下請け案件7割のウェブ制作会社が1年で56%を直取引にできた理由

こんにちは。 静岡でWEBマーケティングに取り組む株式会社エストリンクス代表取締役の安藤です。当社はSEO・SNSマーケティング・検索広告を中心に東京および静岡の企業様からご依頼いただいています。 今回は、SEOで好結果が出やすい「よい記事」に対する当社の定義と、解析する力が自社の事業に与えた好影響を中心にお話します。
この記事で伝えたいこと
  • 1年間で顧客構成比の56%が直取引に変わった理由
  • SEOで結果が出た「よい記事」の定量的な定義
  • ウェブ解析の視点が事業に好影響を与える理由
下請け制作が7割以上を占める状態にお悩みの経営者様やライター様はぜひご覧ください。
目次

解析する力で顧客からの信頼と売上がアップ

2年前の2018年、自分たちの記事をGoogle Analyticsで評価、品質を定量化することにしました。記事に価格以外の付加価値を与えたかったからです。 記事品質の定量化を実施して営業努力を重ねた結果、2020年6月現在、1ヶ月にご依頼のあったお客様44社のうち25社(56.8%)が事業会社様から直接かつ、長期のご契約をいただけるようになりました。 SEOコンサルティングで成果が出たお客様からは、継続したご依頼をいただけていますし、また、お客様の想定ご予算より20%以上高く見積もりしても、コンペでは勝率60%以上という状況になっています。 このことは「検索順位が上がった記事」を数値的に定義して、現在はウェブ戦略と付加価値のある記事制作をお客様に提案できた結果だと考えています。

制作物の品質を定量化

現在、当社ではSEOにあたって以下のように「よい記事」を定義しています。 
  1. Organic Search以外の流入を獲得している
  2. 平均ページ滞在時間が3分以上
  3. コラム記事の直帰率が90%以下
いま上位表示している、当社サイトやお客様サイトを見ると上記のようなページが多いです。

Organic Search以外の流入元

Organic Search以外のチャネルですが、SocialやDirectからの流入が多く見られます。たとえば、Twitterから短期間での流入が多かったりブックマークしたと見られるユーザーが訪問していたりと、読者にポジティブな影響を与えたと思われる記事が上位表示されていました。

平均ページ滞在時間

当社が制作したコラム記事だと平均3分以上のページ滞在時間は珍しくありません。読者の方にしっかり読んでいただいている証拠です。

直帰率90%以下

直帰率は低いほうが望ましいです。90%以上あるなら危険だと考えます。 ただし、SNSからの流入が多いと、自社が思う「よい記事」でも直帰率は90%を超えることがわかりました。 そのため、SNSで流入が伸びたときは直帰率を重視せずに評価し、Organic Searchで流入が増えてから直帰率の分析をしています。 コラムの滞在時間がアップし、直帰率が下がるサイト制作も当然重視しています。

上位表示した記事の品質評価の事例

当社サイト(SSL化済サイト) にて立ち上げたギター初心者向けの趣味サイトですが、50記事で月間15,000PVを獲得していました。 そのうち、月間2,000PV程度ある人気記事の事例を紹介します。
Google アナリティクス:ページ別平均滞在時間の比較
検索エンジンから訪問したユーザーの滞在時間は約6分と長く滞在しています。また、DirectやReferralも一定数ある状況です。
Google アナリティクス:新規訪問者(New Visitor)・再訪問者(Returning Visitor)の比較
さらに、32%のユーザーがリピーター(再訪問者)という結果でした。ユーザーが再度訪問したくなるコンテンツが作れたため、検索結果にも好影響を与えていると考えられます。

解析する力を身に付けた制作会社が解決できた3つの悩み

そもそも、当社が制作物に付加価値を付けたかった背景をお話します。 下請けによる制作がメインだったときは以下の3つの悩みが常に付きまとっていました。
  • 価格交渉で不利
  • 売上と仕事量が比例する
  • 元請けの成果に自社の売上が依存する
解析する力をつけた結果、これらの悩みがすべて解決しました。ひとつずつ問題点と、解析する力を身につけると解決できる理由を解説します。

価格交渉で不利

まず、制作がゴールの制作会社は価格交渉で不利です。 お客様はエンドクライアント様(事業会社様)からもらってきた予算の中で制作会社を探すため、サイトや記事に掛けられる予算は決まっています。自社が成果を出すか出さないか以前に、価格の段階で発注見送りになることが多かったです。 可視化できる自社の特別な技術があるなら価格交渉も有利です。本来、数値化できるのがウェブの強みです。自社の制作物のよさを数値にして交渉しましょう。 解析目線で記事やサイトなどの制作物の強みを可視化すると、事業会社はもちろん、元請けである上流工程のお客様が相手でも価格交渉が有利に進みます施策に対するコミュニケーションコストが下がるからです。 価格以外の価値を感じてもらえるため、解析する力を身に付けることをおすすめします。

売上と仕事量が比例する

制作会社は売上と仕事量が比例します。そのため、必然的に残業が多いのが制作会社の実情です。 当社も制作中心の時代はどうしても社員の残業が増えがちでした。しかし、現在も残業はありますが、創業当初と比べると半分以下です。お客様の事業の成果を目的にした案件が増え、戦略設計が増えたからだと考えています。 お客様の事業課題解決がゴールになると工数がグッと減るときがあります。成果が出る勝ちパターンを見つけると、作業が定型化・効率化できるからです。 仕事量以上に売上が伸びた結果、残業の悩みも少しずつ解消され始めました。

元請けの成果に自社の売上が依存する

下請け制作会社の難しさは元請けの成果に依存しやすい点です。 特に、SEOはGoogleのルールチェンジに適応できない会社が脱落します。自社がどんなにいい制作物を作ったとしても、元請けがSEOで脱落したらそれにはあらがえません。下請けでは成果をコントロールできないのです。 また、上記の状態が続くと経営者としての自信も失うのではないでしょうか? 自分の場合、さまざまな元請け会社がSEOで上位表示できずに脱落し、自社も売上ダウンに苦しむ時期もありました。せっかく自分でやると決めて事業を起こしたのに、外部要因に振り回されていることで精神的にも消耗していました。  解析する力が身につくと自社で対応できることが増えます。責任はありますが、自分たちのスキル次第で売上もアップするのでやりがいも出るはずです。

制作会社こそウェブ解析の技術を持とう

私はもともとモノづくり自体が好きです。独立したての頃はウェブ解析の視点も持たず、直感的にいいと思ったモノを作ればよいとすら考えていました。 しかし、ウェブ制作・マーケティングの分野に身を置くからには数値に目を背けることはできません。お金をいただくからには、お客様の事業成果や数値と向き合う必要があるからです。 事業会社様やWEBマーケティング会社・SEO会社様など、さまざまな立場の人とお話しするときにウェブ解析の視点がある制作会社は重宝されると自分自身も感じました。 ウェブ解析を学ぶと視座が上がって売上にも好影響を与えるので、まずは自社の制作物を解析視点で評価する技術を身に付けることをおすすめします。

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

静岡のコンテンツマーケティング会社(株)エストリンクス代表取締役。東京・静岡の企業様を中心に複数の企業様のウェブマーケティングを支援し、検索順位の向上やSNSのフォロワー獲得、売上アップを達成した事例は多数。元・新聞記者の経験を活かし、コンテンツによるSEOを得意領域とする。趣味はギター。

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