閲覧者は5秒以上話を聞かない!?ウェブサイト上での営業活動で気を付けるべきポイント

こんにちは。ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している、株式会社ピージェーエージェント代表取締役の加藤です。

あなたは、対面での営業活動と、ウェブサイト上での営業活動において、決定的な大きな違いがあることをご存知でしょうか?それは、こちらの話を聞いてもらうために割いていただける時間です。「ウェブサイト上では、閲覧者は5秒以上話を聞かない」とも言われているほどです。

今回は、ウェブ閲覧者の行動特性と、ウェブサイト上での営業活動で気を付けるべきポイントについてお伝えいたします。

「ウェブサイト上での営業活動がなかなかうまくいかないなぁ」と悩んでいる企業様は、ぜひご一読ください。

目次

対面での営業活動と、ウェブサイト上での営業活動の違い

対面での営業活動と、ウェブサイト上での営業活動では、お客様にこちらの話を聞いてもらうために割いていただける時間に大きな違いがあります。

お客様のアポをとって、人間の営業マンが商談に伺うシーンを想像してみてください。おそらく、商談時間は30分〜1時間程度の場合が多いのではないでしょうか?その時間内であれば、序盤のアイスブレイクで世間話をして場を和ませたり、お客様の興味関心が下がってきたと感じた際には営業トークでリカバリーをしたりなど、様々な工夫をしてしっかりと時間をかけてお客様に商品やサービスを説明することができます。よほど失礼なことをしない限り、商談途中で「帰れ!」と言われるようなことはなく、おそらくほとんどの場合は商談の最後までとりあえず話を聞いてくれるのではないでしょうか?

では、ウェブサイト上でお客様に自社の商品やサービスをアピールする場合はどうでしょうか?お客様が検索エンジンで何か困りごとを入力して、あなたの会社の商品やサービスがひっかかり、ウェブサイトに来てくれたというシーンを想像してみてください。お客様はパソコンやスマートフォンを一人で見ているという状態です。目の前には、華麗な営業トークで魅力的にプレゼンしてくれる営業マンはいません。この場合、お客様は自分の興味のあるもの以外は一切見てくれません。ウェブサイトに訪問した直後に、ほんの少しでも「興味がない」「期待と違う」と思われたら、お客様は一瞬で去っていってしまいます。対面している営業マンがいないため、全く遠慮なしで離脱していきます。

ウェブ閲覧者はとてもせっかち

弊社では様々な業種業態のクライアント企業様のウェブサイトの状況を見てきていますが、検索エンジン経由でウェブサイトに訪れてから離脱するまでの平均滞在時間は、ほとんどが1分未満の場合が多いです。平均して閲覧されるページ数も2ページ以下程度、最初に訪問したページ以外を見ずにすぐ帰ってしまう率(直帰率)は50%以上であることがほとんどです。このように、ウェブ閲覧者は、企業側が思っている以上にとてもせっかちです。「ウェブサイト上では、閲覧者は5秒以上話を聞かない」とも言われているほどです。

例えば、正月太りで体型が気になっている人が家で気軽に筋トレをするグッズが欲しいなと思い「簡単 筋トレ グッズ」と検索してウェブサイトに訪問したとして、そのウェブサイトの最初に目につく部分に掲載してある情報が、最新のジムの案内や、プロテインなどのサプリメントだったら、おそらくはすぐに離脱してしまうのではないでしょうか?広告費を払ってくれているジムやサプリメントの案内がたまたまページの上部に小さく載っていただけで、少しだけページを下にスクロールしてもらえれば、すぐに筋トレグッズの話が始まるのに・・・という企業側の声が聞こえてきそうですが、閲覧者にはそんな言い訳は通用しません。即離脱されて終了です。

ウェブサイト上で閲覧者に新たな気付きを与えることは難易度が高い

もし人間の営業マンであれば、最新のジムやサプリメントの話をアイスブレイクとして少しした上で、「やっぱり健康って大事ですよね。こんな最新商品もありますが、まずは自宅で簡単にできる筋トレグッズで運動習慣をつけるところからですよね・・・」といったように、お客様を飽きさせることなく自然に話をつなげることができます。場合によっては、そのような話題からお客様も気づいていないような課題を引き出して、「それであれば、筋トレグッズよりも、まずは最新のウェアラブル端末で体の状態を定期的に観測するところから始めた方が良いかもしれないですね!」など、新たな気付きを与えることもできるかもしれません。

しかし、ウェブサイト上ではそうはいきません。閲覧者は自分の最初の目的からほとんど外れることはなく、興味のないものは一切見ず、目的に向かってまっしぐらに進みます。少しでも「関係ない」「興味がない」と思うものは容赦なく無視しますし、離脱して去っていきます。ウェブサイト上で閲覧者に新たな気付きを与えることは、思っている以上に難易度が高いことなのです。

ウェブサイト上での営業活動で気を付けるべきポイント

では、ウェブサイト上での営業活動ではどのようなポイントに気をつける必要があるのでしょうか?それは、シンプルに「閲覧者の求める情報を即座に出す」ということです。

人と話す際のコツで「結論から先に話す」というのを聞いたことがあるかもしれませんが、まさにそのイメージです。「ウェブサイト上では、閲覧者は5秒以上話を聞かない」ということを思い出して、閲覧者が求めている情報を、回り道せずに即座に5秒以内に完結に提供します。

先ほどの例で言えば、「簡単 筋トレ グッズ」と検索してきた人に対して出すべき情報は、「できるだけお手軽にできる筋トレグッズの一覧」でしょう。最初の5秒で「そう、これこれ」と思ってもらえれば、ようやく次の話を聞いてもらうチャンスが生まれます。この最初の5秒の壁を超えることができれば、「自宅でやるよりもジムの方が効果的かもしれませんよ」「トレーニングよりもサプリメントの方が有用かもしれませんよ」「最新のウェアラブル端末で体の状態を定期的に観測するのもいいかもしれませんよ」といったような余談を入れる余地も少しだけ出てくるかもしれません。

いかがでしたでしょうか?「ウェブサイト上での営業活動がなかなかうまくいかないなぁ」と悩んでいる企業様は、「閲覧者の求める情報を即座に出す」ということを強く意識して、自社のウェブサイトを見直してみてください。きっと新たな改善点が見つかり、より良い成果につながるはずです!

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この記事を書いた人

株式会社ピージェーエージェント代表取締役。中央大学理工学部卒業後、NTTコミュニケーションズ株式会社に入社。IT・WEBを活用したデジタルマーケティングに関する法人企業向けコンサルティング業務に従事。顧客の購買プロセスに基づいたマーケティングシナリオ設計、メールマーケティングを基軸としたCRMコンサルティング等、法人企業の売上向上に寄与するコンサルタントとして活躍。その後、2016年、株式会社ピージェーエージェントを設立、代表取締役に就任。ブランド戦略の立案を強みとして、ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している。

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