大分の小さなお菓子屋さんのSNS運用事例について(前編)

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はじめまして。ウェブ解析士マスターの中尾彩子と申します。

福岡の株式会社ソースクリエイトという会社でディレクションとウェブ解析に従事しております。 弊社には福岡に数名しかいないウェブ解析士マスターが3人在籍しており、日々ウェブ解析を使ったサイト構築や運用などのアドバイスを行っております。

今回は、亀井さん(ウェブ解析士マスター)の「ホームページをコストで終わらせないために」(※亀井さんが開催している勉強会)で発表した「大分の小さなお菓子屋さんのSNS事情」をお伝えします。 前編は「SNS運用をするきっかけや運用内容について」、後編は、「実際の投稿内容やSNS導入したことによる業務内容の変化」についてです。

TwitterやFacebookといったSNSは一時的なブームが去り、せっかく作ったSNSアカウントも放置気味になっていることが多い のではないでしょうか。ご紹介するのは、大分の小さなお菓子屋さんがSNSを自分たちの販促ツールとして使いこなした結果、自分たちの顧客を発見し、強みを活かした商品作りと運用を開拓していったストーリーです。

 

大分の小さなお菓子屋さん 「お菓子のありの子」

 

お菓子のありの子 http://www.arinoko.jp/

お菓子のありの子Twitter

 https://twitter.com/okashinoarinoko

 

お菓子のありの子Facebook

 https://www.facebook.com/okashinoarinoko/

 

「お菓子のありの子」は大分市の中心市街地から車で10分ほどの郊外にあり、ケーキやクッキーなどを中心とした洋菓子を専門に営業展開しています。 店舗の近くには高校や中学校が3件あるため、学生が多い街です。商品展開としましては、かわいらしい動物クッキーや、通常のサイズよりもやや小さめな「ありの子」サイズのケーキが人気の洋菓子店です。

このお店は相談当初、小麦粉やバター、卵、砂糖など洋菓子のベースとなる原材料の高騰が続いており、電気代等の燃料の値上げも追い打ちをかけたため、利益率が下がるという課題を抱え、さらにコンビニスイーツにお客を奪われ、売り上げまで下がりました。そのため、利益を得るためにたくさんの商品を作った結果、利益率が低下し、悪循環に陥っていました。

上記課題を解決するため全体のITを活用した業務最適化を行い、その一環として知名度向上のためサイト構築及びSNS運用を2014年末から開始しました。

 

苦戦したビジネスモデル勉強会

nakao_161024_図1

実は、ウェブサイトの構築の前に、「お菓子のありの子」営業担当者が3C分析や5フォースやSWOT分析といった戦略フレームを使って、自社を客観的に解析する勉強会に参加していました。その勉強会参加者から 「誰のためのケーキなのか」「種類が多すぎて選ぶのが苦痛」など、自社の商品について率直な意見を聞いていました。

そこで営業担当者は、「お客様が誰かよくわからず施策を続けていたため、商品が多くなり、自社の強みがわからなくなっていった」ことに気づき、店舗のシェフ(オーナー含む)やスタッフにもその気づきをフィードバックしていきました。

とはいえ、最初は、「よく知らない人たちが言ってることを真に受けても…」といった風に店舗のシェフやスタッフは勉強会でのフィードバックに関して懐疑的でした。

 

IT嫌いなシェフの心を動かすデータ分析

nakao_161024_グラフ

課題解決のため、「IT使ってなんとかならないか」と動き始めたのは営業担当者で、店舗のシェフはITに対するアレルギーがひどくありました。最初、営業担当者が「サイトを作りSNSで発信しよう」と話をしても、シェフは「使い方がわからないから」と言ってWeb施策には消極的だったので、

紙で管理していた顧客情報をExcelに入力し、売上と比較したものを見てもらう機会を作りました。

「8月・9月の誕生日ケーキは売上が低くなっているが、実は日本で一番誕生月が多いのは9月」というデータをシェフに見せたところ、売り逃しをしていることに気がついたシェフ。

このことがきっかけで、シェフは「ITは嫌なものではなく、今まで感覚で把握していた顧客のトレンドを見える化してくれるものである」と考えを改めてくれたことにより、SNSやWebサイトの話を聞いてくださるようになりました。 その結果、営業担当者、SNS運用者だけでなく、店舗シェフやスタッフ全体をも巻き込んだSNS運用がはじまります。

 

SNS運用

SNS運用し始めた理由は、集客に関してはポスティングと店舗のちらししか方法がなく、その方法ではリーチできるお客様が少ないということが課題にあがったからです。 そして「ただ、運用するだけではもったいない!」ということで、運用をする前に、SNSのターゲットはどういう人かを話し合いました。その結果、近隣地域に通学している学生をメインターゲットにし、若年世代が好むコンテンツを定期的にSNSに投稿することにしました。

現在も「お菓子のありの子」の主なWebメディアは以下の3種類を使用し、役割は以下の通りで運用しています。

  • サイト →会社の情報や、焼き菓子といった通年販売する商品の紹介
  • Twitter →毎日の商品の紹介、お客様とのコミュニケーション、新商品の案内などを毎日最低3回投稿
  • Facebook →定休日のお知らせや、毎週土曜日にその週に作成したオリジナル商品の紹介

また、年間のスケジュールを作成することで、なにを投稿すべきか全体で共有できるようにして、投稿が途切れないように内容やスケジュールを予め決めておきました。 さらに、SNSの運用は主に3人が役割分担を行い、運用するようにしています。

nakao_161024_Twitterの運用体制

参照:図1(Twitterの運用体制)

コンテンツの投稿は現場担当者(店舗)が行い、投稿内容の指示や、お客様対応についてはSNS運用担当者が。 また、SNS運用者は知らない顧客情報などは現場担当者や営業担当者が返信内容を指示。 うまく役割を分担することで、無理なく運用が行える用に工夫していることが大きな特徴です。

 

次回はさらにSNS運用内容について詳しくご紹介できればと思います。

※詳細はWeb Designing 2016年12月号にも掲載しています。

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中尾 彩子

(株)ソースクリエイトにてプログラマとして入社後、ウェブ解析士マスターを取得。現在は、SNSやウェブ解析を活かしたディレクション業務を主に行う。