カーディーラーのビジネスに貢献するためのWebサイトとは

ウェブ解析士マスターの服部です。株式会社プランオンで代表取締役をしています。

前回の「 Webサイトの制作業者を選定する際に失敗しないために知っておきたい3つのこと」では、カーディーラーWebでよくある失敗事例を紹介しました。

今回は「『どのように意思決定』をして、『どういうWebサイトを持つ』と、カーディーラーの売上向上、ビジネスに役に立つのか」を考えてみたいと思います。

目次

「リニューアルの制作が上手くいっているか不安……」そのような担当者が多い

先日、いままで取引のないカーディーラーの本社より電話をもらいました。

お話を聞いてみると、「すでにWebサイトのリニューアルが進んでいる。だけど、「本当にこのままでいいのか」と、会社として不安になってきた」という内容でした。
すでに走り始めているプロジェクトなのに、「Webサイトリニューアルの制作は進んでいるかが不安」ってありえない状況です。

なぜ、そうなってしまったのでしょうか?

「販促プロジェクトの違い」に注意する

カーディーラーの販促プロジェクトには、2つあります。それぞれに意味や目標も違うので注意が必要です。

1.短期プロジェクト……チラシやDMは「今週末」の成果を求める

「今週末の集客に使いたい!」といった特定の期日の販促に使われることが多いでしょう。カーディーラーでチラシやDMを作る場合は、「企画~制作~印刷~実施」と2週間ほどで進めていきます。

実施検証も行いますが、チラシやDMの場合は、キャンペーンや内容によって違うものをどんどん作っていくことが多いです。

例えば、「新車発表会」「夏の感謝祭」など特定の期日に向かって販促ツールを制作します。実施後は、「契約台数」「ホット客A数」「ホットB数」、「A層からの来店数」「B層からの来店数」などの数字を検証。しかし、改善もそこそこで、また次の企画に移っていきます。

2.長期プロジェクト……Webサイトは時には「数年後」の成果が必要なことも

Webサイト構築は、長期プロジェクトです。しかしながら、カーディーラーでは、チラシやDMなどのように、「短期的な制作物」を作るような感覚でWebサイト構築を進められている状況です。

カーディーラーにおけるWebサイトには、「新車」「中古車」「サービス」「会社概要」「採用関連」「店舗情報」などの項目が必要です。現場のスタッフは、「多くの部門と議論しなければならない。だから構築には時間がかかる。さらに原稿の準備や内容の確認で、完成までに半年ほどかかるから、それだけで大変だ・・・」となってしまっているのが現状です。

しかし、みなさんはご存じのとおり、Webサイトとは、企画・構築・公開、そしてその後の「運営をうまく実施する」ことによって、長期間で価値を感じることができるのが、Webサイトの特性ですが、それがカーディラーの現場では理解されていません。

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カーディーラーのWebサイトを利用するお客さまとの接点は、上記にもあるとおり、

「来店前」「来店後」「商品検討」「購入方法検討」「アフターサポートの確認」と、何度もあります。

実際はこのように理想的に「ホット客化」していくお客さまは多くはないですが、契約につながる、重要な価値あるお客さまです。

しかし、このようなお客さまを想定して、Webサイトを作っているケースは少ないと感じています。カーディーラーのWebサイトでも、「どういう価値のWebサイトにするか」という戦略が必要です。多くのWebサイトのように「公開」がゴールのWebサイトにならないように注意しましょう。

構築前に考えよう!Webサイトの価値

では、Webサイトを構築する前に「Webサイトの価値をどのように設定すればいい」のでしょうか?

この価値を設定するにあたって、カーディーラーの新車部門の担当者に話を伺ったところ、次のような2つの状況が見えてきました。

状況①

カーディーラーに来店したお客様は、来店前にWebサイトで2社ほど比較検討を行っている。

この状況からWebサイトに「競合比較・来店誘導」という目的を設定できます。

状況②

車の契約を考えているお客様は、サービス関連のコンテンツを見てメンテナンスパックが本当に得なのか、どうなのか? ということを確認している。

この状況からWebサイトに「商品提案・営業支援」という目的を設定できます。お客様がセールススタッフには、聞きにくいことを調べていると考えられます。

目的を踏まえてWebサイトを構築する

チラシはもっても2週間程度しか持続力がないので、そもそもWebサイトとチラシではメディアとしての性質が違います。「継続価値」を意識していかないと、とてももったいないことになります。構築した時点がゴールになってしまうと、価値を感じることができません。

Webサイトは公開してサイト自体に力があると、毎月、同じような状況を作りだせます。サイトへのアクセス数を維持できるようになると、お問い合わせや資料請求もある程度安定して獲得できるようになっていきます。

これを、「継続的な価値」と考えます。

目的をしっかりとWebサイトに落とし込み、お客様の状況に応じたストーリーを作るとサイト自体に力がでてきます。ではWebサイトではどのような目的で価値を作っていけばいいのでしょうか?

 

状況①対策:「車種vs車種」「店舗vs店舗」なのか

「競合比較・自店舗来店誘導」目的

「車種vs車種」

商品力の戦い、メーカー間の戦いになるので、カーディーラーで解決できないことも出てきます。

「店舗vs店舗」

同一メーカーのクルマを「どこで買うか」の戦いになります。

「店舗vs店舗」の要素は絶対、他店に勝ちたいはずです。自店舗の魅力や特徴を最大限にアピールする必要があります。しかし、多くのカーディーラーのWebサイトではクルマの情報しかでていないのが現状です。

状況②対策:メンテナンスパックが本当に得なの?~サービス関連のコンテンツ

「商品提案・営業支援」目的

お客様がサービス関連のコンテンツで、セールススタッフには聞きにくいことを調べていると考えられます。

セールススタッフからは、店舗でメンテナンスパックの「メリット」話をされるが、そのサービスを完全に納得していないお客様も多いからだと考えられます。そういうお客様の次の行動はというと……帰宅してから、「購入検討先のWebサイト」または「競合のWebサイト」でサービス関連の情報を調べています。「競合のWebサイトの情報」で納得・理解されたら、まずいですよね・・・。

しかし、セールススタッフは、来店時の説明で十分と勘違いしてしまっているケースが多いです。そういうことも踏まえユーザー行動への対応をWebサイトに反映させると対策ができます。

車購入者とディーラーは他の商材より接点を持つチャンスがたくさんある

車購入者とディーラーは他の商材より接点を持つチャンスがたくさんある

ちなみに、カーディーラーの場合、お客様とWebサイトのとの接点は、クルマ検討期からアフターサービスも含めた保有期までと長期間なんです。

まとめ

「現状販促の効果がない。急にWebサイトから問い合わせを増やそう!」と鼻息あらくおっしゃる方もいます。Webに関わる人間にとっては、うれしいことです。

しかし、「チラシがダメだから、ネットを使おう!」といった感覚でWebサイトを作るのは要注意です。

現状は、Webからの来店より、紙媒体やDMなどをきっかけが多く、カーディーラーの販促は、さまざまなメディアを効果的に組み合わせていくことが必要です。

様々なニーズをもつお客さまにWebサイトはで何を行うのか?

会社方針、営業方針により、重要施策は違ってきていますが、固定費カバー率向上はカーディーラーの共通課題です。アフターサービス期の情報発信はしていますか?

他社のキレイなWebサイトを真似るのでなく、「自社ビジネスに役立つWebサイトは何か?」をよく考えることが大切です。

次回は、「役に立つカーディーラーWebサイトって何?」について考えたいと思います。

日刊自動車新聞社より本を出版しました

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

服部 淳(はっとり じゅん)株式会社プランオン 代表取締役。著書「クルマが売れる提案活動!」得意領域は、「店舗集客力向上」「商談力向上」「リピート向上」など戦略的プランでクライアントをサポート。自社で通販サイトを運営することで、webマーケティングノウハウを蓄積し、クライアントへ有効施策を提供していきます。企業パートナーとして「お客様のニーズに応え、課題を解決(=業績アップ)する」ことを大切にしています。

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