セミナーや勉強会で使える発表のコツ/#3~発表内容をおもしろくする

ウェブ解析士マスターの亀井です。

「セミナーや勉強会で使える発表のコツ」の最終回です。今回は、発表内容をおもしろくするコツを紹介します。第1回は、発表する際の失敗例を紹介しました。第2回は、発表するときの心構えを紹介しました。(※発表時のスライド作成のコツ(執筆:亀井耕二)はこちら⇒登壇者が身に付けておくべき6つのスライド構成術

話をおもしろくするための工夫

あなたの話をおもしろくするためには、本題から一番遠いところの話を参考にすると良いでしょう。

意外性は聴衆に興味を沸かせる話の調味料です、遠い話と今からの話がどのようにつながっていくのか。きっと、聴衆は謎解きのような興味を持つでしょう。

たとえば、ニホンウナギが捕れなくなってきたという事実を知ったとします。それとウェブ解析の話とのつながりを考えてみましょう。

アクセスしてきたユーザーとニホンウナギの産卵場所の探索をひっかけて話をするとおもしろくなるかもしれません。

ウナギとウェブ解析のつながりなんて考えもしないからです。

ウェブ解析に加えて教養も身に付ける

発表を聞いてもらいたければ、「ウェブ解析バカ」になってはいけません。

ウェブ解析を真面目に勉強することは大事ですが、それ以外にも社会科学や有名人の伝記を読み、異業種交流で自分に刺激を与えましょう

常に一番遠いところを眺めていないと話の幅は広がりませんし、話のフック(話の掴み)を意識していないといけません。

あなたの聴衆の経験値の総和は、あなたの経験値の何十倍のものに相当します。「おもしろい」の別の表現は、聞く人の潜在好奇心とあなたの話のフックがつながるということです。

できるだけ多くのフックを自分の教養として身に付けることを心がけましょう

一番重要で一番忘れがち……練習あるのみ

発表のための練習しないという人がいますが、これは論外です。いくら話の内容がおもしろくても、練習しなければ効果的に伝わりません

お笑い芸人が即興でギャグを言って笑いをとっていますが、あれも事前に練習しているからなし得ることです。

漫才に至っては、最低でも50回は練習すると西川きよしさんが言っていましたし、最近世間を騒がせたノンスタイルの井上さんも100回以上は練習するとテレビのインタビューで答えていました。

「発表とお笑いを一緒にするな」という声が聞こえてきそうですが、本質的なところは同じです。

自身が作り上げた発表のストーリーを文章として黙読していてはダメです。脳に対して発音の記憶を刷り込まないと言葉になりません。

1回だけでもいいから言葉に出して練習することが大切です。

黙読の練習だけだと、本番時には、最初の2、3行しか言葉に再現できません。そして、それ以上進もうとすると次からスライドに書かれている原稿を読むようになってしまいます。

そのあとは、聴衆の様子をうかがうことなく、スライドの内容をパソコンに向かって話すスタイルで終わってしまうでしょう。

パソコンをのぞき込むようなうつむいた姿勢では、聴衆の微妙な反応がつかめません。そうならないためにも、練習が必要なのです。

同じ発表は最低3回しよう

初めて発表する内容で「聴衆にウケておもしろい話ができた」と思っても、それはまったくの偶然です

というのも、そのときの会場の雰囲気や発表する順番、聴衆のコンディションによって、「おもしろい」という感情は揺らぐからです。

だから2回目に同じ話をすると、ウケるところ、ウケなかったところがハッキリしてきます。

「1回目はウケたが、2回目ではウケなかった」ということはよくある話です。なにが良くて、なにが悪かったのかを十分反省して次につなげることが大切です。

3回目となると、定点観測で「おもしろさ」をつかめるようになってくるはずです。

話の流れ、聴衆の態度、自分の調子。それぞれをバランスよく把握できるようになると話が「おもしろく」なる可能性が上がります。

つまり、場数を踏むというのはこういうアルゴリズムを経験するということです。

第1回~第3回までの内容をまとめると次の通りです。

  • 内容が濃くてノウハウ満載だからといって良い発表とは限らない
  • 聴衆が理解でき、伝わる適切な情報量を発表に込める
  • 発表には、「自分でもできそうだ、試してみたい」というすぐに役立つ小さなことを織り交ぜる
  • 小さなきっかけを大きく育てるのが本当のプロ
  • 本題から一番遠い話をフックにすると意外性から聴衆に興味を湧かせられる
  • 発表する内容は練習する
  • 最低3回は同じ内容の発表を行う

この3回の記事(#1#2)で、あなたの発表が少しでもおもしろいものになるヒントを掴んでもらえたら幸いです。

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亀井 耕二
気がついたらウェブ解析士のセンセイをしてもう5年。せっかく学んだことが2年ほどで陳腐化してしまう恐怖の業界で頭を抱える毎日です。変幻自在のウェブ技術の千本ノックにどこまで耐えられるか。最近は、少しはコツもつかめてきてウェブの向こう側にいるヒトが意識できるようになりました。ウェブ解析士の勉強会「自社サイトをコストに終わらせないために」を開催してはや4年。お一人でも多くアクセス解析のヒントを持ち帰ってもらいたいと願っております。