【企業YouTubeチャンネル】の運営方法/事例や成果を上げるコツを紹介!

企業YouTubeチャンネル運営ガイド

こんにちは、for,Freelance株式会社(key MOVIE)にてYouTubeチャンネルのコンサルティングをしている小林です。

この記事は、企業のYouTubeチャンネルを効果的に運営する方法や陥りがちな注意点、成功事例などを網羅的に紹介しています。

相当なボリュームがありますので、すでにYouTubeチャンネルを運営されている方は目次から気になる箇所のみ読むといいかもしれません。

チャンネルをこれから立ち上げたいという方は、是非最初から最後までお読みください。

きっと、チャンネル立ち上げの助けになります。

YouTubeチャンネルの運営をご検討の方は下記サービス資料も是非ダウンロードください。

YouTube運営サービス資料ダウンロード

※YouTube企業アカウントで検索されている方が多いですが、YouTubeアカウント=YouTubeチャンネルとお考えください。

目次

YouTubeチャンネルを企業が運営するメリット

YouTube利用ユーザーの増加により多くのリーチを見込めることは言わずもがなだと思いますが、YouTubeチャンネルを活用することで具体的に下記のようなメリットがあります。

TV離れしたユーザーにリーチできる

昨今、若年層を中心としたTV離れがマーケティング業界でも課題として頻繁に話題に上がりますが、このTV離れしたユーザーがYouTubeを視聴しています。

また、YouTubeは若年層ばかりが利用しているイメージをもたれる方もいるかと思いますが、Googleによると2021年5月の段階で日本の45~65歳のYouTube利用率は約75%にもなっており、若年層以外にも相当なターゲットボリュームがあります。

YouTubeで調べ物をする人の割合が多い

LINE社の調査によると「スマホで調べ物をするときに使っているサービス」は下記の表の通り広い年代でYouTubeが利用されています。

マーケティングにおいて調べ物をしているユーザーにリーチできることは非常に価値が高いですよね。検索流入が多い企業様は特にYouTubeにも取り組むメリットがあります。

出典:LINEリサーチ調べ(2021.07)
https://research-platform.line.me/archives/38356346.html

YouTubeは購買行動にも影響する

クロス・マーケティング社が実施した「YouTubeの利用実態調査」によると、最近1か月でYouTubeに影響されて商品やサービスを買った(課金した)経験がある消費者は、13~15歳男女と19~22歳女性でそれぞれ3割を超えています。

YouTubeは認知だけでなく購買促進としても有効になる可能性があります。

出典:クロスマーケティング「YouTubeの利用実態に関する調査」
https://www.cross-m.co.jp/report/sns/20201109youtube/

Googleの検索結果に表示される

YouTubeはGoogleの検索結果にも表示されるようになっています。

VSEO(動画SEO)と言われ、SEO施策の一環としても非常に有効です。

■Google検索で「YouTubeマーケティング」と検索した結果

ひとまず、以上です。

他にも沢山のメリットがありますが 、上記のように企業のマーケティング活動において非常に有効な施策となるポテンシャルがあります。

企業の担当者の方はこの後のチャンネル運営方法を読み、是非チャレンジしてみてください。

企業がYouTubeチャンネルを効果的に運営する方法

前提的な話

まず、前提としてご認識いただきたいことがあります。

企業チャンネルは、YouTubeアルゴリズムの理解や運営テクニックが特に重要ということです。

なぜなら、いわゆるYouTuberの運営する個人チャンネルは、コンテンツの面白さ(エンタメ的要素)でユーザーがファン化したり、拡散することでチャンネルが成長したりするため、コンテンツの中身が特に重要になります。

ですが、企業チャンネルの場合は、チャンネル自体にファンがついたり拡散したりしてもらえることは中々ありません。企業の目的も広告収入でないことが多く、ターゲットでないユーザーにただ拡散されても意味をなさないケースがほとんどです。

また、コストや人的リソースも限られています。

そのため、限られたリソースで、届けたいユーザーに動画を効率良く届けるためのYouTubeアルゴリズムの理解や運営テクニックの重要度が非常に高いのです。

そこで、本記事ではYouTube運営のフローを紹介しつつ各フローで関連してくるアルゴリズムの解説とテクニックを紹介します。

【1】チャンネル目的の設定

目的設定の重要性

ここ、非常に重要になります。

マーケティングにおいて目的を定めないことなんて無いと思われるかもしれませんが、YouTubeになった途端に目的設定が抜けてしまう企業担当者の方が多いと感じます。目的を設定しないと、当たり前ですが指標の優先順位が付けられず、取り組みへの評価もできなくなってしまいます。

YouTubeは目的によって適した動画のパターンがあるので、目的が定まっていないと動画制作の基準も無くなってしまいます。

また、YouTubeはチャンネルに蓄積される機械学習のデータが重要なため、チャンネルの目的がコロコロと変わってしまうとYouTubeの機械学習に悪影響を与え、アルゴリズム上も不利になってしまいます。(検索表示や関連表示がされにくくなり動画の表示回数が減ります)

そのため、最初に目的をしっかりと定めてブレさせないことが重要になります。

目的設定の方法

では、YouTubeではどのような目的を狙えるのでしょうか。

ざっくりと下記の4つに分類できます。

  1. 認知獲得:YouTube上でより多くのユーザーに動画を視聴していただき認知を獲得していきます。
  2. リード獲得:扱う商材のターゲットに動画を視聴していただき商材の興味喚起・理解促進をおこないます。
  3. 広告収益:YouTube上でとにかく再生数を稼ぎ、動画の制作費以上の広告費を稼ぎます。
  4. 採用:学生などの求職者に対して自社や仕事、業界の魅力を発信し求人獲得につなげます。

目的の設定は、基本的にこの4つから扱う商材に適したものを選択していただくことになります。

ただ、「リード獲得を最終的な目的にしつつも認知拡大もしていきたい」というようなお話をよく聞くことがあります。

こちらダメではないのですが、その場合は後述するターゲティング設定で工夫する必要があるので追って解説いたします。

どちらにせよ、最重要目的は必ず定めておきましょう。

広告収益を目的にすることに関して

広告収益を目的にするのは新しくメディア事業を立ち上げるくらいの覚悟がないと厳しいと考えてよいでしょう。

例として広告収益から利益を出す計算をすると、YouTubeの広告収益はだいたい1再生0.8円〜1円のため収益は下記のような計算になります。

  • 登録者3,000人/月30本更新/平均3,000~4,000回再生の場合の広告収益:月8~10万円程度
  • 登録者20万人/月30本更新/平均2~3万再生の場合の収益:月100〜150万円

このように広告収益を得るには相当な再生数と動画数が必要になります。

企業チャンネルの場合、どうしても制作費が個人チャンネルに比べ高くなるため利益を出すハードルが高くなります。

採用施策としてのYouTubeチャンネルに関して

最近、採用施策としてのYouTubeチャンネル活用を検討される企業がとても増えています。多くの学生が利用するYouTubeは媒体としてとても効果的でしょう。

ただ、大きな落とし穴があります。次の章で説明しますがYouTubeはターゲット設定が非常に重要です。

ですが、マーケティング目的と採用目的のターゲットは大抵の企業にとって大きく異なります。この大きく異なるターゲット向けの動画を1つのチャンネル内に混在させてしまうと、YouTubeのアルゴリズム上とてもデメリットが大きくなります。

採用目的でYouTubeを活用する際は、マーケティング目的とは別にチャンネルをつくることを強く推奨します。

【2】ターゲット設定

ターゲット設定の重要性

YouTubeは、「このチャンネルはどのようなユーザーにとって価値があるのか」を機械学習によってデータ蓄積していきます。

そのため目的設定でも述べたように機械学習が働きやすいようターゲットもしっかりと定めぶらさないことが重要です。

ターゲット設定の方法

基本的には普段のマーケティング活動で設定しているターゲットをそのまま設定すればいいのですが、前述したようにリード獲得と認知獲得の両方を狙いたかったり、認知獲得にしてもターゲットが潜在層や顕在層などファネルでわけられたりする場合もあるかと思います。

そのような場合は、動画毎にどのファネルをターゲットとしているのか意識して作成することが重要です。

また、チャンネルのフェーズによってファネル毎の割合を変えていく必要があります。

チャンネルの初期はYouTubeに「どのようなチャンネルなのか」を学習してもらうことが特に重要になります。そのため視聴ユーザーの属性や動画の内容が判断されやすいような商材に関連性の高い顕在層向けの動画の割合を多くすると効果的です。

例:子ども向け音楽教室

【3】YouTube検索の対策キーワード設定

対策キーワード設定の重要性

YouTubeは初期の段階で動画が表示されるのはほとんど検索結果からのみとなります。

つまり、どんなに中身の素晴らしい動画を作成してもユーザーの検索ニーズがなければ再生されることがないのです。

なので、どのようなキーワードでの検索量が多いのか、対象のキーワードで検索するとどのような動画が表示されるのかを調べ、対策することが非常に重要なのです。

対策キーワード設定の方法

対策キーワードの設定は下記のフローでおこないます。

① チャンネル関連キーワードを洗い出す。

例えば、テニス教室のチャンネルなら、テニス/習い事/テニス教室/サーブ/ダブルスなどのキーワードと、これらのサジェストキーワードを調べます。

SEOでよく使われる「ラッコキーワード」などを使用してまずは広く洗い出しましょう。

※サジェストKWとは検索窓に何か入力したときに自動的に表示される検索候補のことです。

② キーワードの検索ボリュームを調べる

先ほど洗い出したキーワードがYouTube上でどれくらい検索されているのかを調べます。

ここはツールを使用するのですが、無料ですとahrefsの「YouTube Keyword Tool」というものがあります。

簡単に使用できるので興味のある方は確認してみてください。

検索ボリュームの調べ方に関しては下記記事でも詳しく紹介しています。

https://key-movie.forfreelance.co.jp/blog/youtube/vseo-search-volume

③ 対策するキーワードを選定する

検索ボリュームが多く、かつ商材と親和性の高いキーワードから選んでいき、重要度の順位付けをします。

【4】動画企画・構成の作成

動画企画・構成の重要性

※ここでいう「企画」は、本で言うとこの「題名」で、構成は「目次」のようなイメージをしてください。

YouTubeに限らずコンテンツマーケティングにとって企画・構成は大事ですが、YouTubeはその中でも、特に「企画」が大事です。

ユーザーに視聴して良かったと思われるような企画でないと、そもそも動画を配信する意味が無いですし、前述の検索結果への表示や後述の動画のクリック率(再生率)に大きく関わってくるためです。

企画・構成の作成方法

主に下記フローでおこないます。

  1. 対策キーワードをYouTube上で実際に検索し、上位表示されている中で再生数の多い動画や、同カテゴリの競合チャンネルで再生数の多い動画を確認する。
  2. ①で確認した動画の企画・構成をまずはできる限り真似します。
  3. 真似した上で、自社ならではの要素を追加します。
    ※要素を引くことはしません。

いわゆるTTP(徹底的にパクる)ということをするのです。 

YouTubeは、Google検索のSEOと異なり検索結果が検索をする毎に変わります。また、「動画が投稿されたばかり」ということが有利に評価されるとも考えられています。

そのため、極端な話になりますが、検索結果で上位表示率の高い動画を完全に真似すれば、後発のチャンネルであっても一定の表示機会を得ることができるのです。

とはいえ、企業として真似ばかりもしていられないと思いますので、0から企画・構成を立てることも必要になってきます。

その際は、下記項目を意識して作成するとよいでしょう。

①企画は対策キーワードの検索ニーズに合っているか

YouTube上で検索されているキーワードに関する企画になっているか。また、ただキーワードに関連しているだけでなくキーワードの検索意図も考えられるとより良いでしょう。

例えば、「サッカー ドリブル」が対策キーワードだとした時に、ユーザーはドリブルの練習法やコツなどを”知りたくて”検索しているのか、有名選手のドリブルシーンやすご技などを”見たくて”検索しているのかなどが考えられると思います。それぞれニーズが異なることをふまえることで企画が具体的なものになります。

②構成は結論が後半になっているか

YouTubeは視聴維持率というものを重視しています。

そのため、ユーザーの知りたい結論が動画の前半にあるとユーザーの離脱が早まりYouTubeからの評価は低くなってしまいます。ビジネスでは「結論から伝えよ」が当たり前ですが、YouTube動画の場合は異なりますので注意が必要です。

【5】演出プランの作成

ここでの演出プランとは、「出演者を誰にするのか?」や「撮影場所をどうするのか?」等です。

演出プランでのポイント

目的にもよりますがYouTubeは動画本数も重要なので、なるべく動画1本あたりの費用が掛からないプランがよいでしょう。

また、メインの出演者はなるべく社内などで固定の方にできると、チャンネルへの愛着を得やすいです。オープニングやエンディング、テロップや装飾のトンマナなども統一のものを用意した方がよいでしょう。これらは撮影後にも作成できますが、チャンネル全体に関わることなので初回の撮影前に作成しておきましょう。

台本に関して

よく相談されるのが、「台本をどこまで用意するか」です。

こちらは本当にケースバイケースですが、ベストは台本はなく出演者の生のトークの方が、話が盛り上がりやすくコンテンツとして面白くなることが多いです。

ただ、一般の方はいきなり素でトークをするのは難しいので最初は台本を用意した方が無難です。

最初のうちは台本を読んでいる感がどうしても出てきてしまうかと思いますが、そこは撮影を重ねれば段々と解消されていきますし、台本があると出演者自身が撮影後に振り返りや改善をおこないやすくなります。

【6】撮影・編集

ここのパートは外注される企業が多いと思いますので具体的な方法は割愛して、企業担当者の方が依頼の際に意識すべきポイントだけ紹介します。

撮影を依頼する際のポイント

なるべく一回の撮影で複数撮りできるよう段取りましょう。

企業チャンネルは如何に動画1本のコストを抑えて数多く投稿できるかが重要です。例えば、撮影の予定は月に1回1日だけ抑えて、動画4~8本分を一気に撮影することで動画1本あたりの撮影費用を圧縮することができます。

編集を依頼する際のポイント

YouTube動画ならではの編集を依頼しましょう。

特にジャンプカットといって、話の間をカットしていく編集は非常に重要です。

TikTokなどのショート動画が流行っているようにユーザーの集中の維持時間は非常に短いからです。

YouTuberの動画の多くはこのジャンプカットがされています。ユーザーからするとジャンプカットのされたテンポのよい動画を見ている中で、通常のテンポの動画を見ると、もはやテンポが悪く感じてしまうのです。

他にも、YouTube動画ならではのテクニックが細かくありますので、依頼する際はYouTube動画の作成に慣れている制作会社に依頼するとよいでしょう。

【7】サムネ・タイトル・概要欄の作成

ここからいよいよYouTubeへのアップロードをします。

企業のYouTubeアカウントの作成がまだの方は下記も参考にアカウントを作成しましょう。

https://key-movie.forfreelance.co.jp/blog/youtube/corporate-account

サムネ・タイトル・概要欄の重要性

動画の再生回数を増やすために非常に重要です。

YouTubeの再生回数は表示回数×動画のクリック率に分解できるのですが、

この表示回数、クリック率ともにサムネイル・タイトルが大きく影響しています。

サムネイル作成のポイント

  • 検索表示されやすいように対策KWを入れる。(表示回数UP)
  • 何の動画かわかる具体的なワードを入れる。(クリック率UP)
  • 文字は大きく目立つように。(クリック率UP)

とにかく、「目にとまるか」「興味をもつか」これを必ずユーザー視点でチェックしましょう。

タイトル作成のポイント

  • 検索表示されやすいように対策KWを入れる。(表示回数UP)
  • 何の動画かわかる具体的なワードを入れる。(クリック率UP)
  • 文字数は28文字に収め前半に重要なワードを入れる。(クリック率UP)

(スマートフォンでは28文字までしか表示されないため)

例えば、チャーハンのレシピ紹介動画の場合は下記のように「チャーハンのレシピ」ということを前半にもっていきます。

誰でも簡単に作れるチャーハンのレシピ紹介

チャーハンの簡単レシピ!誰でも簡単に作れるレシピを紹介

概要欄作成のポイント

  • 検索表示されやすいように対策キーワードを入れる。(表示回数UP)
  • 前半に動画に関連する具体的なワードを入れる。(クリック率UP)
    (検索表示の場合、概要欄の前半部分が表示されるため)
  • ハッシュタグは3個目までに対策キーワードを入れる(クリック率UP)
    (3個目までタイトル上部にも表示されるため)

サムネイルやタイトルに比べるとそこまで重要ではないので、上記の内容はふまえつつ、そこまで工数をかけないように作成するとよいでしょう。

※ 概要欄へのリンク掲載に関して
概要欄に企業ホームページ等のリンクを掲載することもできます。リード獲得が目的のチャンネルは掲載した方がよいでしょう。この外部リンク掲載に関してはポイントが多いため後述の「番外編:YouTubeからの導線設計」にてまとめています。

【8】動画のアップロード設定・公開

YouTubeは、アップロードする際にもいくつかポイントがあります。

タグ設定

タグは、ユーザーから見えるものではないですが、動画に関連するキーワードを設定することで関連動画の表示に影響があります。(影響度は少ないですが)

なので、同カテゴリで再生数の多いチャンネルのタグを参考にするとよいでしょう。

他社チャンネルのタグを確認できるツールがありますが、ツールを使用しなくても「ctrl+U」で動画ページのソースを開き、「ctrl+F」で検索窓を表示させ「keyword」と検索すると確認できます。

終了画面(エンドカード)設定

動画の最後にチャンネル登録や関連動画へ誘導する画面の表示を設定できます。

チャンネルの登録率や他動画の再生数UPにつながるので設定しましょう。

ただ、注意点がひとつあります。

こちらは動画の最後5秒~20秒で動画の上にかぶさる形で表示されます。
そのため、動画編集の段階で動画の最後に5秒~20秒のエンドカードが上に被っても問題ないシーンを用意しておく必要があります。

動画公開

動画公開は一般的にユーザーの利用が多くなる18時~21時が良いとされています。予約機能もあるので基本的にはこの時間に設定するのがよいでしょう。

ただし、18時~21時は多くの動画が公開されるため、表示の競合性も必然的に高くなります。そのため、ターゲットによっては違う時間に動画を公開する方が良い場合もあります。

例えば、主婦をターゲットとしている場合は、日中の利用が多くなりますので、日中に公開した方が表示率は上がりやすくなります。

ターゲットが利用している時間を分析して、動画の公開時間を設定することが大切です。

再生リスト

再生リストとは、動画をグルーピングしてまとめられる機能です。

動画をカテゴリごとに整理できるので「ユーザーが見たい動画」を見つけやすくなります。また、1つの動画が終了すると再生リスト内の次の動画が自動的に再生されるため、チャンネル全体の再生数UPにつながります。

【9】動画のPDCA

YouTubeは多くのデータが可視化されており評価・分析ができるため、PDCAをとても回しやすくなっています。

どこまでいっても正解のないコンテンツ制作において、いかにPDCAを回せるかが中長期的には大きな差になってきます。

動画の分析方法

YouTube上で確認できる分析指標は下記の6つです

  1. 表示回数:動画の表示回数
  2. クリック率:表示回数/サムネイルのクリックされた数
  3. 視聴数:動画が再生された回数
  4. 視聴維持率:動画がどれくらい見続けられたか
  5. 登録率:視聴数/チャンネル登録された数
  6. エンゲージメント率:再生数/高評価やコメント、シェアされた数
  7. 低評価率:再生数/低評価数

それぞれ、評価・分析の方法は下記になります。

①表示回数

チャンネル立ち上げ時は特に重要な指標になります。

この指標はチャンネルのカテゴリーやフェーズによってかなり変わるため相場的な値はありません。

なので、自社のチャンネルで動画を複数上げていき自社独自の基準を設けて各動画を評価していきます。

また、経路別で評価することが重要です。

ブラウジング経由はチャンネル自体の評価によってかなり変動するため動画自体の評価に入れるのには適しておらず、検索表示が特に重要な指標になります。

検索表示の回数が高ければKWの検索意図に合致した企画を作れていたことになります。

②クリック率

どのカテゴリ、フェーズのチャンネルにおいても重要になる指標です。

クリック率の相場は企業チャンネルで約5%と言われています。

クリック率に影響する要素は主にサムネ、タイトルです。

前述したようにサムネ、タイトル作成のポイントをふまえた上で、自社チャンネルのユーザーが好むデザインのトンマナや表現を自社チャンネル内での動画の比較により評価・分析しブラッシュアップしていきましょう。

※因みに、動画を投稿した直後はクリック率が高くでる傾向にあるので投稿から3日以上たった状態の数値で評価しましょう。

③視聴数

視聴数は主に表示回数×クリック率で構成される結果指標です。

この指標もチャンネルのカテゴリーやフェーズによってかなり変わるため相場的な値はありません。

自社チャンネルの動画内で比較し評価しましょう。

分析は前述の表示回数とクリック率に分けておこないます。

④視聴維持率

この指標も、どのカテゴリ、フェーズのチャンネルにおいても重要になる指標です。

YouTubeも非常に重要視している指標で、視聴維持率が高いと有益な動画と判断され表示されやすくなります。

この指標が低い場合は、動画の中身がサムネやタイトルと乖離(かいり)があったり、動画が無駄に長かったりといった要因が考えられます。

また、離脱したタイミングを確認することができるので、動画のどの部分に課題があったのかを確認することもできます。

視聴維持率の評価方法は、企業チャンネルの場合だとざっくり40%よりも高いか低いかが目安になります。

ただ、チャンネルのカテゴリや動画の長さによっても大きく変動しますので、自社チャンネル中での比較分析もおこなうとよいでしょう。

⑤登録率

ブランディングや認知目的のチャンネルにとって重要な指標になります。

この指標もチャンネルのカテゴリーやフェーズによってかなり変わるため相場的な値はありませんが、2%を超えていれば高く評価してよいでしょう。

基本的には自社チャンネルの動画内で比較し評価しましょう。

⑥エンゲージメント率

こちらも登録率同様にブランディングや認知目的のチャンネルにとって重要な指標になります。

登録率と分けて考える理由は、この指標は既にチャンネル登録をしている自社チャンネルのファンの反応も確認できる点です。認知度は一定あり好意度を上げていきたい企業は特に重視するとよいでしょう。

ちなみに、1つのテクニックとして登録率とエンゲージメント率は動画内で呼びかけると上がりやすくなります。よくYouTuberも「チャンネル登録、高評価お願いします」と動画の終盤で言っていると思います。

なぜなら、動画に満足していてもユーザーにはチャンネル登録や高評価などをする習慣がない人がほとんどです。動画内で呼びかけることでこれらのアクションをとる選択枠がユーザーの中に生まれ、動画に満足していれば対応してくれる率が上がります。

⑦低評価率

企業チャンネルで低評価をされることは一般的に少ないので普段は気にする必要がありませんが、もし低評価が多い動画があれば公開停止を検討しましょう。

なぜなら、再生数自体は利益にならない企業チャンネルにおいて、低評価の多い動画はデメリットが大きいためです。

今後の動画では同様の企画や表現は避けるように改善していきましょう。

各指標の改善対応表

 番外編:YouTubeからの導線設計

YouTubeをマーケティング活動の一環として実施する場合、再生数や登録者数の増加を追うだけでなく、サイト流入やリード獲得までの導線設計も重要になります。

下記に分析の方法と効果的な導線施策を紹介します。

YouTubeから外部遷移の分析方法

まずは、分析をおこなうためにデータを集計できる状態にする必要があります。YouTubeだけの機能では外部遷移のデータは確認できません。

とはいっても、特に難しいことをする訳ではないです。

サイトを持っている企業様でしたら普段からGoogleアナリティクスを使っていることがほとんどだと思いますが、要はこのGoogleアナリティクスのパラメーターを使用するだけです。動画の概要欄に掲載するリンクURLにパラメーターを付ければそれで完了です。

これで、YouTubeの動画からどれくらいの人がサイトを訪問して、コンバージョンまでしているのかを確認できます。

あとは、このパラメーターを動画毎にユニークにすることで、動画の評価指標にサイト遷移率やCV率などが加わり、よりマーケティング成果に直結するPDCAを回すことが可能となります。

効果的な導線施策

次にYouTubeから遷移する導線で効果的な施策を紹介します。

こちらはYouTubeというよりはコンテンツマーケティングとして効果的と言われていることがそのまま当てはまります。

不動産や金融などのBtoCの高単価商材であれば、遷移先をLINE友だち登録にしナーチャリングをしていったり、BtoBであれば、いきなり申し込みではなくホワイトペーパーのダウンロードを促したりするとよいでしょう。

このように、CVへのハードルが高いビジネスでは購買や申し込み等にいきなりつなげるのではなく、ひとまず顧客とつながるためのクッション的なものを挟むとよいでしょう。

逆にECなどであれば、動画で紹介した商品ページに直接リンクさせ、少しでもCVまでの間に離脱ポイントができないようにするとよいでしょう。

YouTubeチャンネルでの避けるべき注意点

ここまで、YouTubeチャンネルを運営する上でおこなった方が良いことを主に紹介してきましたが、「やってはいけないことをやらないこと」も非常に重要です。

そこで、やってはいけない3つの注意点を解説していきます。

チャンネル初期にリファラルでの再生や登録を集めてしまう

こちら、非常にあるあるですし、被害の大きい注意点です。

企業がチャンネルを立ち上げると、よく社員の方や関係者の方が最初に多く再生や登録をすることがあります。しかし、これをおこなってしまうとYouTubeの機械学習に非常に悪影響となるケースが多いです。

なぜかというと、前述の通りYouTubeは機械学習によってチャンネルを評価し動画を誰に表示させるかを判断します。そのため社員の方とチャンネルターゲットの属性が異なると、社員の方の視聴データによってYouTubeが誤った機械学習をしてしまうのです。

例えば、女性がターゲットの動画なのに男性社員の視聴が多いと、男性にばかり動画が表示されるようになってしまいます。

チャンネル運営の継続を早期に判断してしまう

こちらもあるあるな注意点です。

YouTube自体は無料でも運営にはコストがかかるため継続に関する検討は必ずされると思います。

もちろん、いつまでも成果がでないのにコストをかけ続けるのは不適切ですが、YouTubeは成果がでるまでにかなり時間がかかるため適切な検討期間の前に運営をやめてしまうケースがよくあります。

SEOに取り組まれている企業様ならイメージが付きやすいかと思いますが、成果が出始めるまでに大体4ヶ月~6ヶ月くらいかかることがほとんどです。

特に認知拡大が目的の場合、徐々に増えていく再生数や登録者数によってたまるYouTubeの評価を根気強く積み重ねていく必要があります。

YouTubeに取り組む際は、最低でも4ヶ月以上は成果無しでも取り組む覚悟が必要になります。

チャンネルのテーマと関係のない動画を多くあげてしまう

YouTubeチャンネルを立ち上げると、採用動画や広告動画など他施策で制作した動画を一緒に上げて欲しいと依頼されることがあります。

長く運営しているチャンネルで少しならよいのですが、初期のタイミングではYouTubeの機械学習に悪影響を与えてしまったり、チャンネル登録者の離脱につながったりするので極力避けるようにしましょう。

企業のYouTubeチャンネル事例

ここまで、企業がYouTubeチャンネルを運営する上でのポイントなどを紹介しました。紹介したようなポイントがふまえられており、上手く運営できている企業のYouTubeチャンル事例を紹介します。

認知やリード獲得、採用など様々な目的と、BtoB、BtoCなど様々な業種の企業チャンネルを紹介します。

BtoC-小売り企業の事例:カインズ公式チャンネル

https://www.youtube.com/c/cainztv/videos

ガーデニング・アウトドア用品の販売をおこなう「カインズ」のYouTubeチャンネルです。

DIYやガーデニング、アウトドアなど、ターゲットにとってのお役立ち情報を発信しています。

自社の製品の紹介だけではなく、製品購入後に知りたいであろう情報を発信することで上手くターゲットのニーズを掴み視聴数を伸ばしています。

BtoC-美容院の事例:LIPPS HAIR TV【美容室LIPPS hair 〈リップスヘアー〉】

https://www.youtube.com/@hairmakeLIPPS/videos

美容院「LIPPS」のYouTubeチャンネルです。

髪型別のワックスの付け方や、ドライヤーの当て方など、ユーザーの悩み解決を意識した動画コンテンツを主に配信していますが、サムネやタイトル、企画そのものが検索キーワードを意識した作りになっています。

概要欄から予約もできるようになっており、店舗への導線もしっかりしています。

BtoC-金融業界の事例:トウシル [楽天証券]

https://www.youtube.com/@ToshiruRsec

楽天証券の運営するYouTubeチャンネルです。

チャンネル登録者数が約15万人と企業チャンネルとしては多く、金融カテゴリ内で上位の水準です。

一番再生された動画でも再生数が約23万回と特別はねた企画はないですが、業界現役のプロフェッショナルによる価値の高い情報発信により地道にファンを増やしていると考えられます。

BtoB-マーケティング業界の事例:インスタ運用のプロ集団_SAKIYOMI

https://www.youtube.com/@instagram_sakiyomi1770/videos

SAIYOMIが運営するYouTubeチャンネルで、リードを目的に運営されています。

Instagramの運営代行サービスをおこなっている企業ですが、Instagramのことに限らずSNSを中心としたマーケティング全般に関するコンテンツを発信しており、企業のマーケティング担当者をターゲットにしていると考えられます。

採用目的の事例:JCB採用公式チャンネル

https://www.youtube.com/@jcb3094/videos

JCBが運営する採用チャンネルです。

先に説明したようにYouTubeチャンネルはターゲット設定が重要なため採用目的で活用する場合は、採用専門のチャンネルをつくることが推奨です。JCBのチャンネルは採用に特化しており、明確にターゲットを学生に絞った企画の動画を発信しています。

また、採用目的でYouTubeを活用するには、労力ふまえた費用対効果を考えるとJCBのような採用人数の多い企業ほど効果的でしょう。

さいごに

ここまで相当長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございます。お読みいただいた方は相当YouTubeチャンネルの運営に前向きな方かと思います。是非、その勢いのままチャレンジしてみていただきたいです。

正直なところ、まだまだ成功が約束されるような施策ではありませんが、その分成功した際の成果は大きいです。

弊社でコンサルティングしている企業様でも安くて500万円以上のサービスがYouTube経由で複数受注につながるなど、利益にも大きく貢献できています。

もし、始めてみたいけどまだ漠然としか考えられていないだったり、既に実施しているが「思うように成果がでない」とった悩みを抱えていたりする場合は、お気軽にご連絡いただけますと幸いです。

ご依頼はもちろんですが、まずはオンラインミーティングで相談だけでも大歓迎です。ミーティングでできる範囲でしたら無料でコンサルティングもさせていただきます。

また、YouTubeに限らず動画マーケティングを検討されている方は下記記事もご覧ください。

https://key-movie.forfreelance.co.jp/blog/video-production/videomarketing

お問い合わせは下記の動画制作サービスよりお待ちしております!
key MOVIEサービス

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

for,Freelance株式会社にて、動画制作とWEBマーケティングのコンサルティングを実施中。新卒で広告代理店の株式会社クレオに入社しブランディングからセールスプロモーションまで幅広いマーケティング業務に従事。その後、ウェブ広告代理店の株式会社デジタルアイデンティティに入社しデジタルマーケティングを幅広く経験。その後、for,Freelance株式会社の動画制作事業を立ち上げから参画しコンサルタントとして活動中。

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