知識ゼロ・経験ゼロから始めて、4年連続 200%成長したウェブサイトの作り方①

はじめまして。上級ウェブ解析士の佐藤佳(さとうけい)です。
株式会社スノーピークビジネスソリューションズという会社で、デジタルマーケティング・ブランディング・広報を担当しています。

今でこそウェブ解析士と名乗れるようになりましたが、入社当初の私は事務職で「自社をもっと世の中に広く報せたい」という志のみでウェブの知識も経験もゼロでした。

しかし、できることをコツコツと積み重ねた結果、自社のウェブサイトを任されるようになり、4年連続200%成長して、事業の成果も右肩上がり。今では「見込み客の集客」「販売チャネル」「マーケティング」「ブランディング」「広報」などに有効的なツールとして、経営戦略や事業戦略の重要な役割を担うまでに成長しました。

デジタルシフトがますます加速していくこれからの時代。企業が生き残っていくためには、インターネットありきのビジネスモデルを作ることが必要不可欠と言われており、ウェブサイト活用の重要性も日に日に増しています。

そこで今回は、私が取り組んできたウェブサイト活用のストーリーを、ひとつの参考事例としてご紹介いたします。

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きっかけは、初めてのウェブサイトからの問い合わせ

2009年10月のある日、1本の電話が鳴りました。初めてのウェブサイトからの問い合わせでした。

「御社のホームページを拝見してお電話しました。バーコードとハンディターミナルを使って、検品や誤出荷を防止するシステムを作れないでしょうか 」

当時の弊社は愛知県岡崎市に本社を構える十数名の小さなシステム開発会社で、ウェブサイトはただ存在しているだけの状態だったので、正直なところびっくりしました(笑)。

ただ、お話を伺っていくと、お客様が何とかして課題を解決されたいと思っていることや、ウェブサイトを見て弊社に共感してくれていることが新人の私でも理解でき、「これだ!」と思いました。

つまり、ウェブサイトをうまく活用できれば、「小さな会社でも直接お客様とつながることができる」「自社のビジョンや考えを伝えられる」ということがわかったのです。

詳しく調べていくと、どうやら Google アナリティクスというツールを使うことで、「感覚だけではないマーケットデータが取得できる」ということがわかり、ますます興味がわいてきました。

個人ブログでの試行錯誤

しかし、当時の私は新人であり、いわゆる事務職を担当していたのでウェブの知識も経験もなく、当然会社から予算をもらう力もありませんでした。

そこで、個人のブログを開設し、実験してみることにしたのです。例えば、エリア(=岡崎)×キーワード(=カフェ)で検索している人にブログを見つけてもらうには?と仮でターゲットを決めて、ほぼ毎日ブログを更新、わからないながらもアクセスデータを眺めていました。

今でも覚えている特徴的な事例をひとつご紹介します。

何年か前に、東京でパンケーキが流行り出した時期がありました。その影響か、愛知県の岡崎市でもパンケーキを探す人が増えたようで、私のブログにも「岡崎 パンケーキ」というキーワードでの来訪が増えたのです。

しかし、当時の岡崎にはパンケーキのお店なんてほとんどありませんし、私もそんな記事は書いていません。なのになぜ、このキーワードで来訪が増えたのでしょうか?

実は、「岡崎のお勧めパン・ケーキ屋さん」というまとめ記事を私が書いていて、それが「パンケーキ」とみなされてヒットしていたようでした(笑)。

この現象から「みんなが欲しい情報をいち早く発信すればブログはあたる」ということを理解でき、さっそく岡崎のパンケーキ店を開拓して記事を書いたら、当初の読み通りにアクセスが増えました。同時に「岡崎 パンケーキ」で検索 →「岡崎のお勧めパン・ケーキ屋さん」で自分のブログがヒットする → 探している物と違うので離脱が増えるという現象も解決できました。

こうした取り組みを続けているうちに、うまくいったことを仕事でも試したいと思うようになり、目をつけたのが資料請求サイトです。

ウェブサイトリニューアルの前に、資料請求のポータルサイトに参加

「資料請求のポータルサイト」とは、いろいろな会社の製品情報を集めたサイトに自社製品を掲載して、お問い合わせを獲得するものです。無料のお試しプランがあるなど、ウェブサイトをイチから作るよりも安価で始めやすいのが特徴です。

今では引っ越し比較サイトなど、様々なポータルサイトがありますが、私たちが一番得意な主軸ビジネスのターゲットは「モノづくりの現場」だったので、そこで働く方々が物や情報を探すためのポータルサイトを選びました。
また、選んだポータルサイトはページの追加や管理が柔軟に対応できるシステムだった点も魅力に感じました。

あまりお金をかけず、大きなデメリットがなければ、きっとやらせてもらえるに違いない。何より、「私たちが得意なお客さんがいるところに、私たちのことを発信した方が、高い価値を提供できるしお客さんもハッピーだよね」という思いに突き動かされました。

そうして資料請求サイトの活用を提案し、担当を任せていただいたのです。初めは無料で、1年半程度続けて軌道に乗ったら有料会員になり、結果的には年間数百件の資料請求を獲得することができました。

他と比較されるポータルサイトで成功できたポイント

成功のポイントは、「お客様の悩み別でページを作ったこと」だと考えています。

利用した媒体が、掲載ページをブログのように自分で作れるタイプだったのですが、他の企業は製品別にページを作っていました。有名な企業ならそれでも充分にアクションがあると思いますが、私たちは地方の小さな会社です。自身のブログでの実験と同じように、「探している人を基準にページを構成した方がお客様に出会えるのでは?」というのが発想の原点で、その通りにやってみたら成果を出すことができました。

低コストで始められたこと、自社を知ってもらうきっかけ作りはできたことの2点は非常に良かったのですが、新たな課題も生まれました。

ポータルサイト活用の学びを次へと活かす

ポータルサイトの活用で失敗したことは、問い合わせを獲得しすぎたことです。当時、営業メンバーは2~3名だったため、毎日何十件も資料請求が来てしまうと、対応が追い付かなくて疲弊してしまうということが起こりました。

特に、当時の弊社は確度の高い紹介案件が多かったため、まだ温まっていない新規案件を育てるノウハウをあまり持ち合わせていなかったこともあります。事業の成果を出すためには、自社の状態を加味して問い合わせを作っていくことが大切だと学びました。

このような経験を通じて、新規案件を獲得するにしても「自社に共感してくれた人からのお問い合わせ」=「自社サイトの活用」を行うべきだと思うようになりました。

そして2011年ごろ、自社のブランディングに力を入れていこうという経営方針が決まり、広報部が設立されました。そこに私と、中途入社した上司が加わり、2人で自社サイトのリニューアルを担当することになったのです。

このサイトリニューアルによって4年連続 200%成長を実現することになるのですが、長くなりましたので、次の投稿でそのときのポイントをご説明いたします。

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

愛知県出身。上級ウェブ解析士。大学卒業後、地元のIT企業を広報したいと入社。そこで歴代初のウェブ問い合わせを受電したことで、ウェブの世界に可能性を感じ、知識ゼロ・経験ゼロから始めて自社サイトの4年連続 200%成長を実現。現在は株式会社スノーピークビジネスソリューションズの社長室マネージャーとして、デジタルマーケティング・ブランディング・広報を支援している。WACA Awards 2017 Best Content Producer、WACA Awards 2018 The Best Go-Getter、WACA Awards 2019 The Best Evangelistを受賞。

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