ウェブ担当者には誰が最適か?パソコンに詳しそうな若手社員への丸投げは大間違い

こんにちは。ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している、株式会社ピージェーエージェント代表取締役の加藤です。

今回は、中小企業のウェブ担当者は誰が最適なのかについて、お話しをします。「パソコンに詳しそうな若手社員に丸投げする」というよくあるケースの問題点と、ウェブマーケティング戦略の重要性について解説をいたします。

目次

中小企業のウェブ担当者任命あるある

「うちの会社も時代に乗り遅れないように、ホームページやソーシャルメディアなどのウェブ活用に取り組まなければ!」このように思い立った中小企業の経営者様から、弊社には数多くのご相談が寄せられます。そして、ウェブの活用に取り組むにあたって、経営者様は、まず社内で担当者を選定することになります。ホームページやソーシャルメディアを活用して、売上を向上させるためのプロジェクトを推進するための特命係のようなイメージです。

大企業であれば、マーケティング部やウェブ担当チームなどの専門部隊がいる場合が多いですが、中小企業では、ウェブ専門の部隊などはもちろん無いケースがほとんどです。ここで、必ずと言っていい程どの企業でも白羽の矢が立つのが、「パソコンの詳しそうな若手社員」です。営業やマーケティングの知識や経験は二の次で、ただ「パソコンが詳しそうだから」という理由だけで、若手社員が「ウェブ担当者」として任命されることが多々あります。

ウェブ担当者は実店舗の店長と同じ

結論から言うと、ウェブ担当者を「パソコンに詳しそうな若手社員」に丸投げすることは、大きな間違いです。そのような若手社員がホームページやソーシャルメディアを活用して売上を向上させるためのプロジェクトを担当しても、残念ながら失敗に終わることがほとんどです。外部のホームページ制作業者に依頼をし、最先端のデザインや機能を備えた「見栄えの良いホームページ」を作ることはできるかもしれませんが、「売れるホームページ」を作ることはできません。

ホームページは「実店舗」と同じだと考えていただくとわかりやすいかもしれません。実店舗において、ただ、見た目がカッコ良いだけの店舗を作れば商品が売れるという訳では当然ありませんよね?

大切なことは「どうやったら、そのお店でもっと商品が売れるか」という戦略を考えることです。「なぜ自社の商品はお客様に選ばれるのか」「他店と比較した際の自社の一番のアピールポイントは何か」「そのアピールポイントをどのように表現し接客すべきか」「お客様からはどんな声が届いているのか」「お客様の求めているものは何か」「どうやったらもっと多くのお客様がお店に来てくれるか」などを複合的に考えて、戦略を立てなければなりません。実店舗においては、「店長」が責任者としてこれらの全体戦略を考えるはずです。ウェブ担当者もこれと同じことが言えます。つまり、ウェブ担当者は「実店舗の店長」を選ぶような感覚でしっかりと選定をすることが重要です。

経営者様自らがウェブ担当者を担うことが最も効果的

実店舗においては、一度もお店で接客をしたことがない若手社員を「店長=責任者」にするようなことはありえませんよね?それと同じで、営業やマーケティングの知識や経験が乏しい、ただパソコンに詳しそうというだけの若手社員をウェブ担当者にすることは、非常に危険であると言えます。

前述の「どうやったら、そのお店でもっと商品が売れるか」という全体戦略を考えるための複合的な思考が必要になるため、ウェブ担当者は、自社の製品・サービス、そしてビジネスに関して、社内で最も精通している人物が担うことがベストです。

では、そのようなことができる最適な人物は誰でしょうか?弊社では「中小企業においては、経営者様がウェブ担当者を担うことが最も効果的です」とお伝えしています。もちろん、経営者様自身が自ら手を動かしてホームページ制作やSEOなどを実施する必要はまったくありませんが、自らが立てたウェブマーケティング戦略に基づいて、適切な担当者、外部業者に指示、委託ができるようになることが、あるべき姿であると言えます。

外部業者を生かすも殺すも戦略次第

特定の領域に特化した外部業者は世の中に数多く存在します。デザインの良いホームページを作ってくれるホームページ制作業者、検索結果で上位表示をさせるためのノウハウを持っているSEO業者、広告を活用してホームページに集客をするためのウェブ広告業者など、様々な分野のスペシャリストを見つけることができるでしょう。それらの外部業者のサービスを否定するつもりはまったくありません。彼らはスペシャリストとして、クライアントのために自分の専門領域での最良の結果を出してくれます。

しかし、それらの外部業者に言われるがまま、やみくもに小手先の戦術(施策)ばかりを実施していたのでは、残念ながら「売上向上」という成果にはつながりません。大切なことは、それらの戦術(施策)に取り組む前に、まず落ち着いてしっかりとウェブマーケティング戦略を立てた上で、ウェブの活用に取り組むことです。

ウェブマーケティング戦略とは何か

「ウェブマーケティング戦略」とは、「自社の商品やサービスを買ってくれるのは誰なのか(ターゲット顧客の明確化)」「なぜ買ってくれるのか(自社の強みと競合との差別化)」「どうやって買ってもらうのか(認知から購買までの一連の流れ)」の3つを明確にし、その上で一貫性を持った戦術(施策)を実施するための作戦を立てることです。まさに「経営戦略そのもの」と言っても過言ではありません。「ITやウェブのことはよくわからないから、あとはよろしく」と若手社員に丸投げできるような類のものではなく、経営的な観点から、しっかりと腰を据えて取り組むべき重要な業務の一つです。

「ウェブマーケティング戦略=経営戦略」
「ウェブ担当者=自社のビジネス全体を俯瞰できる責任者」

という意識で捉えてください。そして、あなたの会社のビジネスや実店舗のことを真剣に考えるのと同じように、ウェブマーケティング戦略やホームページのことを考えてください。

今まで責任者として自社のビジネスを推進してきた経営者様であれば、これまでの豊富な経験を通じて、前述のような戦略的思考は、実は自然と身についているものです。ぜひ、若手社員に丸投げするのではなく、経営者様自身が主体となってウェブの活用に取り組んでみてください。そうすれば、必ず良い結果につながるはずです。

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

株式会社ピージェーエージェント代表取締役。中央大学理工学部卒業後、NTTコミュニケーションズ株式会社に入社。IT・WEBを活用したデジタルマーケティングに関する法人企業向けコンサルティング業務に従事。顧客の購買プロセスに基づいたマーケティングシナリオ設計、メールマーケティングを基軸としたCRMコンサルティング等、法人企業の売上向上に寄与するコンサルタントとして活躍。その後、2016年、株式会社ピージェーエージェントを設立、代表取締役に就任。ブランド戦略の立案を強みとして、ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している。

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