【書評】「ライティング能力なき者はWeb 業界で生残れない」

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☆【書評】「ライティング能力なき者はWeb 業界で生残れない」
  Web ライティング実践講座

わかりやすく文章を書くためのノウハウ本なら、いくらでもある。
Web業界本なら7割は知っている話だから、いつもなら読み飛ばしながら1時間もあれば読み終える。

しかし、ジムでバイクを漕ぎながら1時間半かかっても、208ページある『Webライティング実践講座』は50ページも読めなかった。読み飛ばせない本だったのだ。文章の書き方についてはいろいろ読んできたが、この本には今までにはない3つの特徴がある。

1.この本は「魅せる文章の書き方」である。
私が今まで読んだ本は「わかりやすい文章の書き方」だった。
一方、『Webライティング実践講座』は魅せる文章構成やストーリーの組み立てを教授している。文章表現を仕事の一部と考えている人向きだ。

2.この本は和風である。
私が今まで読んだ本は「ロジカルシンキング」を代表とする「西洋風」だった。
一方、『Webライティング実践講座』は記憶の片隅にしかない「起承転結」から始まり、結論を尊ぶ西洋風論理展開が不適切な場合もあることを述べている。

3.この本は演習中心である。
私が今まで読んだ本は「正解中心」だった。『Webライティング実践講座』には演習があり、読者に実際手を動かして書くことを促している。演習の解答には正解以外にさまざまな受講者の例と改善ポイントが並んでいる。よくない例を見て自分の文章と見比べると効果的だろう。

Web解析屋である私にとって、ライティングはとても重要なスキルだ。解析結果にコメントを付け、お客さまに感動してもらうことが、次の仕事につながる。実際、要件定義からコンテンツ制作、アクセス解析にいたるまで、ライティングはWeb業界の中心スキルなのだ。SEOですら、外部リンクよりコンテンツが重要になっている。
コンテンツとは文章だ。デザインやイラスト、システムは文章の補完でしかない。『Webライティング実践講座』のように「Webの時代に相応しい」「魅せる」ための文章の本は少ない。特に体系的にまとまっている基礎編では、文章を生業としている人が、文章をどう作り、よくするのかがわかる。応用編、実践編は荒削りと思う部分もあるが、プレスリリースやリスティングなど目的別文章の表現方法からGoogle AnalyticsやGoogle トレンドを使ったツールによる文章アイデアを収集する方法は興味深い。LINEでの文章の書き方、アドネットワークでの広告配信、コピーごとのA/Bテストの結果など、『Webライティング実践講座』の方法論で解説して欲しいことはたくさんある。

実は、筆者の一人、アスキー・メディアワークスの中野さんは私もしばしば話をしたことがある。私はしょうもない話ばかり持ち込んでいたので、中野さんの本業について触れる機会が少なかったのだが、この本の演習を通してプロが文章を書くときはどう考えるのか、添削を通して感じ取ることができた。
やっぱプロってすごいのね、ホントそう思った。中野さんこの本いいですよ♪辛口なKさんが褒めるぐらいですし(笑)

追記:今回は本にのっとって、
 ・煽り見出しをつけ
 ・普段つかわないズームからの俯瞰
 ・起:ジムと飛行機 承:3つの特徴 転:生き残りと煽り 結:またズームして住さんを紹介
と書いてみた。

中野さんにこの原稿を送り、添削をして頂いた。
最後に添削してもらった前の文章履歴つきのワードファイルを画像で載せておく。プロってホントすごいんですね。

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