Webサイトの制作業者を選定する際に失敗しないために知っておきたい3つのこと~カーディーラーのサイトで見えたこと

ウェブ解析士マスターの服部です。株式会社プランオンで代表取締役をしています。

前回は、「中小企業の広告会社がなるべく競争をせずにビジネスができるポジショニング」として、当社を例にご説明しました。前回のコラムを読んでいただいた方には重複になりますが、当社はズバリ「カーディーラー」のみを対象とした一点特化の広告会社です。

その結果として私は、本を出版するにことにつながりました。

今回から数回に渡り、「カーディーラーのWebサイトについて」という内容でコラムを掲載していきたいと思います。今回は「Webサイトの業者を決めるときのあるある話」を紹介します。

みなさんの中にも似たような経験をされている方もいらっしゃるかもしれません。そして中小企業の広告会社や販促会社によくあることかもしれません。ただ、今回は当社で実際あるケースです。

目次

Webサイトの制作業者ってどう決めている?

ますますカーディーラーではWebサイトを有効活用していく時代だ

カーディーラーでWebサイトを決定するときには、よくプレゼン方式によって決定されるケースが多いです。

Webサイトの制作業者を決定するとき、各社がプレゼンをして、その内容から判断するのが一般的な決め方でしょう。しかしこの決め方では「正しい視点で選考が行われている」とはいい難いと感じています。

提案側は「自社の得意なことや特徴」を最大限PRしますので、各社を比較するのが難しいこともしばしばあります。これから、ますますカーディーラーはWebサイトを有効活用していく時代なので、今までの失敗を繰り返さないようにしないといけません。そこでよくある失敗する決め方を3つ挙げ、失敗しないための蘇生術も紹介します

①価格を重視して選考した場合

予算内でWebサイトを作れたが、なぜか魅力のない内容になっていたり、電子カタログのようになったり……。

本来は、Webサイトは「誰に、どのようなメッセージ」を発信するかが重要です。
安さばかりを追及するあまり、今ある情報をWebに掲載して終了となってしまいがちです。何のためにWebサイトを作るのかという目的に対して「何をすべきか」が抜け落ちています。

更新する仕組みは作れたが、肝心のコンテンツが自社では作れない、時間が足りない、予算もない……。

「自社で更新したい」という意向は多く、ランニングコストを考えていくうえでも、大切なことです。

しかし、カーディーラーのWebサイトでは「新車情報」「サービス情報」「各種キャンペーン」「スタッフ紹介」「店舗情報」自社で更新する部分は意外と多いもの。予算が限られているなかで、自社で運営するための更新システムに費用を取られ、肝心のコンテンツに予算が割けなくなってしまいます。

本来は自社で作る部分と外部にお願いする部分を設計してから、オーダーしないといけません

コンテンツはどのくらい社内で作るのか、外部に作ってもらう場合どのくらいお金がかかるのかも考えておかないと、更新する仕組みがあっても活用できないことになってしまいます。

②デザインを重視した場合

他社よりもいいデザインのWebサイトができて満足! でも、アクセスがない、スマホやタブレットで使いにくい……。

カーディーラーのWebサイトを決めるときは、役員、営業部長、サービス部長、中古車部長、採用を行う管理や総務部長、そして企画部門の面々です。総勢10人くらいで意思決定を行います。

そんなとき、一番違いがわかりやすいのはデザインです。「これは、イメージがいいよね!」「笑顔の写真をたくさんいれたいね!」といった意見が面々から出ます。

もちろんイメージは重要な要素です。しかし、それだけで決定してしまうと「写真ばかりで内容が薄いWebサイト」、「PC表示では綺麗でもスマホでは使いにくいWebサイト」が完成してしまいがちです。

本来は、アクセス解析データから、利用しているユーザー層、使われているデバイスの比率などを把握し、構築していくべきです。「アクセス解析などのデータからの構築」と「勘と経験、そして思いからの構築」両方をうまく組み合わせることが大切です。

③上司の意向を重視した場合

上司には褒められた。満足でも、Webサイト立ち上げ後は、誰に向けて情報発信しているのだろう……。

上司の人間関係で、仕事を依頼することは多いと思います。ここで大事なことは、Webサイトの目的や運営方針が明確になっていることです。

提案側のコンセプトが重要視され、本来、自社が行うことが置き去りにされていることも多いです。

運営開始後、目的が不明確なので、「〇〇専務のつながりだから、遠慮してしまうんですよね…」なんて会話も耳にします。これは、制作会社、依頼した会社の両方が損してしまいます。

目的を明確に定めれば、人間関係でつながった会社なら、よきパートナーとして、目的に対して進んでいくことが、必ずできるはずです。

結びに

Webサイトを失敗に導くよくある3つの決め方を紹介してきました。前述しましたが、サイトを作るときは、現状のサイトのアクセス状況を把握して、「誰に、どのように、どれくらい」使われているのか把握もして、作るようにしています。

最初にも書きましたが、こういうことは中小企業の広告会社の方も経験していることかもしれません。何かの参考になればと思っています。

次回は、「カーディーラーにおけるWebサイトの価値」について考えたいと思います。

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

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この記事を書いた人

服部 淳(はっとり じゅん)株式会社プランオン 代表取締役。著書「クルマが売れる提案活動!」得意領域は、「店舗集客力向上」「商談力向上」「リピート向上」など戦略的プランでクライアントをサポート。自社で通販サイトを運営することで、webマーケティングノウハウを蓄積し、クライアントへ有効施策を提供していきます。企業パートナーとして「お客様のニーズに応え、課題を解決(=業績アップ)する」ことを大切にしています。

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