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参加のきっかけ
私は、会社が運営するECサイトのアナリティクスを用いて、定期的にレポートを作成し、課題を抽出・改善提案を行う仕事をしております。今までは、社内にあまりノウハウがないため、小川卓さんのGoogle Analyticsの書籍などをお手本に、独学で改善提案を進めてきました。 さらに広い知識を付けようと2か月前にウェブ解析士の試験を受け、合格したものはいいものの、学んだことをすぐに実践するのは難しく、困っていたところでした。そんなときに見つけたのが、今回の「実践!Webコンサル道場」でした。講座の概要
今回の講座の特徴は何といっても、当日コンサルティングを「実践」すること。実際にサイトを運営している経営者の方に来ていただいて、その方のお困りごとをもとに、分析・提案を行っていきました。
講座の流れ
今回の講座は、講座以上にハンズオンでGoogle Analyticsや実際のサイトを見ながら、自分の頭で考える部分が多く、非常に勉強になりました。 講座の流れは下記の通りです。- 約1週間前:資料の共有とGAアカウントの追加
- オープニング
- 企業概要・課題の説明
- パネルディスカッション
- グループワーク
- 発表
- 総括
講座で解析させていただいた企業様
今回の講座で解析・改善提案をさせていただいたのは、株式会社Cobitto様のECサイトです。当日は経営者である土江様より、直接企業概要の説明がありました。 株式会社Cobitto様は、身長150㎝以下の小柄女性向けのパターンオーダーを制作・販売する会社です。150㎝以下の小柄女性は日本全国に16%しかいないため、既製品だとサイズが合わず、なかなか「好きな服」×「着ることができる服」を見つけるのが難しいんだそうです。そんな背景もあり、「背が低いからこそ、より大人らしく、素敵に見せてくれる服が欲しい」と、奥様と共に始めたのが、「コビット」というブランドでした。今回の講座で分析・提案を行ったのは、このコビットのECサイトです。

パネルディスカッション
次に、ウェブ解析士マスターでありコンサルタントの礒崎さんから、事業内容や課題の明確化に向けた質問を相談者の土江様に行いました。今回の講座でウェブ解析士として一番勉強になったのはこのセクションのように思います。【当日の質問内容】
- 事業内容のまとめ/確認
- 土江さんの感じる事業の課題はなにか?
- 今の販売目標(月商)はどのくらいか?
- ECサイトのメイン商品はなにか?
- 「サンプル便」利用後の購入率はどのくらいか?
- 顧客単価はどのくらいか?
- 顧客の購入頻度は?
- 有料広告は行ったことがあるか? CPAはいくら程度まで許容できるか?
- 土江さんの感じるサイトの課題は?
グループワークと発表
次は今回のメインパートであるグループワークです。Zoom でのブレイクアウトセッション機能を使用して、3~4人のグループに分かれて、課題の分析と改善提案の作成を行いました。
ビジネスモデルキャンパス
まず、行ったのは、ビジネスモデルキャンバスに基づいたビジネスモデル全体の把握です。これは、自社分析に使うフレームワークだそうで、順番に内容を埋めていくことで、ビジネスの全体像を一目でわかるようにまとめることができるそうです。BizMake Media

ビジネスモデルキャンバス(BMC)とは? 作成方法やテンプレートを紹介自他問わず、企業や商材のビジネスモデルを可視化できるフレームワークがビジネスモデルキャンバス(BMC)です。今回はビジネスモデルキャンバスについて、各要素の説明や...
ビジネスモデルキャンパスの9つのブロックに記載する要素を紹介していきます。
— ウェブ解析士協会 WACA【公式】 (@wacajp) June 8, 2020
①顧客セグメント
顧客は誰なのか?
②価値提案
自分たちが何を提供して、それが顧客にとってどのような価値があるか?
③チャネル
顧客にどうやって価値を提供しているのか?#ウェブ解析士の知恵袋 pic.twitter.com/NQ3c7hPqce
Google Analyticsを使用した現状分析
続いて行ったのは、Google Analyticsを使用した現状分析です。この講座では、参加者へ、事前にコビットさんのGoogle Analyticsへの閲覧権限を共有いただいておりました。 過去3か月のGAデータを見ながら、目標を達成するために、サイトのどの部分をどう改善するべきかディスカッションを行いました。

グループワークで学べたこと
今回このグループワークで改めて学んだのは、下記の2点です。1)Google Analyticsのデータからよりも「実際にサイトに訪問して感じたことからのほうが、改善提案が作りやすい」ということ
ウェブ解析関連の本をいくつも執筆されている小川卓さんがよくおっしゃっていることですが、「GAを見る前に、サイトを確認して仮説を立てる」は改善提案を作るうえでとても重要!と再認識しました。実効性のある施策は、やはりサイトを体験してみて思いつくのですね。 今回のグループワークの中でも、Google Analyticsのデータから改善案を考える…というよりも、サイトを体験して思ったことをベースに、「こんなことが起きているんじゃないか」と仮説を立て、Google Analyticsで数字を確認しに行く形でディスカッションを進めました。2)提案を行う際は、施策から期待できる売上を考えて提示すること
こちらは、総評でコンサルタントの磯崎さんが強調していた点です。ここで、パネルディスカッションであった各種の数字が役に立ちます。これらの数値とGoogle Analyticsで見ることができる訪問者数やCVRなどの指標をもとに、施策の効果を数値化するのです。 これは、当たり前といえば当たり前ですが、やってみるとなかなか難しい!今回、グループワークの中では、期待できる売上となる施策の提示までは時間内に到達できませんでした…。まとめ
パネルディスカッションでのプロのコンサルタントの質問や、改善提案が非常に勉強になりました。書籍で読んで理解しているつもりだった、ウェブ解析の考え方を実際の事例をもとに体感することができたのは、なかなか得ることができない良い経験になったと思いました! 運営側に確認したところ、二回目の実践Webコンサル道場も企画予定ということなので、ウェブ解析士になったけどなかなか実践の機会がない、外部企業のコンサルをしてみたいなどの興味がある方は是非とも参加してみてはいかがでしょうか。著者:大下 雄真(オオシタ ユウマ)
