マーケティングの変遷に伴う、ウェブ解析士のスキル〜Best of the Best 2021 受賞コメント

上級ウェブ解析士、チーフSNSマネージャーの積です。

今回はBest of the Bestをいただきありがとうございます。2021年を振り返ってみると、確かにWACAの仕事はたくさんした印象がありますが、Best of the Best に選んでもらえるとは思っていませんでした。

江尻さんや井水さんはじめ、理事や部長、各委員長など幹部のみなさんが引き回していただき、盛り立て、さらに自由に何かをすることを許していただいたことと、なにより会員の皆さんがしっかりと参加していただき、一緒に楽しんでいただいた結果だと思っています。

目次

マーケティングの考えの変化

さて、ウェブマーケティングの世界は今大きく変わろうとしていて、もともとはウェブの世界でのマーケティングのことをあらわしていた「ウェブマーケティング」という言葉の持つ意味が拡大してきていると感じています。

普通に「マーケティング」という言葉の中に、ITの技術やウェブの世界が入り込んでいる、つまり「マーケティング」=「IT」と考えることが大きくなってきたのだと思ってもいます。ウェブはともかくとして、「ITを使わないマーケティング」はまず考えることはできず、業種業態やブランドによって使い方の強弱はあるにせよ、必ずなんらかのIT技術を使っていますし、ウェブと関係ないと言い切れるマーケティング手法はまれです。

先日、ウェブ解析士のメンバーとして、「日本マーケティング学会」でポスター発表を行ったのですが、実は2年前に「オーラルセッション」で発表を行ったとき、学会全体の発表で「IT関係」と思われるものは全体の1割もありませんでした。500名近い参加者のメインセッションでツイートのハッシュタグが紹介されても、数名しかツイートしなかったのを覚えています。それが、今回の発表では半分以上は「ITに関する研究発表」で、この2年の間に状況は大きく進んだんだなと感じました。

これまでのIT業界における各資格団体や協会などは「ITの中の世界」「ウェブの中の世界」で、ある意味閉じられた世界で磨かれたスキルを認定してきたわけですが、それを「何に使うのか」を考えると、大半の技術は「(大義の)マーケティング」に向かうのではないかと考えています。そういう背景もあるので、各資格や協会などは、この分野に我こそはと参入してきていますね。IT業界側から、マーケティング業界側から、さらには経営コンサルタントという分野からも参入してきています。

そんな中、我々ウェブ解析士は、まさにこの分野のど真ん中にいて、本来は「ウェブ」と「マーケティング」の知識を持っていることが期待されます。ところが、これまでの感覚でウェブの中の閉じた世界のマーケティングを意識して、そのスキルを磨いて来た人は「あれ?様子が違うぞ?」と感じているのではないでしょうか。そこに、ニーズとスキルのギャップが生まれてきています。

ウェブ解析士の解析技術は、マーケティングのためにあります。基礎となる部分に、マーケティングの感覚は絶対に必要で、それを持たない人のスキルは、やがて別のものに置き換わっていきます。そうならないためには、ウェブ解析士協会もウェブ解析士自身も、新しい考え方を持つ必要があるのです。

ウェブ解析士としてのスキル

ウェブ解析士協会には「Learning Plus 部」という部があり、私はそこの部長をしています。

ここではNovice Classというウェブ解析士未満のスキルをワンポイントで学べる講座をリリースして行っていますが、これはむしろ「これからのウェブ解析士が身につけるべきスキルやテクニック」を学べる仕組みです。また同様に行っているFlashセミナーは、解析の周辺のことを学ぶためにオンラインで気軽に参加できるセミナーです。

メディア部の一員として広報委員長もしていますが、プレスリリースやメルマガなど、協会内外に情報を発信することをどんどん増やしています。ウェブ解析士がウェブマーケティングの専門家だという存在価値を示していくことが目的です。

また、ウェブマーケターとしての知識をさらに深めるため、各ベンダーから直接ツールやサービスを紹介してもらうToyBox、その拡大版で、社内業務などのIT化を助けるToyBox for SMB、さらに、広げていったその市場で実際に会員の皆様が活躍できるようにDigital Partnerウェブマーケティングコンサルタントのマッチング)、転職支援のCalling、そしてウェブ解析士自身が起業してきちんとした収入を確保するためにの「経営サロン」など、いくつもの仕組みがスタートし、2022年に向けて活動を始めています。

ぜひ、みなさんがこの仕組みを理解し、ご自身のキャリア形成に活かしていただきたいと思います。
ともあれ、そんなこんなで2022年もいろんなことを始めますので、みなさんどんどん新しいことをしていきましょう。

あらためまして、皆さん、ご推薦いただきありがとうございました。

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

京都積事務所 代表
株式会社リリク シニアコンサルタント

関西学院大学専門職大学院 先端マネジメント研究科(後期博士課程)在学中
経営管理修士(MBA)
チーフSNSマネージャー・上級SNSエキスパート・上級ウェブ解析士・ITコーディネータ

広告・ブランディングの職務を経験後、コンサルタントとして独立。大手子供服SPA,酒販小売業チェーン、保険代理店などの顧問・コンサルタントを歴任。契約先は常に30社程度。小売業・広告業の実務経験を通じ、リアルビジネスのマーケティングや事業戦略からのコンサルティングを行っています。

WACAでは、Webマーケティング廻りの周辺スキルを一緒に勉強する、「Flashセミナー」ベンダーや代理店がツールやサービスを紹介する「ToyBox」を主宰しています。

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