思われた方がいらっしゃったら、どうします?

ふじねさん:2022年4月から組織も変わって、活動に参加しやすくなったと聞いています。私はインタビューチームで活動しており、現在4人体制でインタビューの記事執筆、公開、SNS発信を行っています。ウェブ解析士にインタビューしたい方、大歓迎です!

もし、この記事を読んでインタビューチームに興味をもっていただけたなら、まずは有資格者として、気軽にインタビューを受けていただきたいです。インタビューチームのメンバーで元新聞記者のAyanさんが講師を務める「インタビューライティング講座」では、ウェブ解析士インタビューのクオリティアップも目的の一つとして開講しました。私も受講し、実践的なアドバイスをいただいて、個人的にもプラスになったと実感しています。

インタビュー記事執筆が初めての方でもスキルアップしやすい環境です。インタビューはオンライン(Zoom)で行うので、どこにお住まいの方でも参加できます。ぜひウェブ解析士協会のインタビュー応募フォームからご応募ください。

お話を伺って一緒に活動できることを、楽しみにしています!

あとがき

ウェブ解析士協会の活動を2013年から続けてきた身としては、人の先に情報を見ていくふじねさんのような方がウェブ解析士の活動を支えてくれることをうれしく思います。そして上記にもあるとおり、ウェブ解析士の資格のメリットとして「デジタルマーケティングを総合的に学べること」だけを据えてしまうと、資格を維持する意味はなかなか見出しにくいでしょう。デジタルマーケティングを推進するためのコミュニケーションの下地ができてしまえば、あとは Google の海に身を任せれば良いからです。

だからふじねさんのように、ウェブ解析士の方々とのつながりを得たい方は、ぜひインタビューをご検討ください。彼女のインタビューによって、人生を振り返ることができた方も多いですよ。

ウェブ解析士向けのインタビュー応募フォームはこちらから

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