月間ユーザー数200万増加も可能!?サイトリニューアル成功のポイントとは?

こんにちは。上級ウェブ解析士の下地です。
 NTTドコモでdマーケットポータルサイトの改革や、サービス横断のマーケティングに従事しております。 ウェブサイトにおいて、日々改善を行いユーザビリティを向上させるのは非常に重要です。 今回は、リニューアルにおいて成果を出すために重要なポイントをご紹介します。サイトのリニューアルについて、なかなか成果が出ない、やり方に困っている方のヒントになれば幸いです。
 リニューアルにはこのほかにも沢山必要な工程がありますが、特にお伝えしたい項目にしぼり紹介します。
目次

リニューアルの背景

まず初めに、私自身がリニューアルした際の背景をお話しします。
 今から3年ほど前、自社のサイトで以下の課題を抱えていました。
  • 月間ユーザー数が減少傾向
  • 直帰率が高く、再来訪率も低い状態
つまり、「ユーザーから長く使ってもらえていない」という状態でした。
 改善しないと、サイトやサービスの存続が厳しくなると危機感を持ち、検討も含め約半年間かけてリニューアルを行いました。その後も改善を重ね、現在も引き続きユーザー数が増え続け、ウェブ経由の売り上げも伸び続けています。
 何度も改善やリニューアルをしていくなかで、成功だけでなく、沢山失敗もしました。それらの経験の中から得た、うまくいくためのポイントを紹介します。

「リニューアルが成功する」ポイントを4つご紹介

①課題の洗い出し、目的をしっかり設定

課題を改善することの手段として「リニューアル」があります。 新しくすることによってなんとなく、いいものにしたと思いがちですが(労力をかけて新しくしたので、そう思いたいですが…)「リニューアルすること」自体を目的にしてはいけません。
 リニューアルの目的をしっかり設定することが重要です。
 はじめに目的を設定した後、課題を仮説ベースでいくかあげてみましょう。この時できるだけ多くの仮説をブレストなどであげておくとよいでしょう。 課題・仮説の設定については、GAやその他集計ツールなどにて分析していきます。
 この時、「点」ではなく、過去からの時間軸の「流れ」を意識して数値の推移をみていくと傾向が見えてきます。そのほか、流入元、デバイス、コーナー別などのいろんな切り口から分析をしていきます。
 自社サイト場合、流入元別のUU推移や直帰率をみたり、ユーザーの訪問頻度・サービス利用状態などの切り口で分析をしています。 サイトの目的はそれぞれ違うため、重要な指標も異なりますが、一般的に以下が主な指標です。
例:PV、UU、ユーザー数、CV、直帰率、特定のサービスへの送客率、売り上げ、CV数、再来訪率など

②改善のヒントはユーザーが持っている

数値だけみても、リニューアルで改善すべきことや、なぜ課題となることが起こっているかわからないことも多々あります。
 そこでヒントになるのはユーザー自身です。実際、ユーザーがその答えを持っていることが多いです。そのため、ユーザーデプスインタビューやエスノグラフィック調査などでリサーチします。 リサーチのポイントとして、「ユーザーの無意識の反応や一言に気付けるか」が重要です。例えば、ある一定の部分で止まるなどのユーザーの挙動や、ちょっとした間、ふとつぶやいた一言にヒントがあります。ユーザーの意識は潜在的なので、質問しても明確に答えてくれることは少なく、実際使っている時の反応や、ふと出たひと言(心の声)が重要です。表面的なニーズではなく、奥の語られない願望(インサイト)の発掘が重要になります。 このリサーチをもとに、例えば以下のような課題認識ができます。また、新たなコンテンツを作るうえでも同様の手法で切り口をみつけることができます。

③UI・UX検討は複数人で

新たなUI・UXは、ユーザー調査や、数値をもとに作成したペルソナ、カスタマージャーニーをもとに検討することが大事です。ペルソナやカスタマージャーニーを合わせておくと、メンバー内のターゲットなどがぶれずに議論ができます。 UI・コンテンツ検討時にはプロトタイプツールなどをつかってもいいですが、ツールは使っても使わなくてもどちらでも問題はないです。社内のメンバー数人で必要なコンテンツの案だしや、模造紙や付箋を使ってUIのイメージを作ることもありますし、その方がスピーディーにすすむこともあります。 そのあと細かなデザインや開発などを仕様をきめていきます。
 ここは一人でやるより、みんなで案を出し合ってワイワイやったほうがいいコンテンツやUIができると私は思います。色んな人の熱が入ったサイトの方がいいものになります! そのあと出来上がったテスト版を、ユーザーにつかってみてもらい反応などをみていくとさらに成功の可能性が上がります。

④リニューアルは短期的な結果で判断しない

既存からUI・UXなどを変えると、一般的に数値が落ちることが多々あります。一時的に数値はおちても、新たなユーザー体験により改善が見込めるなどの場合は長期的視点で判断し、リニューアルに踏みきることも重要です。 既存のページを変える場合は影響が大きいです。そのためA/Bテストをすることも多いですよね。その際には、チーム内でリニューアルの判断をするための方向性をあらかじめきめておくことが重要です。 私も、短期的な視点だけではなく、長期的に見て判断をするようにしています。以前、一時的に新しいUI・UXに変えると、短期的な指標は少し落ちそうであることがA/Bテストの結果としてでたことがありました。しかし、再来訪率やその他数値が日を追うごとに改善傾向にあったため、それ以上にユーザーが増える、さらに使っていただけることによるLTV改善のメリットを総合的に判断し、リニューアルを決意したこともあります。

お客様目線で、リニューアル後も改善を続けよう

リニューアルして終わりではなく、継続的なサイト改善を実施していくことが重要です。変化を見つつ、新たな課題や改善ポイントを見つけてどんどん改善しましょう。 リニューアルや、新コンテンツを作成するときはそのあとの運用のしやすさや、改善できる体制をつくるところまで意識して行わないと継続した成長が見込めなくなります。 継続的な改善やコンテンツ追加をせず、同じ状態を続けていてはユーザーは離反していきます
 自社サイトでは、数値やユーザーの声をもとに、随時UI・UX改善、新コンテンツ追加を行っています。 また、ユーザーの使い方は変わっていくので、その情報をキャッチアップしていく必要があります。定期的にユーザーリサーチをしながら、ユーザーに使い続けたいと思ってもらえるサイトにするためどんどん改善していきましょう。 課題を解決するためにリニューアルを検討している、なかなかうまくいかないという方はぜひお気軽にご相談ください。

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

NTTドコモ スマートライフ推進部 マーケティング推進担当/ジュニアプロフェッショナル(デジタルマーケティング)
2015年より現担当にて、社内のサービス全体のマーケティング、dマーケットポータルサイトの改革などに従事。サイトリニューアルなど等により、大幅に改善させ約半年でMAU400万増の急成長につなげた。その他メルマガ改善、新規集客施策、広告のインハウス化、横断レビューの企画運用、開発など等幅広く従事。

2019年より、ドコモのジュニア・プロフェッショナル制度の認定を受け、デジタルマーケティングのスペシャリストとしてドコモを牽引している。
上級ウェブ解析士・Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)・Google広告資格認定(Google Ads Display Certification)

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