【レポート】 Shopify Post-Unite Japan 2019(前編)

ウェブ解析士協会

ウェブ解析士協会、海外広報の川口です。

2019年8月6日(月)、港区海岸の複合施設TABLOIDで開催された「Shopify Post-Unite Japan 2019」にメディア枠で参加して参りました。こちら、カナダで過去4回行われているShopify社主催の大型イベント「Shopify Unite」の日本版となり、国内は今回が2度目の開催となります。

当会内でも本イベント周知を行いましたが、人気のため抽選で早々に参加申込が締め切られる形となり、当日会場は多くの人で賑わっていました。

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内容はShopify及び各パートナーセッション+ネットワーキングという構成で、Google、Facebook、PayPal、eBay、Amazon PayからECデータ関連のプレゼンテーションが行われました。

中でも、近年のEC動向を知る上で興味深かったものの一つ、Shopify Japanカントリーマネージャー、マーク・ワング氏のセッション概要を、以下少しシェアできればと思います。

Shopifyについて

現在、約82万のマーチャント(販売業者)が商品販売をしており、2018年だけで約41億米ドル、累積では約100億米ドルの総マーチャント売上を記録しています。購入者数は約2.18億人、リテールサイトのUS売上ランクでは、アマゾン、ebayに続いて3番目にShopifyが位置しています。

日本のECユーザーの傾向

日本のEC市場では、購入者の半数以上がリピート購入することが分かり、これは世界的に見ても、最もリピートユーザー割合の多い市場となります。皆さん、一旦愛着をもったブランドに対して投資する傾向があり、ブランドロイヤリティが重要なマーケットということが分かります。

一度の決済商品数について、米国ユーザーは平均6つの商品を決済しているのに対し、日本では平均2つの決済というデータがあり、世界的に見ると少なめです。

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また商品の購入を検討し、実際購入に至るまでの時間ですが、日本は約27分で世界的に見ると比較的時間が掛かっています。また、シンガポールは約28分で同じく決断までに時間を掛けています。逆にドイツは約17分で早く、これらの時間を掛けない国に比べると、商品購入を熟考している傾向があります。

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しかし、一度の決済金額の国別比較では、日本は平均141.72米ドルと最も高い額です。

つまり、日本のユーザーは熟考して一度で少ない数の高額商品を購入する傾向があります。売り手側のブランドには信頼感が求められており、顧客とのエンゲージメントが非常に大事な市場であると読み取れます。

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商品が売れている時間帯は、日本では午後10時頃、アメリカでは午後5時頃というデータがあります。これは日本は比較的労働時間が長く、帰宅後にリラックスしている時にショッピングしている、という事に対し欧米では、帰社時間の前後に購入していることが関係しているようです。

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またデバイス別購入では、欧米ではPC、タブレット、モバイルでの購入が同じぐらいの割合だったのに対し、日本では非常にモバイルでの購入率が高く60%というデータがあります。またベトナム、シンガポール、ニュージーランドなどでは、タブレットが最も購入の際に使われています。

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日本の越境ECではアパレル、本、モバイルケースに続いて、お茶が売れているという傾向があります。やはり日本茶が世界で人気であることに関係しており、こういった部分もユニークです。

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日本もその他の国も、11月が一番商品が売れる月であり、Black FridayやCyber Mondayなどイベントが多くあります。一方、2月は最も売上が少ない月となります。しかし、週間で比較した場合、バレンタインデーの前後の週が一年の間で最も売れる週となり、二番目はホワイトデーの週、次にGWの週と続きます。週別と月別、商品が売れやすいタイミングの違いを見て取ることができます。

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コマースの未来

最近では、ECの発展により小売店が衰退してきている、と言う意見をよく耳にすることがあります。しかし、現在のデータをみるとそれは事実ではなく、全体に対する実店舗売上比は今だに非常に高く、2021年には実店舗販売が82.5%、EC販売が17.5%の割合になると予想されています。

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そして日本の今後のECの成長率の下降傾向を示すデータもあり、色々な噂がありますが、実際にはそれと逆のデータや見解が見受けられたりもします。また、ソーシャルコマース(SNSでの商品販売)も伸びてきているとも言われていますが、そこに関しては実店舗やECでの販売が、圧倒的に強い状況です。

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一例として、ニュージーランドの靴のブランド、Allbirdsは「世界一快適な履き心地」というテーマを持っています。

靴の小売は最も古い小売業界の一つで、競争相手も多く成功が難しいとされていますが、彼らは実店舗、SNS、ウェブサイトなど全方位的なブランディングを行い、顧客エンゲージメントを高めています。どのようにお客さんに好きになってもらうか、何よりもそれにフォーカスしながら、オンライン・オフライン問わずあらゆるチャンネルを上手く活用して施策を行っています。

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世の中はD2C(Direct to Consumer)ビジネスの時代にシフトしてきています、ブランドロイヤリティを高めることが、売り手にとって今後益々重要になるでしょう。