ウェブマーケ初心者がウェブ解析士になって得たメリットと、資格を活用するために努力したこと

Pocket

上級ウェブ解析士の遠山です。普段はバンクーバーで学生兼フリーランスという立場で生活しつつ、ブログ『UNIQUE EXPERIENCE』や、日本酒情報サイト『うまさけ』を運営しています。

さて、この記事を見ていただいている方の中に、「ウェブマーケターになりたい」という方はどの程度いらっしゃるのでしょうか。「最近ウェブマーケティングをすることになったけれど、正直まだほとんどウェブの知識がない」という方、いらっしゃるのではないでしょうか。

tohyama_1025_1

胸を張って言うことではありませんが、約5年前の私が、まさにそんな感じでした。

新卒で前職のデジタルエージェンシーに入社した際の私には、ほとんどウェブの知識がありませんでした。一方で会社の先輩は、ウェブデザインやプログラミング、ユーザーエクスペリエンスのプロフェッショナルばかりで、ウェブ初心者の私との差は比べるまでもなくとてつもないものでした。

「早く対等に議論したい」とは思いつつも、何から始めれば良いのかお手上げ状態だったんです。

ウェブマーケ初心者にとって、ウェブ解析士資格のメリットは大きかった!

そんな私とって転機となったのが、入社1年目の終わりにウェブ解析士資格を取得したことでした。
私がウェブ解析士資格を取得して感じたメリットは、端的に言うと5つに分けられます。

  1. 解析を武器にすることで、意見(企画)が主張しやすく(通りやすく)なった
  2. 解析データから、多くの”自分だけが知る事実”を発見できた
  3. 「ウェブ解析士」として社内に認めてもらえ、自分のキャラ付けができた
  4. 名刺交換の際にその場でプレゼンできるようになった
  5. 似たような課題に取り組む、他社の知り合いができた

それぞれについて、少し詳しく語らせてください。

1. 解析を武器にすることで、意見(企画)が主張しやすく(通りやすく)なった

ウェブマーケティングにウェブ解析を取り入れることには、いくつかのメリットがあります。
そのひとつが「根拠あるマーケティング施策が行えるようになる」ということです。

tohyama_1025_2

tohyama_1025_3

上の二人は極端・・・ではありますが、同じ人がAの企画とBの企画を提案したとすると、やっぱり好まれるのはBの企画です。Bの企画にはロジックがあり、施策によって期待できる効果が具体的に提示されているからです。

私はウェブ解析士の資格取得を通して、このBの企画ような考え方を学ぶことができたと実感しています。ウェブ解析士資格は、各種解析ツールの使い方をマスターするためのものではなく、マーケティングにおけるロジックを学ぶものでした。
そして、このように企画の根拠を示せるようになったことが、私のその後の企画考案時に役に立ったということは、言うまでもありません!

2. 解析データから、多くの”自分だけが知る事実”を発見できた

解析士になると、様々なサイトのアクセスデータを見ることになります。そういったデータの中には「今、直接的には施策に使えないけれど、面白い」というようなデータもあります。

例えば、商品Aを自分がマーケティングしているとして、自社サイトへの流入クエリを見ると「商品A 商品B(他社製品) 比較」というものが非常に多いということがわかったとします。

tohyama_1025_4

ユーザーの利便性を考え、クライアントに「他社製品との比較コンテンツを作りましょう」と提案してみることはできますが、大体の場合ブランド企業は、自社のブランド製品とライバルブランドの製品を自社のサイトで比較するなんてことをしたがりません。
でも、公式サイトにそのクエリでの流入が入ってきてしまっているということは、そこに満たされていない需要があるということになります。

tohyama_1025_5

ここから何をするかは発見した解析士次第だと思いますが、私はこういうデータを見るたびに「消費者は結局、最後は似た商品同士で比較した上でよりいい方を買いたいだけなんだろうな」「こういうニーズを比較サイトが全部吸収しているのか、恐ろしい」「個人でやるレベルなら、ニッチな商品でならまだまだ比較サイトでも勝負できるんじゃないか」みたいなことを考えていました。

直にデータに触らせてもらえるポジションだからこそ、実感を伴っていろんなアイデアが生まれる。これもウェブ解析士になるメリットだと思います。

3. 「ウェブ解析士」として社内に認めてもらえ、自分のキャラ付けができた

ウェブ解析士の資格を取ったことによって、私は自分を「解析士キャラ」としてわかりやすく売ることができました。正確には自分で売り出したというよりも、勝手に周りからそのように認識してもらうことができるようになりました。

会社で「◯◯ならアイツだよね」というキャラを確立することは、言うは易く行うは難しですが、私の場合は当時社内に解析を武器にしている人がいなかったため、うまいことそのポジションを掴むことができました。

tohyama_1025_6

キャラ付けに成功したことで解析の仕事をたくさん経験させてもらい、更に自分でも勉強して改善していくことで、だんだんウェブマーケティングビギナーから脱出することができました。

もちろん、アクセス解析は資格がなくてもできる仕事ですが、未経験の人がキャラを確立して仕事を回してもらいやすくするきっかけとしては、この資格を持つ効果はとても大きいと思います。

4. 名刺交換の際にその場でプレゼンできるようになった

私は名刺に「上級ウェブ解析士」と記載していました。すると、名刺交換をする際に多くの方が「ウェブ解析士って、なに?」と聞いてくださいました。
私が資格を取得してからこれまでの期間に、ウェブ解析士資格もだいぶ有名になってしまったので、そろそろこのメリットは薄くなってきているのかもしれませんが、名刺に「上級ウェブ解析士」と書かれているのを見たクライアントやパートナーさんの多くが、この資格について質問してくれました。
「なに、ウェブ解析士って?」と聞いてもらえたら、そこから解析士資格の話をしつつ、解析の重要性についてピッチを繰り広げるんです(笑)これが、自分を売り込むきっかけづくりとして重要な役割を果たしてくれました。

5. 似たような課題に取り組む、他社の知り合いができた

どんな仕事でもそうでしょうが、同業他者にネットワークがあると心強いですよね。なにか課題に直面した時に、相談に乗ってもらうことができます。もちろん、守秘義務に関わる直接的な内容は伏せて、です。

tohyama_1025_10

ウェブ解析士のメーリングリストでは時々、解析関連の質問がある人がリストにメールを投げ、それに回答が「バババッ」と寄せられるなんて光景が見られます。私は質問したことも回答したこともありませんが、こういうネットワークは心強いなといつも思います。
また、定期的に全国で開催されるウェブマーケティング関連のセミナーに行くと、たいてい解析士仲間が集まっているもので、そういった場でも色んな情報共有が出来るのはとってもありがたいです。

資格によくある落とし穴

資格って恐らく全般的にそうですが、取るだけで終わってしまうとなんの意味もなくなってしまいます。

自動車免許でさえ、取得してしばらく運転しないとペーパードライバーになってしまい、せっかくの免許取得費用や免許取得にかけた時間、努力が無駄になってしまいます。

tohyama_1025_7

ウェブ解析士もそれは同じで、取ったら使わなければ意味がありません。実務として解析をして、初めて資格を活用できると言えます。しかし、残念ながら資格取得者の全員が全員、実践での解析の場を与えられるわけではありません。特に「これからウェブマーケターとして仕事を得たい」というような人の場合、資格だけでなく「実務経験」を入社基準に求める企業も存在しており、企業に入りたくてこの資格を取得した人は、負のスパイラルに陥ってしまいます。

tohyama_1025_8

そんな、なかなか実戦経験を積めないでいるウェブ解析士ビギナーの方から、勉強会などで「どう実戦経験を積めばいいですかね」と相談された際に、いつも私は「自分でブログを始めてみてはいかがですか」と答えていました。
私自身、会社の案件でいきなりで実践できないことは、自分のブログで自由に試してから実践するようにしていました。「解析タグの入れ方」のような技術面のことから、「このデータの傾向ならこの検索ワードを狙うといいかも」というようなSEO系の実験まで、全て自分が自由に使えるブログという環境で試行錯誤してきました。
ウェブマーケティング初心者がサイトを0から作るというのはなかなか容易なことではないですし、個人ブログとはいえライティングだって人によってはハードルが高いと感じてしまう人もいると思いますが、別に最初から完璧じゃなくて全然いいのです。

アメブロでもライブドアブログでもBloggerでもいいので、まずは自分の場所をオンラインに持つことから始め、そこに何か自分の好きなものをテーマにしたコンテンツを載せていくと、しばらくすると自分が思いつきもしなかったようなニッチなクエリで検索流入が見られるようになるはずです。

tohyama_1025_9

そうしたら今度は、何でそのクエリでの流入が発生したのかを考えて、リサーチしてみると、意外に世間の需要と供給の間にギャップのあるニッチな市場が見つかったりするものです(解析士として、意地でも見つけるのです!!笑)

この分析&改善活動こそ、解析士のお仕事です!自分のサイトで実戦経験を積んでいけば、就活でも転職でもその経験を話すことができるようになるでしょう。
短期間で必ず成果が出るとは限りません。ちょっと腰を据えて、1〜2か月毎日更新すれば何かは見えてくるはずです。

Googleアナリティクスをサイトに設置するのを、忘れないようにしてくださいね!

ウェブ解析士資格を、取得すべき?すべきでない?

実は以前、ある個人ブログにて「解析士の資格を取るくらいなら自分でウェブサイトを立ち上げてアフィリエイトで稼ぎ、それを実績に就職したほうがいい!」とおっしゃっている方がいて、そのブログは少し話題になっていました。
私はこの方の意見に、多くの面で賛成します。実績が作れるほどのスキルを既にお持ちの方は、先に実績を作ってしまうべきです。ただし、そのスキルがないような初心者の方のほうが大勢じゃないかと思います。ウェブ解析士の資格を取ることは、ウェブマーケティングをまずざっくり理解するためには効率的だと思うし、資格を取って横のつながりを作ったりしていくところを先に始めるのも悪くないんじゃないかなと思います。
あくまで、その人が資格を取得したい理由によって変わってきますが、私は個人的には、ウェブマーケティングについてほとんどわからない状態であれば、資格を取ったほうが結果的に近道じゃないかなという考えです。

まとめ

以上が、私が考える「ウェブマーケ初心者がウェブ解析士になって得たメリットと、資格を活用するために努力したこと」でした。

何か質問があれば、Twitterで@LeoTohyamaまで、あるいは資格のことなら解析士協会にお問い合わせしていただくのがいいのかなと思います。

なにか参考になれば幸いです!

なお個人ブログでは、本記事を読まれた方にも興味を持っていただけそうな次のような記事も書いています。よかったらご覧ください。

このウェブ解析士に相談する

Pocket

Leo Tohyama(遠山 怜欧)

2015年までの4年間、京都を拠点として、企業のコンテンツマーケティングとUXリサーチを支援。また、同時期に『NPO法人北欧ヒュゲリジャパン』にてウェブメディアの編集長を務め、日本テレビ系の情報番組『スッキリ!』にて同メディアが紹介される。現在はカナダの州立工科大学にてウェブ制作を総合的に学びながら、初心者のための日本酒サイト『うまさけ』を運営中。