登壇者が身に付けておくべき6つのスライド構成術

こんにちは、ウェブ解析士マスターの亀井です。

勉強会も20回を超え、延べ60名以上の方々が発表されました。

初めて発表される方は、自分の話がうまくいくかどうか心配されます。でも、心配はご無用。「それが知りたかった!」という人は必ずいます。一つのネタが全員にウケることは稀です。

ところが、全員が注目するような発表がたまにあります。人を惹きつけるのが上手な発表や印象が残るような発表です。私自身も人の前で話をする機会が多いので、「どんな発表が好まれるのか」の研究は欠かせません。

そこで、私が「これ、いただき!」と思った発表するときのテクニックを6つ紹介します

1. 聴衆を「自分ごと」のように感じさせる

普通に話をしていると一人称で話をすることが多いですよね。「私が」、「僕は」と言うように一人称で話をすることです。

聴衆を惹きつけるのが上手な人は、自分が言いたいことを参加者が聞きたいこととして言うことが多いです。「あなたが」、「みなさんが」というように二人称で表現するのです。具体例を示しましょう。

私はフォームの離脱率を下げるために◯◯◯をしてみました。

というような表現を、次のように二人称で言い換えるのです。

みなさんがフォームの離脱率を下げるために◯◯◯してみたらどうなるでしょう。

このような参加者を主体として話を挿入されています。

うまいやり方ですね。なぜ、それを聞かないといけないかということを理解させた上で話しをするので、聞き手の納得度が上がります。

一人称で一生懸命しゃべっているだけだと、発表テーマに興味がない場合は他人事のように聞いているだけになります。ちょっとした言い方の違いですが、テクニックとして覚えておくと良いと思います。

2. 効果的に自己紹介をはさみこむ

聞き手は発表者のプロフィールを聞きに来たわけではありません。

たまに、長々と自分のことを説明する人がいますが、時間をムダにしています。なぜなら、ほとんどの人は発表者のプロフィールはスライドの終わりとともに忘れてしまうからです。

自己紹介は、発表内容を効果的に説明するために必要な事項に限るべきです。

発表の上手な人は、冒頭にすべての自己紹介を入れるのではなく、説明の途中で小出しにして自己PRを組み込んでいます。

そうすると、聴衆の目はスクリーンから発表者に注意が移ります。確かに、その方が印象が残りますね。

事前に発表スライド構成を考えておくことが成功の秘訣です。

3. ご静聴ありがとうございますって必要?

多くの人が「ご静聴ありがとうございます」というスライドを使います。私もたまに使っています(笑)。

でもよく考えると、ほとんどの場合、みんな「ご静聴」してくれてますよね。

私のこんなつまらん話を我慢してよくぞ聞いてくださいましたという感謝の意を表したいのなら、口頭で伝えれば十分です。上手な人ほどこのスライドを使わない傾向にあると思います。

最後のスライドは、聞き手がこれ以上スクリーンに注意する必要がないという緊張の解けるスライドです。同時に表示時間が比較的長いスライドですので、一番注目を浴びるスライドです。

そこに陳腐なフレーズだけではいかにももったいない! せめて、「○○をよろしく」や「次回の予告」、「自分への連絡先」といったことを記載することでネットワークを広げる工夫をしてみてはいかがでしょうか。

以前、書籍から引用したフレーズを発表の最後のスライドにしたことがあります。さっそく、参加者からその書籍を読んでみたいという意見があり、発表に余韻を残す効果がありました。

みなさんも最後のスライドを工夫してみてください。

4. 事前にリハーサルを

あるとき、発表の上手な方にお聞きすると「事前にリハーサルをしています」と言っていました。与えられた時間内で効果的に話しをするには練習が欠かせませんね。

何度もやっている場合はいらないでしょうが、初めて発表するネタは事前のリハーサルが必要です。

5. スライド操作の注意ーどうしても枚数が減らせない…

私の主催する勉強会では、持ち時間が40分程度です。スライド1枚の説明を2~5分として枚数を計算すると、表紙と最後を除いてだいたい20枚くらいが適度な枚数です。

たまに、多くのスライドを用意する人がいますが、画面操作に手間取ることも考えられ、スムーズに発表が進まない可能性もあります。

「枚数が多くても適当にスキップすればよい」と考えているのかもしれませんが、それならばスライドをわざわざたくさん作る必要がありませんよね。

「どうしても枚数を減らせない!」という場合は、注意することが2つあります。

1つのネタでも時間に応じて「複数のスライドを用意」

演者になって話し始めると、つい、スライドの表示する順に話をしてしまうものです。「事前にスキップしよう」と思っていたスライドもサービス精神を発揮して説明してしまうことが多々あります。

そうなると時間が不足してきます。

制限時間が近づくと早口になったり、最悪の場合は時間切れとなったりして、中途半端なところで終わりとなってしまいます。せっかくの発表内容も聴衆の理解が不十分なまま終わってしまう恐れがあります。

これを防ぐには、あらかじめスライドを非表示にしておくか、発表時間別に資料を用意しておくことです。

たとえば、同じネタを1時間でやるのか、30分でやるのかによって、2種類のスライドを用意しておく方法です。これだと、ストーリーが切れないのでスムーズに説明できます。
ただし、1時間用のスライドを使って30分で発表してはいけません。先の理由で、失敗する危険性が高くなります。

スキップするスライドは「言いたいことを補完する」

画面をスキップすると、聞き手はストーリーがわからなくなってしまいます。

スライドはもともとストーリー順に並んでいることが多いので、途中でスキップされると見ている側の思考が中断します。

スキップするスライドは、単なる参考資料などで「言いたいことを補完する」ようなものに限定したほうがいいと思います。

6. 配布資料を節約

とあるセミナーに出席した際に感心したことがあります。その方の配布資料は、A3用紙に9スライドを両面印刷していたのです。

つまり、18スライドですね。表紙と最後を除くと説明するスライドは16枚。1スライドあたり、3~4分の説明でちょうど60分でした。

「何を感心したのか」というと、A3用紙なので半分にするとA4用紙の大きさになってファイルがしやすく、しかも配布資料は1枚です。また、A3用紙という大きさなので、スライドがしっかり読めるのです。

計算すると、1つのスライドの大きさは、99mm×140㎜。官製はがきのサイズが100㎜×148㎜ですから、ちょうど同じくらいですね。

ご本人に聞くと、印刷の都合もあって最初から18枚と決めているので、発表内容の構成を考えるときもわかりやすいとのことでした。

一般家庭のプリンターではA3を印刷するのは厳しいけれど、大型プリンターならA3用紙の9分割印刷はさほど難しくはありませんね。「これはいただき!」と思いました。


以上6つの発表テクニックを紹介しました。ぜひ参考にしてみてください。

※ツールは全員がパワーポイントを使っていますので、「スライド」とはパワーポイントのスライドという意味を指します。

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亀井 耕二
気がついたらウェブ解析士のセンセイをしてもう5年。せっかく学んだことが2年ほどで陳腐化してしまう恐怖の業界で頭を抱える毎日です。変幻自在のウェブ技術の千本ノックにどこまで耐えられるか。最近は、少しはコツもつかめてきてウェブの向こう側にいるヒトが意識できるようになりました。ウェブ解析士の勉強会「自社サイトをコストに終わらせないために」を開催してはや4年。お一人でも多くアクセス解析のヒントを持ち帰ってもらいたいと願っております。