大分の小さなお菓子屋さんのSNS運用事例について(後編)

こんにちは。ウェブ解析士マスターの中尾彩子と申します。

福岡の株式会社ソースクリエイトという会社でウェブ解析を用いたサイト制作やご提案をおこなっております。

今回は「大分の小さなお菓子屋さんのSNS運用事例」後編です。 前編では、SNS運用に至った経緯についてご説明しました。 後編では、実際の投稿内容やSNS導入したことによる業務内容の変化についてご紹介します。

 

目次

大分の小さなお菓子屋さん 「お菓子のありの子」

お菓子のありの子  http://www.arinoko.jp/

https://twitter.com/okashinoarinoko

お菓子のありの子Twitter

 

https://www.facebook.com/okashinoarinoko/

お菓子のありの子Facebook

 

広告戦略の変遷をまとめました。

下の図の通り、集客方法が各時代によって変わってきているのがわかります。

 

ウェブ戦略ロードマップ

nakao_161031_変遷図

ありの子のウェブ戦略ロードマップ

 

1.アナログ期

2012年に創業した際は、フリーペーパー、チラシやポイントカードなどアナログ中心の集客を行っていました。様々な媒体を使って、広告をしていましたが、自分たちのお客様が明確ではなく、費用対効果があまり良くありませんでした。

 

2.SNS開始

企業全体の課題を洗い出ししました。そこで知名度向上、集客の手段としてSNSを開始しました。現在はSNS専用スマートフォンを購入し、現場の写真を取って投稿を行っています。アナログ期は、写真や原稿を専門家にまかせていましたが、のちに自分たちでタイムリーに、現場の雰囲気を配信し始めました。

というのも、これには下記メリットがあります。

①自分たちで運用することで、新しい取り組みを考える。

②販売カレンダーを作成して、季節感や話題性を考えて投稿できる。

③写真の取り方を工夫し、何が反応できるかを自分たちでこまめに分析できる。

④なによりも、ダイレクトに顧客の反応が見える。

つまり、どんな商品、タイミングに、どんな投稿をすれば、反応がよいのか、トライアンドエラーができる。

 

もし、上記の解析や投稿を業者にまかせたら、分析だけで時間がかかる上に、費用が膨大になります。 自社でSNS運用・集客をやることで、自分たちなりの商品開発 ⇒ 写真 ⇒ 投稿メッセージ ⇒ フォロー ⇒ 口コミ拡散というサイクルを早くまわせるようになり、独自の運用体制ができあがりました。

 

3.ウェブ活用

2015年始に、SNS運用担当者が参画し、それまで得られたSNS上の情報を解析した結果、下記4点の改善施策を実施しました。

  1. 写真内容をバランス良く発信する
  2. SNS情報発信のルールを決める
  3. 役割を決める
  4. お客様の意見や反応から商品を開発する

<具体的内容>

1.写真内容をバランス良く発信する  → 焼き菓子ばかりだと画面が茶色くなるので、生菓子を中心に投稿

2.SNS情報発信のルールを決める  → 毎日三回はツイートする

①朝のイチオシ商品のツイート ②3時の定期ツイート ③オリジナルケーキのツイート

3.役割を決める

■現場担当者 ケーキや店の状況を撮影し投稿する

■営業 ツイートしてくれたお客様の情報をSNS運用担当者に伝える

■SNS運用担当者 お客様からのメッセージの対応 投稿内容のコントール

4.お客様の意見や反応から商品を開発する  → 以前から商品であった、お客様の想いをクッキーにしてお届けする「メッセージクッキー」をターゲットに合わせて商品名を「めるっきー」に変更。覚えやすく、キャッチーな名前にすることでより興味をもってもらうように工夫をする

 

上記施策を行った結果、2015年にはTwitterフォロワー数10,000人突破、2016年3月には月間インプレッション数も100万回になりました。またこの結果、自社のSNSからの集客でお客様が来るようになり、フリーペーパーなどの広告費を自社のSNS運用に回すことができるようになりました。

 

4.WEBマーケティング戦略

Twitterのフォロワー数が増加した結果、来店した様子や購入したケーキを自発的に投稿する内容が増え、そのツイートを自社のTwitterにリツートすることで口コミが見える化し、さらにそれを見た人が来店する、といったサイクルが生まれました。

今後は遠方のお客様にも対応するためオンラインショップを開設しようとしています。

まとめ

2012年に起業した「お菓子のありの子」は、2014年末からSNS運用を開始しました。 運用前はターゲットが明確で無いがゆえに、さまざまな紙媒体の広告を使ったり、商品が増えすぎてしまったり、など様々な施策を行ってもお客様に上手く刺さりませんでした。

しかし、SNS運用によりターゲットが明確になり、商品の絞込や口コミが広がった現在ではTwitterのフォロワーは15,751人Facebookは903いいね(2016/10/30現在)という飛躍的な発展を遂げ、現在「お菓子のありの子」は大分でも独特なポジションを持ち始めています。

結びに

SNSは大きな投資をしなくても使えるツールですが、それが故に投稿をやめてしまったりすることがあります。ただ運用するのではなく、経営戦略の一手段として目的を持って体制や情報発信ルールを決め運用し、検証することが成功の秘訣です。

この事例の詳細はWD(ウェブデザイニング)12月号でも詳しく掲載しています。 是非ご覧ください。

デジタルマーケティングを基礎から総合的に学ぶには

Google アナリティクスをはじめとしたGoogle系のツールは、その使い方を知ることも大切ですが、使うための戦略や設計が必要です。それは、ビジネスに成果をもたらすために必須の考え方です。

ウェブ解析士協会では、このようなデジタルマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」を体系的に学べる環境と、知識・技術・技能に一定の評価基準を設け、あらゆるデータから事業の成果に貢献する人材を育成しています。

Twitterページ:https://twitter.com/okashinoarinoko

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この記事を書いた人

(株)ソースクリエイトにてプログラマとして入社後、ウェブ解析士マスターを取得。現在は、SNSやウェブ解析を活かしたディレクション業務を主に行う。

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