情報の出しすぎは逆効果!?ウェブからの問い合わせを獲得するためのコンテンツ戦略

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こんにちは。ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している、株式会社ピージェーエージェント代表取締役の加藤です。

今回は、とある建築関連の技術サービス会社のコンテンツ戦略立案の事例についてお話しをします。ウェブサイトでの情報提供に関する落とし穴や、ウェブからの問い合わせを増加させるための、情報提供の考え方やポイントについて、解説をいたします。

ウェブからの問い合わせ増加に向け、コンテンツ戦略を考える

全体の商談数のうち、ウェブからの問い合わせによる商談の割合が約7割をしめる、建築関連の技術サービス業を営むA社。さらに売上を拡大させるために、最も重要な商談獲得経路の一つであるウェブからの問い合わせの量を増やしたいというご要望で、弊社にご相談をいただきました。当初、A社の経営者様からは「自社の商品・サービスの使い方に関する動画コンテンツやブログなどの情報コンテンツをさらに追加して、ウェブサイトに掲載されている情報のボリュームを増やしたいので、コンテンツ戦略を一緒に考えて欲しい」というご要望を頂戴していました。

すでに充実した情報提供はできている

そこで、既存のコンテンツの内容を調査するためにA社のウェブサイトを見てみると、かなり充実した情報量のウェブサイトになっていることがわかりました。ウェブからの問い合わせが重要な商談獲得経路の一つであるということもあり、全社的に相当な力を入れて、様々なコンテンツを作成し、情報の掲載をしていました。自社の商品・サービスの概要やメリット、選ばれる理由(アピールポイント)などはもちろん、商品・サービスのスペック詳細、価格、サポート体制、建築技術に関する独自ノウハウ、競合の商品・サービスとの比較、導入事例、お客様の声、よくあるご質問・・・などなど、自社の商品・サービスに関するあらゆる情報がすべて把握できるウェブサイトになっていました。

本当にさらなる情報提供は必要か?

このウェブサイトに、さらに自社の商品・サービスの使い方に関する動画コンテンツやブログなどの情報コンテンツをさらに追加して、ウェブサイトに掲載されている情報のボリュームを増やしたいというのが、A社の経営者様からのご要望でした。確かに、さらに情報提供の量を増やせば、お客様の満足度を高めることはできるかもしれません。しかし、本当にさらなる情報提供は必要なのでしょうか?今回ご相談の本来の趣旨は、「ウェブからの問い合わせの量を増やしたい」でした。「ウェブサイトに掲載されている情報のボリュームを増やす」というアプローチは、本当にその趣旨に合った最適な手段なのでしょうか?

ウェブサイトの目的は何か?

そもそもA社にとって、ウェブサイトの目的は何でしょうか?A社のウェブサイトの目的は、ずばり「商談につなげるために、問い合わせを獲得すること」です。つまり、A社のウェブサイトのコンテンツを考える際に最も大切なことは、「問い合わせをしたい」と思ってもらえるような情報を掲載するということです。ウェブサイトを閲覧するお客様の満足度を高めることではなく、A社の商品・サービスに興味を持ち、「もっとその商品・サービスのことを詳しく知りたい」と感じていただき、お問い合わせを行なっていただくことを第一に意識して、コンテンツ戦略を考えることが重要であると言えます。

ウェブサイトでの情報提供の落とし穴

ウェブサイトのコンテンツを考える際に注意をしたいポイントは、「どこまで情報を開示するか」ということです。A社の経営者様は、自社の商品・サービスに関して、かなりの自信を持っており、世の中にアピールをしたいという非常に強い想いを持っていました。そこで、ウェブサイトに自社の商品・サービスに関する様々な情報を掲載していたのですが、多くの情報を掲載しすぎてしまうと、ウェブサイトを見ただけでお客様が満足して思考が完結してしまい、引き続きお客様と接点を持つことが難しくなってしまうという可能性があります。もちろん、あまりに提供する情報の量が少ないウェブサイトでは、お客様が知りたい情報を知ることができずに本末転倒ですので、バランスが重要だとは思いますが、過度な情報提供はマイナスの作用もあるということです。

また、建築技術に関する独自ノウハウなどの情報を掲載しすぎて、競合他社に対して貴重な参考情報を提供してしまっているということにもなっていました。自社の独自ノウハウを開示しすぎてしまうと、競合他社に技術を真似されてしまうリスクも存在します。

問い合わせを獲得するためのコンテンツ戦略

ウェブサイト経由で問い合わせを獲得するためには、お客様に問い合わせフォームに個人情報を入力していただく必要があります。問い合わせフォームへの入力は、お客様からすると、それなりの手間と労力がかかる作業です。そのため、その手間と労力に見合うだけの「見返り」が必要です。この「見返り」には、一般的には、お役立ち資料・商品カタログ・無料サンプル・クーポンなどが考えられます。「この見返りが欲しいから、問い合わせフォームに個人情報を入力しても良いな」と思っていただく必要があるということです。

A社では、まずはコンテンツを「商品・サービスに興味を持ってもらうためのコンテンツ」「さらに情報を知りたいお客様だけに特別に開示するコンテンツ」の2種類に分けて整理をしていきました。
具体的には、自社の商品・サービスの概要やメリット、選ばれる理由(アピールポイント)、導入事例、お客様の声、よくあるご質問、自社の商品・サービスの使い方に関するブログは「商品・サービスに興味を持ってもらうためのコンテンツ」と位置づけ、ウェブサイトでの情報提供を積極的に行うようにしました。
商品・サービスのスペック詳細、価格、サポート体制、建築技術に関する独自ノウハウ、競合の商品・サービスとの比較、自社の商品・サービスの使い方に関する動画コンテンツは「さらに情報を知りたいお客様だけに特別に開示するコンテンツ」と位置づけ、問い合わせフォーム経由で申し込みを頂いたお客様だけに別途送付をするという戦略をとりました。

その結果、A社ではウェブからの問い合わせの量がこれまでと比較して1.7倍にも増加しました。もちろん、単純に資料が欲しいだけの興味度合いが低い問い合わせも含まれますので、以前と比べると問い合わせの「質」については、若干落ちているということはあると思います。しかし、問い合わせの「量」が増えたことは、自社のビジネスにとって有益であるとA社の経営者様はおっしゃっています。なぜなら、見込顧客のリストが自社の財産として蓄積されるからです。現時点では、まだ興味度合いが低いお客様だったとしても、メルマガやDMなどで定期的に接点を持ち続けることで、興味度合いを徐々に高めて、商談につなげることができる可能性があるからです。

あなたの会社のウェブサイトでの情報の掲載ボリュームはどれくらいでしょうか?コンテンツ戦略を考えずに、やみくもに情報提供をしていませんか?ウェブサイトに掲載する情報の出し過ぎは、マイナスに働く可能性もあります。ウェブサイトの目的に合った最適な情報量やコンテンツ戦略をあらためて考えてみてください。さらなるお問い合わせの増加が期待できるかもしれません。

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加藤 雄一郎

株式会社ピージェーエージェント代表取締役。中央大学理工学部卒業後、NTTコミュニケーションズ株式会社に入社。IT・WEBを活用したデジタルマーケティングに関する法人企業向けコンサルティング業務に従事。顧客の購買プロセスに基づいたマーケティングシナリオ設計、メールマーケティングを基軸としたCRMコンサルティング等、法人企業の売上向上に寄与するコンサルタントとして活躍。その後、中小・ベンチャー企業に特化したコンサルティング会社である株式会社ピージェーエージェントを設立、代表取締役に就任。ブランド戦略の立案を強みとして、ブランディング・マーケティングに関するコンサルティング事業を展開している。