お客様の求める情報を提供して集客UP!飲食店ウェブ活用事例

はじめまして。上級ウェブ解析士の小池正也(こいけまさや)です。

株式会社日宣メディックスという会社で、茨城県を中心に、ウェブ・印刷物を活用した販促支援を行っています。今回は飲食店のウェブ活用事例から、飲食店を経営・支援している皆さまに応用できる内容をお届けいたします。

さて、飲食店でウェブを活用して集客をする際、何からはじめるでしょうか?スマートフォンなどインターネット機器が普及した現在において、以下のようなことを実施している方は多いでしょう。

  • ぐるなび、食べログ、ホットペッパーグルメなどのグルメサイトを活用する
  • リスティング広告でアクセス数を強化
  • ホームページをつくる
  • SEOをおこなう
  • SNSを活用する
  • LINE@を活用する

これらのツールを使うことが必須になっていることは事実です。そして、今後もさまざまなツールが登場してくることでしょう。

しかし、これらは所詮ツールでしかありません。最新ツールを取り入れる前に、お客様を中心に考えることをおすすめします。

目次

お客様を中心に考える理由

「できるだけ多くの人に知ってほしい、来店してほしい」と思っていませんか?

まず、ご自身がインターネットでお店を探す事を想像してみてください。例えば、大切な方をおもてなしする場合、個室や雰囲気を重視するはずです。初めて利用するお店なら、他に利用した方のレビューを見たくなりますよね。

あなたのお店のお客様も同様に、インターネットでお店を探す相手は「一次選考」をしています。

個室の情報が掲載されていなければ、このお店には個室は無いと判断されてしまいますし、雰囲気がわかるような写真やレビューがなかったら、信頼されないかもしれません。「一次選考」に落ちてしまったら、次のお店を検索されてしまいます。

サービスや商品に自信があっても、「来ればわかってもらえる」というスタンスでは、この「一次選考」の段階でふるいにかけられてしまいます。お客様が予約する際にどんな情報を必要としているか、お客様のニーズをサイト上で伝えることができなければ、来店の機会を逃すことになってしまいます。

「お客様は神様です」ということではありません。あなたのお店がどのようなお客様を対象にしているのかをしっかりと見直した上で、その対象者の「選考」を勝ち抜けなければならないというのが、飲食店のウェブ活用には必須なのです。

それでは、次にお客様視点を取り入れ成果につながった事例を紹介いたします。

お客様視点を取り入れて成果につながった事例

具体的な詳細は伏せますが、1年でページビュー数が1.5倍、コール数が1.8倍になったつくば市の洋食店の事例や、ページビュー数が2倍、コール数が2.5倍になった水戸市の居酒屋の事例があります。広告の月額費用はそのままに、ページを見直しただけでも、これだけの効果を見込めます。

たとえば、この水戸市の居酒屋では「新鮮な刺身」をこだわりに打ち出していましたが、飲食店で「新鮮な刺身」は当たり前なため、インパクトに欠けていました。

そこで他に強みがないかヒアリングを実施したところ、小ぶりな本わさびをまるまる1本提供していることがわかりました。近隣のお店で刺身と本わさびを1本セットで提供しているお店はありません。本わさびを自分で擦って楽しめるのもお客様が満足するポイントになりました。そしてサイト上で「新鮮な刺身×産地直送の本わさび」を全面に押し出し、わさび料理のコースも提供。前年の12月対比で2倍近い広告効果にすることができました。

また、施策前に自社サイトの検索順位が圏外(100位以下)だった水戸市の和食店では、お客様が求めている情報を整理したうえでページを作りこみ、キーワード対策をすることで、検索順位、アクセス数、予約数が上昇しました。このサイトはリスティング広告をおこなっておらず、ページの改善のみで効果がアップした事例です。

顧客ニーズのページでキーワード対策をした水戸市の和食店の事例

改善前のページに共通する「落とし穴」

ここまで改善できると「以前のページはどのように作っていたのか?」と気になりますよね。実はどのサイトも、デザインは悪くありませんでした。しかし、

①営業担当者に丸投げ

②お客様の視点を考えずにページを作成

③競合他社のページを確認していない

という3つの「落とし穴」が共通していました。このような状態でページを作っている店舗は意外に多いものです。

落とし穴①・営業担当者に丸投げ

「とりあえずページ作ってきて!」……これが一番多いケースではないでしょうか?

お店のことをほとんど知らない担当者、または情報を提供していないのに担当者にページ制作を丸投げしても、自店の強みが伝わるページは作れません。どう見ても美味しそうには見えない写真が使われている場合や、情報を入力できるページがあるのに作りこんでいないケースも少なくありません。

相手はあくまで「営業の担当者」であって、あなたのお店のことをすべて知っているわけではありません。担当者があなたのお店のターゲット外である場合は特に、お店のウリなどを感じることができないため、紹介文を任せたら他の店でも通用するような当たり障りのない内容になってしまうこともあり得ます。

営業担当者には、自店が対象としているお客様や、目玉商品が何か、お客様に喜ばれていることは何かなどを共有して理解してもらうことが必要です。そして、作成したページはしっかりと確認しておきましょう。

落とし穴②・お客様視点を考えずにページを作成

例えばコース料理を例にページを紹介します。

あなたのお店のコース料理の表記はいかがでしょうか?

「そうは言っても、食材や仕入れの関係上、料理の詳細はいちいち記載できない」という現実もあるでしょう。しかし「新鮮な刺身」「旬の野菜」などのあいまいな表記は強みとは言えません。

ある程度アクセスがあるのに予約につながらないと言う場合は特に、メニューが決まった時点で具体的な内容を記載してみるということをしてみてください。期間を決めて続けてみるというテストを行ってみるのもおすすめです。どうしても時間が取れないのであれば、「毎日仕入れる築地直送のマグロ」など、具体的にこだわりが伝わる表現でも良いでしょう。

料理以外に、店内の情報であれば、個室はあるのか?その個室はお座敷、掘りごたつ、テーブルのどれなのか?何名から利用できるのか?駅から徒歩何分なのか?駐車場は何台まで利用可能なのか?など、お客様が求める情報をしっかり提供しましょう。

落とし穴③・競合他社のページを確認していない

自分が強みと思っていても、競合より劣っていた場合は選ばれにくくなります。しっかりページを作りこんでいるのに反応が弱いという時には、競合を確認することも重要です。

たとえば、

自店:
駅から徒歩 8分 / 飲み放題 2時間 1,200円 / 宴会コース 2時間飲み放題付き 4,000円

競合:
駅から徒歩 5分 / 飲み放題 2時間 980円 / 宴会コース 3時間飲み放題付き 4,000円

お客様は他店と比較していることが前提なので、上記のようなケースでは選ばれにくくなります。もちろん、価格競争をしていてはキリがありませんので、価格やサービスでの差別化は注意が必要です。競合がマネをできない、自店だけのこだわりをつくるということが重要になってきます。

先ほど少しご紹介した水戸市の居酒屋は、競合とは異なる強みを活かしたことで成功しました。

このように「お客様が喜んでくれているちょっとしたサービス」と「近隣の店舗ではやっていない」という状況から強みが生まれる可能性は十分にあります。お店に訪れてくれているお客様の様子を伺って、ぜひ強みを見つけてください。

まとめ

自店で活用しているウェブはしっかりとお客様の求める情報を提供できているでしょうか?

インターネットでお店を予約するお客様は「情報を比較」していることを忘れてはいけません。最新のツールを活用しても成果に繋がるとは限りません。自店のこだわりをしっかりと把握し、お客様の求める情報を提供することが成果への近道です。

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

飲食業向けウェブサイトの営業で広告業に携わる。大手グルメサイト、リスティング広告の営業を経験し、300店舗以上の広告を担当する。広告に掲載するだけでは成果につならがないことを身をもって経験し、成果に貢献するためウェブマーケティングを一から学ぶ。現在は中小企業を中心に顧客視点にたった公式ウェブサイトやウェブ広告の制作・運用・効果検証をサポート。お客様の「強みを活かす」サイト制作を行っている。

目次