デジタル時代に求められるコミュニケーションとは?~ウェブ解析士会議「稼ぐための武器を手に入れる」予習編

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ウェブ解析士マスターの榎本です。

今回は時代の変化を捉え、これから求められるコミュニケーションとは何か?
そしてその実践におけるポイントをお話します。

生活者の情報接触の変化

以前より頻繁に話題に上がる事項として情報洪水時代が挙げられます。

メディアの多様化、ソーシャルメディア(以下、SNS)の台頭によって生活者の情報発信増加し、世の中に流通する情報量は、我々が処理できる情報量をはるかに上回り99.9%の情報がスルーされる時代となりました。

メディア接触時間では携帯・スマートフォンの時間が大きく伸び、信頼する情報源において「知人からの推奨」「インターネット上の消費者のクチコミ」などの重要が高まっています。TVや雑誌などのマスメディア、日常接触しているWebメディア、SNSでフォローしている人、リアルな友人・知人など複数メディアによる情報収集、多面的な「イイね!」でお墨付きを獲得し購買活動に至るように変化してきています。

マーケティングはファネル型から循環型へ

オプト・インテージの共同調査にて広告主が抱える課題を調査したところ、
62%の広告主が「商品特長を伝えることが困難」であり、
67%の広告主が「サービスの差別化が困難」と回答しました。

成熟する市場のなかで、突出した商品やサービスの差別化を行うことが難しく、大手企業のように広告費を大量投下することが難しい企業は、どのように対策を講じれば良いでしょうか。

注目すべきは、生活者にとっての価値変遷です。

モノやサービスにおける差別化が困難な中、昨今モノ消費から経験や体験が付加価値となるコト消費が拡大し、さらにSNSの普及以降、発信・共有への欲求、SNS映え、SNSウケを狙うネタ消費が拡大傾向にあります。

企業はSNSを活用し、生活者にとって必要な情報、お得な情報、共感できる情報を届け、ファンを創出し、交流をすることで情報洪水に埋もれない関係値を築くことが重要です。

この関係値こそが商品・サービスによる差別化が難しい中で購買を後押しするポイントです。
交流を通じて生活者を自社のファンに育てることにより無関心層には気づかれない商品やサービスの細やかな特性を認識してもらえることが考えられます。

また、生活者による発信力が高まり、マーケティングの主導者が生活者となる中、自社ファンに対し小さな自慢を発信・共有できる場づくりを行うことで、ファンから家族・友人・知人へ情報が伝播し、消費行動に影響を与えます。

これらのことから、これまでのマーケティングは認知から購買までをファネルで捉えていましたが、これからは循環型のマーケティングの実践が求められます。
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循環型では第一の接点は広告などで生活者とのつながりを形成し、SNSやオウンドサイトを活用し交流を行うことにより関係値を築きます。

関係値が醸成され日ごろから、御社の情報に接触していた生活者は購買動機や意欲が発生したタイミングで購買に至り、一部の消費者が商品やサービスのファンとして周囲に情報を共有します。
その発信がもととなり新たな生活者とのつながりが生まれるサイクルが循環型のマーケティングです。

この循環型のマーケティングを実践するにあたり課題となるのがKPI設計です。

今までは明確に流入ユーザーの購入や申込みなど明確なCV地点がありましたが循環型のマーケティングにおいてどのように施策を評価し、PDCAをまわしていけばいいでしょうか。

循環型マーケティングにおけるKPI設計

循環型マーケティングの実践においては交流を通じて関係値を築いていくことから、ユーザー単位の関係値の深度を計測します。

<KPI例>

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KPIの計測に当たっては、SNS上でオウンドサイトに来訪させるようなコンテンツを設置し、Cookieを付与することで、様々なリサーチとの紐づけが可能となります。

リサーチによりオウンドサイト来訪数、来訪後の滞在時間やページ閲覧状況とKPIとの相関性をスコア化することで、購買意欲の高い生活者や周囲へ推奨・拡散してくれる消費者を増やす施策を講じていきます。

また、ポイントカードデータやクレジットカード情報などと紐づけを行えばSNSやオウンドサイト来訪ユーザーの購買単価が非来訪ユーザーと比較していくら高いかどうか、また、購買単価を上げるにはどのようなコンテンツが最適か、分析・検証が可能です。

実際に私が関わる企業においても、SNSでつながっているファンは、つながっていない消費者に対し一人当たり売上が2倍高いといった実績も出てきています。

今まで「とりあえずSNS」「なんとなくSNS」をやられていた企業は2017年循環型マーケティングにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

次回は、2017年2月25日(土)開催のウェブ解析士会議VOL.4にてお話しします。
クライアントの得たいビジネス成果の構造分解、提案の幅を広げるために、どのようなKPIを設計すべきかなど、提案力を上げるためにおさえるべきポイントを企業事例を交えながらご紹介しますので気になる方は是非お越しいただければ幸いです。

▼イベント公式ページ
http://waca.associates/meetup/vol04/


※参考情報
・ニールセン「日本人はどのようなメディアを信頼するのか、若者が共感できる広告のテーマはなにか」
http://www.netratings.co.jp/email_magazine/2015/10/20151029.html

・博報堂DYメディアパートナーズ「メディア定点調査・2016」
http://www.media-kankyo.jp/wordpress/wp-content/uploads/HDYmpnews20160620.pdf


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榎本 佳代

株式会社オプト ブランド戦略部 部長。2007年オプト入社、流入施策からサイト改善、CRM施策まで全体最適・統合管理を推進するダイレクトプロモーションの部門責任者を経て、2015年よりデジタルを活用したブランディング支援の責任者として部門の立ち上げを行う。メディア・生活者の環境が変化している中で、従来のマスメディアとデジタルの統合計測・効果の可視化・最適配分などに取り組む他、メディア、生活者の環境変化に合わせたブランドコミュニケーション支援に従事。