2017年上級ウェブ解析士のカリキュラム改訂について【中編】~清水誠氏が監修、田中友尋氏が開発したフレームワークとは?

こんにちは。代表理事の江尻です。

前回は、2017年上級ウェブ解析士のカリキュラム改訂について解説しました。具体的にどのように改定されたのか、変わった点7つのうち、今回は3つを紹介します。

清水誠監修のもとウェブ解析士マスターが再構成した2017年度カリキュラム

2016年から顧問をお願いしたコンセプトダイアグラム提唱者の清水誠さんに監修を依頼し、全面的な見直しを行いました。2016年1月から月1~2度のSWAC委員会(Senior Web Analytics Consultant 上級ウェブ解析士委員会)を開催し、内容を徹底的に議論しました。

清水顧問のコンセプトは次の通り。

「上級ウェブ解析士は手を動かせる人であること」
理屈や知識しか知らない上級ウェブ解析士に存在価値はない。コンサルならばちゃんと手を動かしてカスタマーアナリティクスができる人でなければならない。

それを育てるカリキュラムを再構成するという厳しいハードルでした。

このハードルをどう実現するか、委員会で議論を重ね委員会の指導のもと、多くのウェブ解析士マスターの協力もいただきました。

カリキュラムのデザインやテンプレートも現在講座を開設しているウェブ解析士マスターによる改良を行った結果、2017年度のカリキュラムは、受講生が手を動かしマーケティング計画書、レポートもステップ定義する講座に生まれ変わったのです。

①最新の「コンセプトダイアグラム」を学べる唯一のカリキュラム

清水誠顧問提唱の「コンセプトダイアグラム」はサイトの全体像を明らかにするために、どんなユーザーが、どんな経路で訪れるのかを整理し、さらに、サイト上の目的を達成するために、どんなコンテンツや機能が必要なのかを図に整理したものです。

ウェブ解析士協会でも、上級ウェブ解析士の講座で必ず学ぶ教材として準備していました。

SWAC委員会では、あるべき姿のコンセプトダイアグラムを求め議論を繰り返し、2017年度版コンセプトダイアグラムを開発しました。

清水誠顧問も「コンセプトダイアグラムはさらに進化し、わかりやすいものとなった。ウェブ解析を志す人には最新のコンセプトダイアグラムをマスターしてほしい」と改良されたコンセプトダイアグラムを評価しています。

改良後、加わったのが、「ゴールおよびステップの立て方」「ピットフォールの重要性」の二軸の立て方です。

進化したコンセプトダイアグラムは、2017年1月から正会員・法人会員にのみ公開予定です。まず事前課題動画で学んでいただきたいです。
(※上級ウェブ解析士講座の内容と事前課題について、以下の動画も参考にしてください)

②デジタルマーケティングに特化した独自のフレームワーク“コンセプトワーク”を開発

いままでの上級ウェブ解析士では、3Cや4Pや5Fなどのビジネスモデル分析に加え、ペルソナの設定、カスタマージャーニーマップの作成を通してSWOT分析に落とし込む、という内容になっていました。さまざまなフレームワークを学ぶことができました。
当初からビジネス分析で使っているフレームワークが本当にウェブ解析士の事前課題に最適か? という疑問がありました。加えて、これらフレームワーク分析は、どれもレッドオーシャンで競争優位性を見つけていく分析です。

もちろんこの考え方も大事ですが、ウェブ解析士で何より大事にしているのは「新たな市場を創造し、独占的な優位性をもつブルーオーシャンを発見」することです。

そこでゼロベースでブルーオーシャンを発見するためのフレームワークを開発しました。

ウェブ解析士マスターでウェブ解析士協会の理事でもある田中 友尋さんが中心となり、全く新しいフレームワークをゼロから開発したのが「コンセプトワーク」です。

このフレームワークで分析すればユーザ視点で自社が何を求められているか方向性を知ることができます。コンセプトワークは20ページの事業分析シートから成り、マーケティングゴールを意識しています。

③研究題材で自社やクライアントのウェブサイトの分析が可能に

いままで上級ウェブ解析士はウェブ解析士同様、分析対象やレポート対象は「ウェブ解析士協会」のウェブサイトに限られてきました。受講生の多くから「せっかくなら自社やクライアントのウェブサイトの改善で設計やレポートを学びたい」という要望がありました。

そこで今年からは、自社やクライアントのウェブサイトも分析対象として選択できるようにしました。
自社やクライアントのウェブサイトで修了すると、上級ウェブ解析士の資格を取得すると同時に、コンセプトワーク、コンセプトダイアグラム、ウェブマーケティング計画書、ステップ定義およびウェブ解析とマーケティング改善提案が一通り揃います。

ただ、受講前にクライアントと秘密保持契約書の締結が必須です。そこは注意してください。そして、自社やクライアントのウェブサイトを題材に受講するときは相応の覚悟がいります。

というのも、上級ウェブ解析士のカリキュラムには、ステップ定義に基づいたカスタム変数(eVerやprop、カスタムディメンションやカスタムメトリクス、データインポートなど)の定義が求められるし、タグマネージメントツールの実装やイベントの定義・自動化などがないと修了レポートで十分な点数が取れないからです。なので、資格取得という部分では難しさがあるということが言えます。

しかし、良い点は自社やクライアントのウェブサイトに必要な技術的な設計を上級ウェブ解析士の講座が修了するまでに学べる、設計できるということです。

さらに、タグマネージメントツールの実装というような技術的なことが苦手な人でも、エキスパート講座のマーケティングテクノロジスト講座でタグマネを利用した高度な設定を一通り学べるよう準備中です。そこは配慮していくつもりですので、心配事など何かありましたらお問合せいただけましたらと思います。

残りの4つは、次回紹介します。

上級ウェブ解析士を受けてみたい方はこちら
【上級ウェブ解析士認定講座 開催スケジュール】
https://www.waca.associates/jp/learning/course/higher/schedule/
【上級ウェブ解析士 認定講座】※概要・カリキュラムなど
https://www.waca.associates/jp/learning/course/higher/

江尻 俊章さんの他の記事

江尻 俊章
WACA一般社団法人ウェブ解析士協会代表理事 2000年、株式会社環を創業、2016年株式会社 環 取締役会長退任。業界ではもっとも早い時期からアクセス解析に着目し、アクセス解析を軸にしたコンサルティングを行っている。 アクセス解析ASPサービス「アクセス刑事Pro」、「シビラ」を自社開発、運営、アクセス解析からエリアマーケティングを行う「エリアレポート」を提供している。 著書に「稼ぐホームページ損なホームページ―アクセス解析で一発判明!」「繁盛するWebの秘訣「ウェブ解析入門」 ~Web担当者が知っておくべきKPIの活用と実践」がある。