ライバル店でお買い物!?自社ECサイトや販促施策の改善のヒントは、競合他社での顧客体験の中に隠れている

こんにちは。ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している、株式会社ピージェーエージェント代表取締役の加藤です。

今回は、新たな販促アイデアが思いつかないと悩んでいたアパレル会社の事例についてお話しをします。自社分析だけではなく、競合他社での商品購入などの顧客体験を通じて、自社ECサイトや販促施策の改善につなげる方法について、解説をいたします。

目次

新たな販促アイデアが思いつかない・・・

アパレルブランドのA社では、ECサイトの売上の伸び悩みを課題に感じていました。今まで、サイトの改善やメルマガ発行など、自社で思いつく限りの基本的なマーケティング施策は着実に実施をしてきており、売上も順調に伸びていました。

しかし施策を一通りやりつくした昨今では、なかなか新しい販促アイデアが思いつかず、今まで行ってきたメルマガやクーポン配信などを機械的に繰り返すだけになってしまい、新しい施策や改善などが実施できていませんでした。右肩上がりに伸びてきた売上も、徐々に横ばいになり始めていました。

そんな中で、A社の経営者様から、「さらに売上を伸ばすためには、何をすれば良いのか?」というご相談を頂きました。

自社分析に加えて、競合分析をすることが有効

そこで、弊社がご提案したのが「競合調査」です。A社では、アクセス解析ツールで動線を分析して自社のウェブサイトを改善したり、メールの開封率・クリック率などの反応結果を基にメルマガコンテンツを改良したりと、自社分析はかなりしっかりと実施をしていました。

ただ、新しい販促アイデアやサイト改善のヒントを見つける方法は、それだけではありません。自社分析だけではなく、競合分析を行うことも有効な方法の一つです。ライバル会社の商品やサイトを調査することで、自社分析だけでは思いつかなかった新たな施策や、気付かなかった自社の課題や改善ポイントの発見につながります。

まずは検索をしてみる

競合調査を行うにあたっては、まずは対象となる競合他社を10-20社程度リストアップすることから始めます。普段から競合として意識をしているライバル会社に加えて、検索エンジンで検索をして競合となりうる会社を洗い出していきます。

自社商品に関連するキーワードを実際に検索エンジンに打ち込んで、リスティング広告で上位表示されるサイトや、検索結果の1ページ目に並んでいるサイトを見ながら、競合他社をリストアップしていきます。検索エンジンを使うことで、普段自社が意識をしていなかった意外なライバル会社を発見することもできます。

ここでは、競合サイトの「Title」「Description」「広告文」をチェックし、自社の改善点を探ることがポイントです。見込顧客の興味を引くような魅力的な「Title」「Description」「広告文」になっている競合他社があれば、その文章を参考に、さらにより良いものにするためにはどうすれば良いかという観点で、自社の「Title」「Description」「広告文」の改善点を明らかにしていきます。

次にサイト内を細かく閲覧する

次に、リストアップした競合10-20社のECサイトを実際に閲覧して、顧客目線で気付いた点を、一つ一つ記録に残していきます。ここで大切なのは、同業者としての目線を排除して、徹底的に実際のお客様の気持ちになってチェックするということです。

目当ての商品は見つけやすいか、商品画像は魅力的か、商品説明はわかりやすいか、ウェブカタログ・コラム・特集記事など興味を惹くコンテンツがあるか、送料・納期などの基本情報がわかりやすく記載されているか、回遊性が高いサイト構造になっているか、ソーシャルメディアなどで情報発信をしているか、割引やポイント付与といった販促施策を実施しているかなど、細かく顧客目線でチェックを行い、良いと感じた点・悪いと感じた点をすべて記録に残していきます。これにより、今まで気付かなかった自社サイトの課題や改善ポイントの発見につながります。

さらに実際に商品を買ってみる

さらに、閲覧した競合サイト10-20社のうち、印象が良かった上位5社程度に絞り込んで、実際に商品を購入してみましょう。競合調査をより効果的に行うためには、競合他社のサイトを閲覧して、商品の価格帯や見せ方、コンテンツの内容などを調べるのはもちろんですが、さらに「実際に商品を買ってみる」というのも非常に有効です。

「競合の商品なんて買いたくない」「そこまでしなくてもサイト閲覧だけで十分なのではないか」と思う方もいるかもしれませんが、ぜひ「商品購入」まで実施をしてみてください。

サイトの閲覧だけではなく、実際の商品購入までの顧客体験を一通り経験すると、さらに様々なことが分かってきます。商品購入フォームの使い勝手はどうか、会員登録はしやすいか、クレジットカードや銀行振込・代引きなどの決済手段の豊富さ、購入後のメールフォローなどの内容、商品の梱包状態、メッセージカードなどの同梱物、メルマガやDMなどでの購入後のコミュニケーションなど、商品を実際に購入してみなければわからない、より多くの気づきがあるはずです。それらをヒントにして、今まで思いつかなかった新たな施策のアイデアを得ることができます。

競合他社での顧客体験にヒントが隠れている

検索エンジンで検索する、ECサイトを閲覧する、実際に商品を購入する、といった、一通りの「顧客体験」を通して競合他社を調査することは、自社の商品やECサイト、販促施策の改善のヒントを見つけるために、非常に有効な方法です。人気のある競合サイトや、売上の高い競合サイトには、必ずユニークな工夫があるはずです。自社だけではなかなか考えつかなかったような新たな施策や改善点を思い付くかもしれません。徹底した顧客目線でフラットに競合他社を分析することで、ライバル会社の良いところはどんどん自社に取り込み、改善を行っていきましょう。

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

株式会社ピージェーエージェント代表取締役。中央大学理工学部卒業後、NTTコミュニケーションズ株式会社に入社。IT・WEBを活用したデジタルマーケティングに関する法人企業向けコンサルティング業務に従事。顧客の購買プロセスに基づいたマーケティングシナリオ設計、メールマーケティングを基軸としたCRMコンサルティング等、法人企業の売上向上に寄与するコンサルタントとして活躍。その後、2016年、株式会社ピージェーエージェントを設立、代表取締役に就任。ブランド戦略の立案を強みとして、ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している。

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