あなたの発表は、なぜおもしろくないのか?/#1

ウェブ解析士マスターの亀井です。

あなたの発表は、なぜおもしろくないのか?」というテーマで、セミナーや勉強会での発表が評価されない理由や発表するにあたっての心構え、話をおもしろくするコツを3回連載で紹介していきます。

初回の今回は、「発表で失敗する典型的な例」を臨場感たっぷりにお届けます。読みながら、「私(僕)もあるある!」とうなずいているあなた、ぜひ、この連載を最後まで読んでください。

連載を読み終えた後には、自身を持って人前で発表できるようになっているかもしれません。

人前で話し慣れていないのに、発表しなければいけない

あなたは、セミナーや勉強会などで発表することになったとします。

日頃からそんなに人前でしゃべる機会もないあなた。

そこで、あなたは発表の準備に取りかかります。参加者の想定ニーズをくみ取り、資料を十分に用意して、そして、発表の練習をします。準備も万端、当日を迎えます。

発表当日

発表当日。会場は水を打ったよう静けさで、あなたは思いの外、小さな声で自分の話を始めます。

最初の5分は緊張のあまり、なにを話しているのか記憶にないほどでしょう。

途中から少しずつ慣れてきて調子が出てきます。やがて、考えてきた以上に次から次へと話が出始めます。

そこで、残り時間が少ないことに気がつき、あわててクロージングに向けて早口で説明し始めます。

持ち時間が残り5分

そして、「残り5分」というスタッフからのメッセージボードを見て、少し慌てるあなた。「スライドが残り10枚もある、どうしよう……」

スライドをどのように処理しようかと頭の片隅で考えながらも超早口ですべてのスライドを説明してフィニッシュ。

とりあえず、「ご静聴ありがとうございました」の一言を言い終えたあなた。

発表終了

拍手の後、聴衆の静かな反応が訪れる。じっと無表情に前を向いている人。なにかをメモっている人。うつむいてうつらうつらしている人。

話し終えたという安堵からホッと息をつくも、あなたは自分の話がどうだったのかがじわじわと心配になってきます。

「内容は悪くないはず。最新の情報、他では手に入らないノウハウ。これなら、聴衆のニーズに100%とまでは言わないまでも30%くらいは満足させられたのではないか」と思うあなた。

でも、聴衆は無表情なのです。

そこで、あなたは「ひょっとして、自分の発表はおもしろくなかったのかもしれない」と焦り出します。

そう、あなたの思った通り。聴衆の反応が薄い場合、あなたの発表はおもしろくない可能性が高いのです。では、どこがマズかったのでしょうか。

早くいきたければ1人で進め。遠くに行きたければみんなで進め

アフリカのことわざに次のようなものがあります。

早くいきたければ1人で進め。遠くに行きたければみんなで進め

組織論で引用されることわざで、多様性を欠く組織では刺激が少なくて発想が拡がらないし、クローズドな環境は人間関係が固定するので、遠慮や上下関係が生じます。だから、「遠くに行く」ためにはオープンで多様性に富んだ組織になることが必須だという意味です。

発表もこのことわざと考え方は一緒です。一人歩きする発表は、聴衆とともに遠くにはいけません。

花粉情報を持った偵察ミツバチのように8の字ダンスを踊ってまわりのミツバチを共鳴させないといけません。

つまり、独りよがりの発表ではダメなのです。どんなに濃い内容で情報量が豊富な発表だったとしても、内容が聴衆に理解されて、伝わっていなければダメな発表なのです

次回は、「発表するにあたっての心構え」を紹介します。最終回は、「話をおもしろくするコツ」を紹介します。

亀井 耕二
気がついたらウェブ解析士のセンセイをしてもう5年。せっかく学んだことが2年ほどで陳腐化してしまう恐怖の業界で頭を抱える毎日です。変幻自在のウェブ技術の千本ノックにどこまで耐えられるか。最近は、少しはコツもつかめてきてウェブの向こう側にいるヒトが意識できるようになりました。ウェブ解析士の勉強会「自社サイトをコストに終わらせないために」を開催してはや4年。お一人でも多くアクセス解析のヒントを持ち帰ってもらいたいと願っております。