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ブックレビュー・自社サイトをコストで終わらせないために ウェブ解解析士の事例発表集38 キービジュアル

こんにちは。上級ウェブ解析士の高橋です。

今日は『自社サイトをコストで終わらせないために〜ウェブ解析士の事例発表集(38)』のブックレビューをお届けします。

この『自社サイトをコストで終わらせないために』シリーズについては、すでにコスギさんがレビュー記事を公開されていますが、私も実はこの「自社サイトをコストで終わらせないために」というセミナーに参加させていただいたことがあります。とにかく内容が濃くて実践に役立つ内容が満載のセミナーです。

今回は2021年2月13日にオンライン(Zoom)で開催された第38回(第38巻)のレビューをお届けします。

各講師の内容を一部転載してお送りします。

※転載に関しては、著者の許諾をいただいています。

目次

「消費者金融業界のデジタルマーケティング成功戦略」(礒崎 将一 氏)

消費者金融業界のデジタルマーケティング成功戦略」礒崎将一氏

まずは礒崎将一さんのセッション。内容は以下の通りです。

  • 1.1 自己紹介
  • 1.2 序文
  • 1.3 中小消費者金融の現状とマーケティング課題
    •  1.3.1 中小消費者の利用者の傾向
    •  1.3.2 中小消費者金融のマーケティング課題
  • 1.4 中小消費者金融の課題攻略
  • 1.5 申込者をとにかく増やす(その1)利用者のニーズに沿ったWebサイト対策
  • 1.6 申込者をとにかく増やす(その2)「契約」したら報酬を払うアフィリエイト広告
  • 1.7 アフィリエイト広告の仕組み
  • 1.8 アフィリエイト広告実施のポイント
    •  1.8.1 ポイント①「報酬」
    •  1.8.2 ポイント②「Googleアナリティクスのパラメーター設定」
    •  1.8.3 ポイント③「SEOツール」
    •  1.8.4 ポイント④「自然検索」
  • 1.9 申込者の質を上げて契約率を高める
  • 1.10 最後に

アフィリエイト広告についても興味深い内容が満載ですが、今回は「申込者をとにかく増やす(その1)利用者のニーズに沿ったWebサイト対策」についてご紹介します。

(一部転載)申込者をとにかく増やす(その1)利用者のニーズに沿ったWebサイト対策

(転載ここから)

まずは申込者をとにかく増やす方法その1について説明します。中小消費者金融に関わらず、キャッシングサービスのHP訪問者の大半がスマホ経由です。私が支援する中小消費者金融会社では約9割がスマホ経由でした。キャッシングというサービスの性質上、利用者ニーズとしては「こっそり借りたい」という方が多いです。またTOPページにランディングした訪問者の2~3割が申込フォームにすぐに遷移してそのまま申込に至ります。他の業種のランディングページの場合だと、サイト訪問者のCV率を高めるために色々なコンテンツをサイト内に用意したりすることも少なくありませんが、消費者金融の場合は「すぐに借りたい」という方も比較的多いです。つまりWebサイトで重要なポイントは「スマホですぐに安心して申込できる設計にすること」と言えます。施策としては、スマホ最適化、ファーストビュー内での申込ボタン設置、SSL化(通信の安全性)の3点です。(図4参照)非常に基本的なことではありますが、まだ実行できていないサイトも多く拝見しますし、この3つを実行するだけで申込率がアップし、申込数が増えます。

申込者数をとにかく増やすために、スマホですぐに安心して申込できるようにする

サイト改修の成功事例としては図5のように申込ボタンの大きさや位置を変えただけで、

TOPページから申込フォームへの遷移率が3.3pt上昇し、申込率も1.6pt増加しました。

(転載ここまで)

このような一見地味に見える施策が効果を発揮するケースはまだまだ多くあると思います。

利用者の立場になり、ウェブサイトの使い勝手を考え、改善していくことが成功への第一歩だという好例だと思います。

今回の発表では有料広告が打ちづらい業界であることを考慮してアフィリエイトを利用して成功した事例も掲載されていますので、興味のある方は必見です。

「ウェブ担当者のためのサイト集客マップ」(平岡 謙一 氏)

ウェブ担当者のためのサイト集客マップ・キービジュアル 平岡謙一氏

続いては平岡謙一さんのセッション。内容は以下の通りです。

  • 2.1 自己紹介
  • 2.2 マーケティング全体像を可視化して案件を加速させる方法
  • 2.3 施策全体像を関係者全員で共有するための集客マップ
  • 2.4 集客全体を表したマップの作り方
  • 2.5 知らない層に対する集客設計
  • 2.6 知っている層に対する集客設計
  • 2.7 ファンの層に対する集客設計
  • 2.8 まとめ

ここでは「施策全体像を関係者全員で共有するための集客マップ」についてご紹介します。

(一部転載)施策全体像を関係者全員で共有するための集客マップ

(転載ここから)

ではどのようにして共通認識を作ればよいのでしょうか。私は、集客全体を表したマップ作成をオススメします。これはAISASという考え方を少しシンプルにした形です。

ユーザー群を「サービスを知らない層」「サービスを知っている層」「サービスのファンの層」にわけて、左から右にエンゲージメント深化を表しています。

知らない層、知っている層、ファンの層に分けてそれぞれの施策を考えるときのイメージ

左の「サービスを知らない層」に対して、認知促進をするために必要な施策。中央の「サービスを知っている層」に対する連想強化をするための施策。そして右の「サービスのファン層」とさらに関係を強化するために有効な施策。

それぞれのユーザー群に対して、目的にあわせた施策と、それら施策効果を評価するためのKPIを設定していきます。たとえばウェブ広告ひとつとっても、どのユーザー群に対して、どのような目的で使っているのかは異なります。この異なる部分を明確にすることで、コミュニケーションエラーが防止でき、プロジェクト停滞リスクを軽減できるのです。

集客マップという聞きなれない言葉かもしれませんが、上記にもあるように集客の全体像を図示したもので、これがあれば関係者全体で共有することができます。

関係者が増えれば増えるほど、イメージしているものは異なるわけで、施策を進める段階で「えっ!そうなの?自分は別のことを考えていたのに!」って意見が出るのはよくあると思います。

大事なことは初期段階で集客の全体像を関係者間で共有することです。

(転載ここまで)

「えっ!そうなの?自分は別のことを考えていたのに!」という一節は苦々しく頷かれる方も多いと思います。

[知らない層 ⇒ 知っている層 ⇒ ファンの層]へと顧客を深化させていく上でどんな施策を打つか?その全体像がわかる資料こそプロジェクトの道標になるもので、ここに時間をかけて練り上げることが大切なんですね。

それぞれの層に向けた施策も実践的でわかりやすいので、とても参考になります。

「VUCA時代のマーケティング・マネジメント」〜 これからを生き抜くために 〜(山本 誠一 氏)

最後は山本誠一さんのセッション。内容は以下の通りです。

  • 3.1 自己紹介
  • 3.2 序文
  • 3.3 マーケティングとは
  • 3.4 VUCA
  • 3.5 これからの将来を見据えて
  • 3.6 価値について
  • 3.7 価値の創出
  • 3.8 価値創出の具体的手法 ―思考をデザインする―
  • 3.9 ビジネス・インプロビゼーション
  • 3.10 エフェクチュエーションとダイナミック・ケイパビリティ
  • 3.11最後に
  • 3.12参考文献

VUCAという言葉は聞きなれない方もいらっしゃると思いますので、今回紹介したいと思います。(私も初見でした)

(一部転載)VUCA

(転載ここから)

VUCA、VUCA時代という言葉が最近メディア等で聞かれると思います。このVUCA時代とは、一体どういう時代なのでしょうか。

 このVUCAとは、そもそも軍事用語とも言われています。Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の頭文字を取ってVUCA、1991年にアメリカ陸軍戦略大学校(US Army War College)によって造られたと言われています。コロナ禍の現代社会にとっては、ピッタリの言葉ですが、実はコロナ以前から使われています。今から約10〜15年前、大きく世の中が変わったと言われています。それはインターネットの台頭、それに伴うデジタルデバイス、特にスマートフォンの急速な普及、インターネット環境整備、すなわちネット常時接続等がもたらした生活様式の変化、それに伴う生活者のライフスタイルの変化など、従来の社会を大きく変える変化がありました。

マーケティング、特にマーケティング戦略においては、VUCA時代のなか変化に対応するために戦略対応を行う必要があります。しかしながら、不確実で複雑で、不明確な見通しのなか、どう戦略を立て実行すればいいのかが非常に困難な時代に突入しました。

VUCAの説明図。変動性、不確実性、複雑性、曖昧性

リサーチした上でじっくり検討し、意思決定を行うということでは間に合わないという時代に突入したわけです。こんな時代であるからこそマーケティングのちからが問われるわけですが、ツールを主体としたマーケティングの考え方では、時代に合わないために今の時代において、マーケティングのちからでは対応不可能という言葉さえ聞かれます。

しかし、マーケティングの本質は、社内外から適合させながら活動することそのものなので、新しい環境にいかに適合した戦略をデザインできるかが本質的課題です。戦略を立案することは企業において必要不可欠ですが、適合させた戦略のはずが、すぐに役に立たない、既にもう意味をなさないということもよくあります。とくにリサーチから何かを発見するということは、現代社会においてほとんど役に立たない行動です。

変化に対応・適合するうえで、具体的にどうすればいいのか、これからの将来を見据えて行動するにはどうすればいいのかということについて、次に説明していきます。

(転載ここまで)

現在、”不確実で複雑で、不明確な見通しのなか、どう戦略を立て実行すればいいのかが非常に困難な時代”になっているというのはまさにその通りで、このコロナ禍で加速しているようにも思えます。

しかしその時こそ、「価値の創出」以降に書かれていることが重要になってくると思うのです。簡単に言ってしまうと『基本に戻れ』と言っているように思えます。

具体的には……本書をご覧ください。

最後に

コスギさんも第一弾のレビューで書かれていますが、これほどの内容のセミナーが1冊480円で読めるのはお得感がありますよね。(しかも Kindle Unlimited 会員なら無料で読み放題という大盤振る舞い!!)

BtoBだけでなくBtoCであっても役立つ内容ですので、ぜひ読んでいただきたいです。

またこのシリーズは今後も続き、興味深いセミナーが続々登場しますのでお楽しみに。

自社サイトをコストで終わらせないために(表紙)

自社サイトをコストで終わらせないために
ウェブ解析士の事例発表集(37)

礒崎 将一(ウェブ解析士マスター)
平岡 謙一(ウェブ解析士マスター)
山本 誠一(上級ウェブ解析士)

監修 ウェブ解析士協会
発行 亀井 耕二(ウェブ解析士協会 理事)

Amazon のKindleUnlimited なら無料で読めます。
自社サイトをコストで終わらせないために ウェブ解析士の事例発表集(38)

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

東京都町田市在住。フリーで活動中。
元半導体メーカーでウェブ企画・分析・メンテナンスを担当。忙しい人に見てもらうためにはなるべく短くポイントは逃さないアクセス分析レポート作成につとめ、A4用紙1枚のアクセス分析レポートを作成、好評を得る。
退職後は個人事業主の方をサポートしたいとの思いで個人事業主の方のIT関連および拡販サポート活動中。VBAプログラミングも得意。

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