導入企業インタビュー「株式会社揚羽」

学んだことをすぐ現場で使わないと、風化してしまう。日常のコミュニケーションとして、学んだことをすぐ現場で使うことを意識してほしいですね。

株式会社揚羽(以下、揚羽社)は、採用のプロモーション企画・制作・運営をメインとして映像制作からWEBサイト構築・解析・運用・マーケティング、グラフィック制作までを手がけている会社です。

クライアント企業には、メガバンク、大手総合商社、大手メーカーなど国内大手企業が名を連ねています。2014年、揚羽社は社内の資格として「ウェブ解析士」を導入し、現在、上級ウェブ解析士10人が在籍しています。

お話をうかがったのは、制作マネージャー/クリエイティブディレクター 忽滑谷 勉さんと
WEBデザイナー/マークアップエンジニア 石井 洋一さんです。

貴社のウェブサイトの業績推移を拝見したのですが、売上がものすごく伸びていらっしゃいますね。

揚羽様の業績推移はこちらからご確認いただけます。

忽滑谷さん
忽滑谷採用プロモーション領域が売上の6割を占めているのですが、今年は企業の採用意欲が高まっており、市場が広がっているというのが理由です。また、市場の伸びを予測して人材、採用、教育研修に先行投資したのが大きいと思います。

市場の動向を見越すことはできますが、人材投資に力をいれるのは中々難しいと思います。貴社の湊社長の手腕は素晴らしいですね。

忽滑谷弊社代表はなんでも率先して行動しているからでしょうか。採用の説明会も社長自ら先頭に立って行っているほどですから。私は、そのような行動力はすごく尊敬しています。ウェブ解析士もまず社長自らやるといって取り組んでいますし。

話は変わるのですが、御社ではどのような人材を必要とされていますか?

忽滑谷今は、営業ができる人材を募集しています。ウェブプロモーション以外に、リアルなイベントのセールスプロモーションを強化しようと取り組んでいるところで、弊社にはウェブのコンサルタントもイベントのプロモーションに強い人間もいますが、最初に引き合いを獲得する人材が不足しています。特定の業界に強い、たとえば化粧品業界などの業界経験がある営業担当を募集中です。

過去に営業経験があれば、ウェブの経験や知識は浅くても良く、やる気のある人であればチャンスがあるという事ですね。ウェブに関する知識を身につけられるのも魅力的ですね。

揚羽様の求人募集はこちらです。

ウェブ解析士を受講するに至った経緯を教えてください。

忽滑谷経営方針でWEBの制作を強化することになり、全社的にWEBに関するリテラシーを高くしようと考え、資格の取得を検討しはじめました。
1つはITパスポートで、あともう一つを何にしようかと考えている中で、これからはウェブマーケティングが必要になると見込んで、ウェブ解析士がいいのではないかという話になりました。

ウェブ解析士の資格を取得して良かったところ、また、思ったより良くなかったところを率直に教えてください。

忽滑谷Googleアナリティクスで定量的観点から効果検証ができて、その検証結果をもとに仮説を立てて、「ユーザーはこういう動きしてたね。だから、こういう風に作りなおそう」という具合に「PDCA」サイクルを回せるようになりました。
我々がメインで制作しているサイトとしては採用サイトが多いのですが、採用サイトは少し特殊で、コンバージョンとなる応募エントリーが外部の応募管理システムを通して完結する形式が多いので、コンバージョンが取得しにくい側面があります。何を目的として作られるもので、どれくらいの数値を叩き出せばよいのかがすごくファジーな世界なのですね。

今年は、弊社が制作した各社の採用サイトのデータをすべて集めて、一般的な離脱率など採用サイトの基準値を役立てています。

上級ウェブ解析士講座の中で基準値の話がでてきますが、業界独自の基準値を作り出せたのですね。

忽滑谷はい。そうすることでこの採用マーケットの中で、きちんとイニシアティブをとれるようになると考えたのです。
基準値をもつと、他社が制作したものに対しても、「これPV数全然足りてないですよ」とか「滞在時間が短すぎますね」というアプローチができるようになったので、ものすごく役に立ちました。

確かに、採用においてWEBの役割はものすごく重要にも関わらず、人事担当者の方はあまり詳しくないというギャップの中で、ものすごく苦労されていますよね。人事担当者向けに教育も必要ですよね。

忽滑谷私は自社の人事も担当しているのですが、人事の立場から言わせてもらうと、人事のゴールは、優秀な人材がきちんと想定していた人数で取れることです。もちろん、そのアプローチとしてWEBでの情報提供も大事なのですが合同セミナー、面接、自社の説明会いろんな要素がたくさんあるので、WEBだけにパワーを割いて、リアルタイムに結果を集計して、分析するなんてことは現実的にとても難しいのですよ。

もっと言うと、最終的な結果に対する原因分析についても、どこに原因があったか特定するのが難しいのです。

コンバージョンは外部になってしまいますし、コンバージョン後のセミナーとかはオフラインになって、One-To-Oneの面接はリアルな営業の世界になってしまう。WEBだけ追っていては、採用は難しいですね。

忽滑谷WEBが動機形成に役立ったのかについては、ある程度は感覚値で判断していくしかないのです。

御社の強みとして映像制作もされているという点が挙げられますが、動画の閲覧時間とかどこの時点で動画が見られなくなるとか動画のデータ分析はかなりされるのですか?

忽滑谷動画はまだこれからです。今がちょうど、2016年新卒が終わるところなのですが、この2016年が採用にWEB動画を使ったプロモーションが一気に増え始めた年だと思います。

動画のメリットは、短時間で沢山の情報を伝えられるので、採用のプロモーションでは益々重要度が高まってくると思います。

WEBに動画を載せてきちんと見せていくには、まだまだ研究していく余地があると考えています。
例えば、スマートフォンでの閲覧のしやすさをどう実現するかです。テロップ一つにしても、PCサイズを想定していたら、それをスマートフォンで見た時に文字が小さすぎて、全然読めないものになってしまうので、工夫していかなきゃいけない。また、動画の長さも重要で、一般的に「3分」が上限の長さと言われていて、長くなる場合はチャプター分けして、尺が長くならないようにする工夫も必要です。

上級ウェブ解析士の講座では、事前に6時間の動画を見て講座は演習中心というスタイルに変えましたが、映画3本分はさすがに受講者の方には、ストレスであまり評判がよくないです(苦笑)。我々も動画の見せ方を改善していかないといけないですね。

初級、上級ウェブ解析士で、足りない点や改善要望はありますか?

忽滑谷Googleアナリティクスの使い方をもっとレクチャーして欲しかったというのは正直あります。
社内でも、Googleアナリティクスの使い方の勉強を行いましたし、Googleアナリティクスは一つのハードルだと感じました。

採用する人は面白い動画を作れる人か、という感じなのでしょうか。

忽滑谷面白い動画を作るのと、採用プロモーションで機能する動画を作るのとでは軸が違います。これは弊社の競合優位性にもなりますが、その企業らしさがなんであるかをきちんと知る努力が必要です。
うちの社員は、クリエーターが多いのですが、彼らも含めビジネスのことをもっとよく知るため勉強します。全員が日経新聞を読むのもその一環です。

例えば、同じ総合商社でもその企業の成り立ちとか企業文化が違います。やっていることはほとんど同じですけどね。
それでも、デザインとかキャッチコピーにその企業らしさや違いがきちんとあらわれていないといけないのですよ。
単に動画を作れるだけじゃなくて、その企業らしさをきちんと理解して表現できるかが重要で、動画が面白いということとはまた別軸です。

ウェブ解析士講座を受講する前と後で、変わった点や改善した点があれば教えてください。

石井さん
石井社内の打ち合わせなどで、話の内容の質があがったというのが大きな変化でした。
具体的に言うと、コーポレートサイト改善施策の打合わせの中で、今まで個々の感覚値や経験をもとに話をすることが多かったのですが、解析結果の数値ありきで話をするようになり、この数値が下がっているから、ここに対して、今後どんな施策を打っていくかなど、話についていける人が多くなったと感じます。

経験や勘がある人の意見がすべてになってしまうところを客観的なデータで善し悪しが判断できて、効率的な話し合いができるようになったということでしょうか。

石井はい、その通りです。
直帰率が上がった原因は何で、それを改善するための仮説はこうで、それじゃ「PDCA」をこう回してはどうかなど論理的に話せるようになりました。打ち合わせのアウトプットの質があがることで、時間を効率的に使えるようになりますよね。

マネージメントという立場である忽滑谷様から、ウェブ講座の受講を検討されている経営者や人事担当者に一言お願いします。

忽滑谷学んだことをすぐ現場で使わないと、風化してしまいます。
日常のコミュニケーションとして、学んだことをすぐ現場で使うことを意識してほしいですね。それと、ウェブ解析士の講座で学んだ基準値を使ってお客さまと話をするようにしています。「この数値は、基準値と比べて芳しくないので、これを改善するように施策を打ちましょう」という具合に、根拠に基づいてお客さまと話ができるようになりました。

実務担当者という立場である石井様からウェブ解析士の受講を検討されている方へ一言あればお願いします。

石井実際に覚えたことを現場で使うことが重要というのは、私も同感です。数値を見てそのユーザーがどういった行動しているのかをずっと考えることは大事です。そこから得られた仮説を実際の施策にどう落とし込むかが腕の見せどころです。

忽滑谷ユーザーのことを考えつづけることが現場では非常に大事になってきます。作るときに前回の指標がわかっていると、ヒントがたくさん得られるので、想像が膨らみユーザーが見えてくる。デザイナーは特に受けたほうがいいですね。今まで考える人と作る人が縦割りだったのが、作り手ひとりひとりが考えて作るようになり、品質がアップしたと実感しています。それと、これからウェブ解析士を受ける方には職場の人同士、複数人で受講することをお勧めします。

なぜなら、上下関係の「逆転」が生まれるからです。上級ウェブ解析士の修了レポートでつまずいた時に、助けてくれる人がいないと心が折れてしまう方も、中にはいらっしゃると思います。特に日頃忙しい管理者ほど困ります。特にツールの使い方は時間が取られるからです。
それでも職場の仲間同士、助け合いながら取り組むことで、そうした状況は乗り越えられると思いますし、上級ウェブ解析士のレポートを取り組んでくると年齢や実務のヒエラルキーが逆転してきていつもは部下にあたる社員が上司に使い方を教えることも出てきます。
「おっ、急に新しい用語覚えて、使い始めたな(笑)」とか、社内のコミュニケーションにもつながりました。

上級ウェブ解析士の受講料8万円は高くはありませんでしたか。

忽滑谷決して安い金額ではないですが、投資しやすい金額でした。あとは、資格の更新をどうしようかなーというのが、悩みです。(笑)

忽滑谷さん、石井さんの今後のご活躍を期待しています。本日は貴重なお話、ありがとうございました。

インタビュアー:ウェブ解析士協会 江尻

導入企業インタビュー