見込み客育成(リードナーチャリング)奮闘記。フラれ続けて気がついた、たった一つのシンプルな答えとは?

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こんにちは。ウェブ解析士の佐藤佳(さとうけい)です。
株式会社ハーティスシステムアンドコンサルティングという会社で、広報と採用を担当しています。

私は知識ゼロ・経験ゼロでインハウスのウェブ担当としてこの世界に飛び込みました。そこで試行錯誤をしながら4年連続 200%成長したウェブサイトを作り上げ、たくさんお問い合わせが獲得できるようになって喜んでいたころ、当時の上司がこんな話を持ってきたのです。

「統計では、獲得した見込み客(リード)の約75%が、2年以内に競合他社に流れているらしいよ。」

衝撃でした。ウェブサイトの目的は事業の成果に貢献することですが、そのためにはお問い合わせの獲得だけを考えていてはダメだと気づかされました。しかし、弊社の規模では「見込み客の育成(リードナーチャリング)」を専任で行える部門はありません。

「それなら自分でやってみよう!」と思い、10か月と期間を決めて挑戦させてもらうことにしました。何より、お客様の役に立てる人になりたいという思いがありました。

しかし、順風満帆にいく訳もなく、初めの6か月はお客様にフラれ続けました。

その後、学んだことの体系化と実践を3か月繰り返し、最後の1か月で一気に成果を出すことができました。つまり、90%は失敗しながら迷走していました(笑)。私の事例が、皆さんの参考になれば幸いです。

事前準備として行った最低限のこと

  • 自社サイトに資料請求のコンバージョンを新しく設置する
  • 情報収集しているお客様向けの専用資料を作成する
  • マーケティングについてセミナーや本で学ぶ

当時、弊社のウェブサイトはお問い合わせフォームのみだったので、情報収集のお客様を分別するために、資料請求フォームを新しく設置しました。そして、お客様が欲しい情報は何かを考え、「実績」「選ばれる理由」「課題の診断」「私たちのできること一覧(商品やサービス)」「事例」という構成で新しく専用資料を作成。

また、私自身がマーケティングの知識をほとんど持っていなかったため、セミナーに行ったり、書籍を読んだりして最低限の勉強を行いました。なお、「MQL(Marketing Qualified Lead)」「SQL(Sales Qualified Lead)」という言葉をご存じでない場合は、非常に重要な概念ですので、ぜひこの機会に調べてみてください。

まったくダメだった電話応対

当時の私は、「資料請求してくれたお客様を、とにかく商談につなげなくては!」と、かなりガツガツしていました。やると言った手前、手ぶらで帰ることはできなかったからです。

とはいえ、営業はシロウトです。営業さんが工夫しながらヒアリングしている項目を、私はデッドボール必至のど直球で聞いていたのです。もし、受注を結婚と例えるならこんな感じです。

「いつごろ導入されますか?(私といつ結婚しますか?)」
「予算はありますか?(結婚式はいくらでやりますか? そもそも貯金あります?)」

何も関係性ができてないのに、切羽詰まった様子で身元のよくわからない人からこんなことを言われたら、お客様が逃げていくのは当然ですよね(笑)。

おつきあいするまでの流れと同じように、まずはデートに誘ってもらえるよう、自分をよく知ってもらうこと、興味を持ってもらうことが大切だったのです。

いつでも答えはGENBAにある

ようやく当たり前のことに気がつき、まずはアポイント(デートに誘ってもらうこと)を目標にしました。そんな時、偶然にも私の好きなお菓子を作っている企業様からお問い合わせが入ったのです。

そのころにはお互いの気持ちが合ったタイミングで会う約束ができるようになっており、初アポイントを獲得。営業の先輩と一緒に訪問しました。

そこで感じたのは、やはりいつでも答えはGENBAにあるということ。情報収集を行っているお客様がどんな気持ちで、何を求めているのか。どうすればお客様のパーセプション(認知)が変化するのか。想像力も大事ですが、リアル体験も入れて「見込み客の育成(リードナーチャリング)」を逆算する方が、圧倒的にうまくいくと確信しました。

余談ですが、訪問後に先輩が「いい会社さんだったね。せっかくだからコンビニでお客さんの商品を買って帰ろう」と言ったのです。その言葉を聞いて、きっとこの先輩は受注するのだろうと直感しました。

そして約1年後、このお客様が初のお客様となりました。

これホットリードじゃないよ

少しずついい雰囲気になれる会社さんが増えて来ると、「どういう状態になったら営業さんに引き継げばいいのだろう?」という疑問が出てきました。そこで重要になるのが、自社におけるホットリードの定義です。

一般的に「ホットリード」とは、類似サービスの比較や見積の取得など、情報収集が本格的になっている状態のことを指します。それを図る指標の一つとしてスコアリングの存在は知っていましたが、点数のつけ方が難しくて、議論が進まない会社も多いと聞いていました。

そこで考えたのが穴埋めパズルです。営業さんがどのようにホットリードを見極めているかを聞いていったところ、「テーマ」「予算」「導入次期」というキーワードが浮かび上がってきたので、この3つのパズルが埋まったらホットリードとしてみませんか? と社内で認識を共有したのです。そうすることで、「これホットリードじゃないよ」という議論もなくなり、部署間の引継ぎもスムーズにいくようになりました。

なお、パズルが埋まっていたとしても、営業部署がたくさん案件を抱えている時は、ホットリードと感じられないこともわかってきました。そこで、お客様に対する電話やメールなど、なんでもいいので1アクション=1ポイントでスコアリングを行ってみたのです。

すると、3つのパズルを埋めるにしても、5ポイントで達成するのと10ポイントで達成するのとでは、後者の方が忙しい営業さんに喜ばれたのです。つまり、アクション数が多い=お客様の情報量が多い=お客様との関係性が高まる=営業さんが少し楽という図式です。それ以来、営業部署の稼働状況を見ながら、何ポイントでパズルを埋めてリードを渡すかを調整するようになりました。

仕組みに落として汎用的にする

「見込み客の育成(リードナーチャリング)」の王道ストーリーがつかめてきたころから、自分と同じことを第三者ができる仕組みを作ろうと考え始めました。そこで、自分がホットリードを作るまでに困った点を洗い出し、それぞれシステム化や資料作成を行いました。

  • 資料送付のメール作成に時間がかかる → 自社サイトと連携したメールシステムを構築
  • ホットリードまでのフローがわからない → 全体像がわかるガイドラインを作成
  • 具体的に何を言えばいいのかわからない → お客様のステージ別にTELトークを整備
  • 案件の状況がわからなくなってしまう → アクションシートの作成

開始から9か月目、ようやくノウハウの体系化も完了し、最後の1か月は自分の思うようにお客様のフォローアップができるようになったのです。その後、作った仕組みが本当に機能するか、間接部署のメンバー3名に6か月間運営を行ってもらいました。結果、案件の昇格率は私も3名も同じくらいで、誰でも使える仕組みであることが実証できました。

今では、営業サポート部隊ができて、この仕組みをさらに洗練してくれています。

すべての答えは人と人との関係性にある

この取り組みを通じてわかった一番大切なことは、「見込み客の育成(リードナーチャリング)」とは、「お客様とより良い関係を築くこと」にある点です。そのために必要なのは、

  • 相手の身になって考える
  • 約束をして、約束を守る
  • お客様のプロジェクトを応援する人になる

つまり、誰もが知っているような「人として当たり前のこと」だったのです。

お客様が今どんな気持ちなのかに深く興味を持つこと。アポイントなど、約束をしたら守ること。そして、お客様のミッションを心から応援すること……お客様が人である以上、結局は人と人との関係性にすべての答えがあるのです。これはマーケティングと営業の関係にも同じことが言えるのではないでしょうか。

これから「見込み客の育成(リードナーチャリング)」に挑戦される方へ。

大きく「0→100」を実現しようと思うのではなく、小さな「0→1」を積み重ねるイメージがオススメです。結婚を急ぐのではなく、デートの約束を取りつけるところから始めましょう(笑)。

私自身も、今回の挑戦でアナログ運用はなんとか形になったものの、まだスタート地点に立ったばかりで、作った仕組みをオートメーション化するまでには数々の課題があります。しかし、小さな 「0→1」を繰り返せば、必ず大きな力になると信じています。

「まずはやってみよう!(きっとなんとかなるだろう!)」
「いまの自分でそのままGO!(関わるすべての人にありがとう!)」

そんな気持ちで、一緒に新しいことに挑戦していきませんか?

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「この会社をもっと世の中に広く報せたい!」という志だけで、ハーティスシステムアンドコンサルティング(愛知県のITコンサルティング企業)に入社。知識ゼロ・経験ゼロからスタートし、アクセス数を4年連続で200%成長させる。現在は、自社の成長に合わせて地道にウェブサイトを改修しながら、事業企画部の責任者として、広報と採用を通じた自社ブランディングに力を注いでいる。